帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「この一撃に怒りをこめて」

「この一撃に怒りをこめて ーブーメラン怪獣レッドキラー登場ー
帰ってきたウルトラマン』制作第46話
1972年2月25日放送(第46話)
脚本 田口成光
監督 鍛冶昇
特殊技術 佐川和夫

 

宇宙参謀ズール星人
身長 2m
体重 95kg
紙芝居屋のおじさんに変身してウルトラマン不要論の紙芝居を子供達に見せたり、郷に無実の罪を着せたりした。
真実を知った岸田隊員に射殺される。
通信機を使って上司も登場した。
名前の由来は「ズルイ」かな。

 

ブーメラン怪獣レッドキラー
身長 50m
体重 3万8千t
ズール星人が連れて来た怪獣。
一度はMATのスーパーカノンに倒されるが、これは罠で二度目は効かなかった。
ウルトラマンにブレスレットムチでブーメランを奪われ、最後は十字に切られて倒された。

 

物語
さぁさぁ! 今回登場のズール星人は名前の通りにズルイったらありゃしない! なんたって、郷秀樹を嘘の交通事故で陥れてしまうんだから!
そしてズール星人が連れて来た怪獣レッドキラー! なんとMATの新兵器スーパーカノンにもビクともしないんだよ!

 

感想
やはりズール星人が紙芝居で自分の計画をバラしてしまう理由が無いのが辛い。どうせなら、視聴者に語りかけるようにすれば良かったのかな……?
紙芝居屋のおじさんは次はレッドキラーが生き返る話だと言っていたが、ズール星人の計画だと今度はレッドキラーが勝つ予定なので、どのような話だったのか気になる。

 

「地球の平和を守るのに宇宙人は要らない。君達だって喧嘩している時に他人が手を出してきたら嫌だろう?」と言う紙芝居屋のおじさんの台詞はなかなか興味深い。その後、MATが自力で怪獣を倒す事でウルトラマンは要らないと人々に思わせる展開も良いのだが、これ以上は突っ込まれなかった。突っ込んで描けばかなり面白い話になっていたと思うので残念。

 

実際に事故を目撃したわけではないのに紙芝居屋のおじさんの言葉に乗って郷を非難する人々。さりげないが人間心理の怖いところが垣間見えた場面。

 

郷に無実の罪を着せ、世間はMATをどう思う?と揺さぶりをかける紙芝居屋のおじさんは卑劣極まりないが侵略者らしくて良い。威厳は無いけど性質の悪さは一級。ただし、街中で通信機を使うのはやめてほしかった。バレるぞ。

 

「たとえば、かまいたちが起きたとか!?」。
子供をはねていないと言う郷の弁明なのだが、いくらなんでもかまいたちは無いだろう。人間、気が動転すると何を言うか分からない。

 

悪魔と天使の間に…」と違って今回の伊吹隊長は郷を信じている。
それにしても郷が言ったとは言え、まだ人間の姿をしているズール星人を容赦なく撃っちゃう岸田隊員って……。

 

原爆と同じ威力だが放射能は0だと言うスーパーカノン。この頃は放射能が出ない超兵器がよく出ていた。

 

今回の予告ナレーションは名古屋章さんだったのかな? なんか違うような気がする。

 

今回の話は田口さんの『帰ってきたウルトラマン』最終作となっている。
今回の話は『小学二年生』に掲載された内山まもるさんの漫画『帰ってきたウルトラマン』が元になっているらしい。漫画版はTVの「バルタン星人Jrの復讐」の後日談となっていて、スペシウム光線を受けて消滅したバルタン星人は実は生きていて、ビルガモの量産機を使ってウルトラマンに再戦を挑むと言う話になっている。

 

今回の話は鍛冶監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。
又、佐川監督の『帰ってきたウルトラマン』監督最終作となっている。

 

 

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