帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「バルタン星人Jrの復讐」

「バルタン星人Jrの復讐 ーバルタン星人ジュニア登場ー
帰ってきたウルトラマン』制作第41話
1972年1月21日放送(第41話)
脚本 長坂秀佳
監督 佐伯孚治
特殊技術 佐川和夫

 

宇宙忍者バルタン星人Jr(4代目)
身長 ミクロ~45m
体重 0~3万t
初代ウルトラマンに倒されたバルタン星人の子供。用意周到な「ビルガモ作戦」を展開する。
ビルガモが倒された後に姿を現して「勝負はまだ1回の表だ」と言って去ったところを背後にスペシウム光線を受けて消滅。死んだのか、それとも……?
「フォッフォッフォ」と笑わず流暢な日本語を話す。

 

ロボット怪獣ビルガモ
身長 55m
体重 6万8千t
建設中のビルにカモフラージュされていた。両腕、目、足の各パーツと合体する。次郎君とMAT隊員を中に閉じ込めて人質にした。
頭部から波状光線、両腕からショック波を出す。
人質に逃げられてウルトラスパークで破壊される。
名前の由来は「ビル」かな。

 

物語
ビルにバルタン星人が現れたと訴える次郎君。
次郎君の言葉を信じて友達の進が調査に乗り出すが行方不明になってしまう。
進を助けに次郎君、郷、MATがビルの中に入るが逆に捕らえられてしまった。
これこそバルタン星人Jrの「ビルガモ作戦」だったのだ!

 

感想
先に言ってしまうと中途半端な話だった。郷と次郎君の話とバルタン星人Jrの話のどちらを優先させるかで混乱してしまった感じ。第4クールの目玉として過去の怪獣や宇宙人の再登場が検討されていたので結局はバルタン星人Jrの話を優先させる事になったようだが、個人的には郷と次郎君の話を優先してほしかった。

 

次郎君が聞いた坂田さんの声の正体はバルタン星人Jrだった。次郎君が可哀相。途中で本物の坂田さんの声が聞こえてきてほしかったが、「もう君の年になれば、死んだ人が生きている人間に話しかけるなんて、そんな馬鹿な事を信じちゃいけない」と言う郷の台詞を聞けば本物の坂田さんの声が無かったのも仕方が無いかもしれない。確かに現実ではそんな事はありえないから。(とは言え、ウルトラシリーズでは何度か死んだ人間が生きている人間に話しかける場面があるが)

 

ビルの中にある赤い液体を踏むと壁に引きずり込まれる仕掛けが面白い。壁から出てくる雲状のモヤモヤもなかなか良い。

 

色々な罠があるビルガモ作戦。実は東京、MAT、ウルトラマンの打倒と壊滅が目的と言うスケールの大きなものだった。かなり都合の良いところもあったが、おそらくは他の方法を使っても結局は同じ展開になるように更なる罠が仕掛けてあったと思われる。
このビルガモ作戦は実は人間の信頼や友情を逆手に取った仕掛けが多いのが面白い。

 

ビルガモはグッズにしたら案外売れるかもしれないナイスなデザインをしている。

 

戦闘シーンが豪華。火薬がバンバン使われていて、なんとウルトラマンのスーツまで燃えている。

 

ウルトラマンのカラータイマーが赤く点滅しているのに宣言だけして去ったバルタン星人Jr。そのまま戦ったら勝てたのに! そんな勝ち方では嫌だったのかな?

 

スペシウム光線を受けて消滅したバルタン星人Jrは倒されたようにも見えるがテレポーテーションで逃げたようにも見える。ひょっとしたら再登場の予定があったのかもしれない。出来れば最終回「ウルトラ5つの誓い」でバット星人の代わりにウルトラマン最後の敵として出てほしかった。

 

バルタン星人Jrの父親を倒したのは初代ウルトラマンだと思われるが、ひょっとしたら、描かれていないところでウルトラマンとバルタン星人Jrの父親の戦いがあったのかもしれない。

 

バルタン星人は親子でウルトラマンは兄弟ではあるが今回はバルタン星人とウルトラマンの2世対決と言う側面もあった。

 

「兄ちゃんは君付けしない」と言う次郎君の厳しい言葉。今回の話から郷は次郎君の事を呼び捨てにするようになる。しかし、郷は「次郎君のお兄さん代わりではなく、一番良い友達になる」と言う。やはり坂田さんの存在は大きかったようだ。
事件が解決した後、次郎君は郷の事を「先輩」と言い、郷は次郎君の事を「後輩」と言う。兄弟にはなれなかったが人生の先輩後輩と言う関係になった。この郷と次郎君の関係は最終回「ウルトラ5つの誓い」に繋がる。

 

今回の話は脚本の長坂秀佳さんと監督の佐伯孚治さんのウルトラシリーズデビュー作となっている。

 

 

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