「二大怪獣東京を襲撃 ー地底怪獣グドン 古代怪獣ツインテール登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第5話
1971年4月30日放送(第5話)
脚本 上原正三
監督 冨田義治
特殊技術 高野宏一
地底怪獣グドン
身長 50m
体重 2万5千t
「ツインテールを常食としている」と文献に記されている怪獣で、ツインテールを食べる為に東京に現れた。
両手のムチが武器。
古代怪獣ツインテール
身長 45m
体重 1万5千t
文献に載っている怪獣で、巨大化した卵から孵った。
2本の尻尾が武器。
頭を下にすると言うデザインが見事。
因みに女性の髪型の「ツインテール」はこの怪獣が元ネタ。
物語
怪獣の卵と思われる物体を巡って意見が対立する郷と岸田隊員。
そこに怪獣が現れるが郷は岸田隊員と再び対立してしまい、謹慎処分を受けてしまう。
感想
ある意味で岸田隊員大活躍な話。今までいなかったタイプなので見ていて面白い。
撮影の邪魔になったのか、丘隊員が今回の話からショートカットになる。個人的には髪が長い方が好みだった。
アンモナイトの化石が付いていたぐらいで怪獣の卵かもしれないとMATに連絡する次郎君。それでも岸田隊員は一応調べたし、念の為にマットシュートで焼いているので、それほど落ち度があったとは思えない。(マットシュートで撃つだけで十分だったのか?と言う郷の言葉に「じゃあ、戦車でも出動させろと言うのか?」と言う返しはどうかと思うが)
結局、採石場に女の子はいたのかいなかったのか……。状況を考えたら、怪獣が暴れている所で子供がのんきに遊んでいるとは思えないが、郷が何かと子供を見間違えるとも思えない。気になる……。
今までは郷と対立する事が多かった上野隊員だが今回の話では郷の味方になっている。上野隊員は帰る家が無く、MATしか居場所が無いらしい。その為、自分の仲間(MAT)を大切にしようと言う気持ちが強いのだろう。そんな上野隊員にとって、新入隊員でありながら高い能力を持ち皆のプライドを潰していく郷と言う存在は自分達の敵だと感じてしまったのかもしれない。しかし、一度仲間として受け入れたら今度はとことん気にかけてくれるようになる。上野隊員はそういう人物なのだろう。
「なーに、いざと言う時は必ずウルトラマンが来てくれるさ」と地球防衛庁長官とは思えない言葉を吐く岸田長官。皆を安心させる為とは言え、もう少し他に言い方は無かったのかと言いたくなる。
岸田長官がウルトラマンを無条件で人間を助けてくれる守護神だと思ってしまっている一方、加藤隊長は「MATが犯した不始末はMATのやり方で収拾を付ける」とウルトラマンを当てにせず、あくまで自分達の手で事態を解決しようとする。
今回の話は東映の冨田義治さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。
ウルトラマンと二大怪獣の戦いが続く中、段々と夕焼けが強くなってくるのが格好良い。
果たして郷は、MATは人々を守る事が出来るのか?
と言う事で次回「決戦! 怪獣対マット」に続きます。