「狙われた女 ーひとだま怪獣フェミゴン登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第48話
1972年3月3日放送(第47話)
脚本 石堂淑朗
監督 佐伯孚治
特殊技術 真野田陽一
人魂怪獣フェミゴン
身長 70m
体重 5万t
口から火を吐いてコンビナートを破壊していく。最終目標はMAT基地の破壊だったらしい。
伊吹隊長は丘隊員に宇宙怪獣が乗り移っていたと言うが……。
ウルトラスパークで丘隊員と分離させられて消滅した。
名前の由来は「フェミニン」から。
「必殺! 流星キック」のキングザウルス三世の着ぐるみを改造している。
物語
丘隊員に珍しくミスが続き、郷と南隊員が行方不明になってしまう。
伊吹隊長は丘隊員に一ヶ月間の休暇を与える。その時、怪獣が現れ、わずか3人になったMATの苦闘が始まる。
感想
丘隊員の主役回。
フェミゴンは単なる宇宙怪獣と言うより丘隊員が今まで溜めていた様々なストレスが爆発したような存在にも思える。
「民家の上には墜落出来ない」と何とか海上へと墜落したマットアロー。『ウルトラマンA』のTACに聞かせたい台詞。
「遭難の次はニアミスか! 一体、MATはどうなるんだ!」と怒鳴る伊吹隊長。おそらく解散でしょう。
「千葉に怪獣が現れた事は日本中に知られている」。
やはりTVやラジオで怪獣出現を知らせているのか。劇中でそのような説明が出てくる事はあまり無い。
今回は伊吹隊長の心情が色々と垣間見える。
加藤隊長時代は「職場」と言う雰囲気が強かったが、伊吹隊長時代になると「家族」と言う雰囲気が強くなった。(残った3人の話は「軍隊」だったが)
丘隊員の主役回なのだが残った伊吹隊長、岸田隊員、上野隊員の話が意外と多い。トランプのジョーカーを選ぶ場面は格好良かった。
それにしてもこれだけ重要な組織がたった6人と言うのは無理がある。他に隊員がいたら今回の話が成り立たなくなるのは分かるが。
今回は珍しい海中での戦闘シーンがあるが、ウルトラマンとフェミゴンが海に入る場面は大きさが表現出来ていなくて残念だった。
今回の話は石堂さんの『帰ってきたウルトラマン』脚本最終作となっている。
今回の話は佐伯監督のウルトラシリーズ監督最終作となっている。
この後、佐伯監督は東映の不思議コメディシリーズ等を担当した。