「ウルトラ兄弟永遠の誓い ー二面凶悪怪獣アシュラン 怪獣ボールセブンガー 帰ってきたウルトラマン登場ー」
『ウルトラマンレオ』制作第34話
1974年11月29日放送(第34話)
脚本 阿井文瓶
監督 前田勲
特撮監督 大木淳
新ウルトラマン
身長 40m
体重 3万5千t
セブンに変身できなくなったダンの為に怪獣ボールを届けに地球にやって来たが、途中でアシュランに襲われて怪獣ボールを見失ってしまった。郷秀樹の姿に変身するが、アシュランに仮面を付けられて喋る事が出来なくなってしまう。
ゲン達に保護されて、城南スポーツクラブで怪我の手当てをしてもらった後、怪獣ボールを見付けてダンに届け、その時にウルトラ念力で仮面を外してもらった。
怪我の為にダンに変身を止められるが、レオと一緒に出撃して皆既月食を利用したクロスアタックでアシュランを倒すと、ダンのウルトラアイを持ってウルトラの国に帰った。
劇中では「帰ってきたウルトラマン」又は「ウルトラマン」と呼ばれている。
怪獣ボールセブンガー
身長 ミクロ~58m
体重 0~3万3千t
セブンに変身できなくなったダンの為にウルトラの国から届けられた怪獣ボールの中に入っていた。ダンだけが使う事が出来る。
強靭なボディと怪力を誇りアシュランを全く寄せ付けなかったが、活動時間が1分間に限られている上に一度使うと50時間は使用不能に陥ってしまう。
二面凶悪怪獣アシュラン
身長 55m
体重 3万t
ダンに怪獣ボールを届けようと地球にやって来た新マンを襲った。郷秀樹に仮面を付けて怪獣ボールがダンの手に渡らないようにした。
赤と青の2体の怪獣が背中合わせになっていて死角が無い。口から火炎を吐き、目から光線を撃つ。
セブンガーに圧倒されるが活動時間の制限によって救われる。その時にセブン、新マン、レオのウルトラ3人組の存在を知って一度退却するが、ウルトラ3人組がなかなか現れないので再び出現してMAC東京支部を襲う。最後は皆既月食を利用したレオと新マンのクロスアタックに破れた。
名前の由来はインド神話に登場する魔族「アスラ」とそのアスラが仏教に取り入れられた存在の「阿修羅」かな。
物語
セブンに変身できなくなったダンの為に怪獣ボールを届けに地球にやって来た新マンだったが、途中でアシュランに襲われて怪獣ボールを無くしてしまう。
感想
「怪獣の恩返し」でのマグマ星人再登場に続いて特撮・怪獣ファン達の意見で実現した第4のカプセル怪獣セブンガー。レオと新マンの2人が力を合わせなければ勝てない強豪アシュランを圧倒する強さを誇る。強い! 強いぞ! セブンガー! 単純に考えてウルトラマンと互角以上の実力の持ち主ではないだろうか? 登場が今回のみなのが非常に残念。(内山まもるさんの漫画版だとババルウ星人とも戦っている)
ナレーションによるとセブンガーの活動時間は1分間となっている。もしあと10秒あればアシュランを倒せたらしい。(でも実際のセブンガーは1分10秒活動していたりする。倒せたじゃん!)
新マンこと郷秀樹が登場。主題歌がかかり、回想シーンまで入れてくれている。
ただし、新マンを「ウルトラ5番目の兄弟」と言ったり、郷秀樹の着ている服が初代マンの服だったりと細かいところを間違っているのが残念。
今回はタロウブレスレットを装着しているが、ウルトラブレスレットを無くした代わりだろうか?
今回は久々のウルトラ兄弟ゲスト出演で懐かしのウルトラサインも見れる。
ところで、どうしてウルトラ兄弟は今まで助けに来なかったのだろうか? 冷静に考えたら第1話の「セブンが死ぬ時! 東京は沈没する!」でセブンが戦闘不能に陥った時に来るべきだった。
その答えは新マンがゲスト出演した『T』の「ウルトラの命を盗め!」にあると自分は考えている。
この話で郷秀樹は「今、宇宙に戦争がある」と語っている。もし宇宙全体を巻き込んだ大規模な戦争が起きていたら、ウルトラマン達はその戦争終結の為に立ち上がるだろう。その為、地球にまで手が回らなくなってしまった。
地球は変身できなくなったとは言えセブンがいるしレオもいる。滅ぼされてしまったL77星等に比べると地球はまだマシな方と言えよう。
その『T』の「ウルトラの命を盗め!」に続いて今回も負けてしまった新マン。この頃の新マンは弱いなぁ……。
ひょっとしたら、宇宙全体を巻き込んだ戦争を終結させる為に宇宙各地を飛び回っていて、その疲れが溜まって負けてしまったのかもしれない。
今回の新マンはレオの為ではなく、ダン=セブンの為に地球に来ている。
思えば新マンは『帰マン』の「ウルトラセブン参上!」でセブンからウルトラブレスレットを授けられた恩がある。必死に怪獣ボールを届けようとしたのも、その恩を返す為だったと思われる。
郷秀樹には怪獣反応がある。(怪獣ボールに反応していたのかもしれないが)
この怪獣反応は宇宙人にも反応している時があるので人間ではないと言う意味だろう。
郷秀樹はアシュランに仮面を付けられて喋られなくなってしまったが、それなら筆記で伝えれば良かったのでは……。
今回の郷秀樹は子供達に「気持ち悪い」と言われて石を投げられるなど散々な目に遭っていて見ていて痛々しい……。しかし、バイクを駆る姿は文句無しに格好良い!
ところで次郎君やルミ子さんとは一度くらいは会ったのかな?
ゲンは郷秀樹の事を知らなかった。まぁ、南夕子の事も知らなかったようなので仕方が無いが、ダンはもう少しウルトラ兄弟の事をゲンに教えた方が良いと思う。
途中から郷秀樹が普通にMAC本部にいるが他の隊員達は不審に思わなかったのだろうか? それとも『A』の「決戦! エース対郷秀樹」のようにMATの資料があったのだろうか?(でも郷秀樹は戦死している扱いなんだよな)
予告にセブンが登場して「オオッ!!」と思ったがダンは変身せず。残念。
しかし、アシュランの想像の中だけとは言え、セブン、新マン、レオのウルトラ3人組の映像が見られたのは嬉しい。
今回は佐藤隊員のイイ人振りが見られる。
怪獣反応があったが怪我をしているのに厳しい取調べを受けさせるのは可哀相と言う佐藤隊員は今までのMAC隊員にはいないキャラクターだ。(甘いと言えば甘いんだけどね)
頭から地球に落下すると言うよく分からんがなんか凄い登場をしたアシュラン。
アシュランとの戦いは皆既月食を利用したレオと新マンのクロスアタックが格好良かった。
戦いが終わり、怪獣ボールを持ったダンと溶けたウルトラアイを持った郷秀樹。
ダンは「地球の事は心配するなと皆に伝えてくれ」と言い、郷秀樹はゲンに「頼んだよ」と言う。まだ正式にウルトラ兄弟入りしてはいないが、ウルトラ兄弟がレオを認めた瞬間だった。
「セブンのウルトラアイは弟・帰ってきたウルトラマンによってウルトラの国に運ばれた。しかし、はたして、ウルトラアイは元に戻るのだろうか?」。