「宇宙から来た透明大怪獣 ー忍者怪獣サータン登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第19話
1971年8月13日放送(第19話)
脚本 上原正三
監督 鍛冶昇
特殊技術 佐川和夫
忍者怪獣サータン
身長 45m
体重 3万2千t
巨大化した隕石の中から出現した宇宙怪獣。
中性子で構成されていてビルやミサイルをすり抜ける事が出来る。コンクリートに敏感に反応するらしい。MATの原子核放電網で実体化する。
ウルトラブレスレットのウルトラスーパー光線で爆破された。
名前の由来は「サタン(悪魔)」かな。予告では「サターン」と呼ばれていた。
物語
次郎君達が発見した隕石の中には怪獣がいた。
大怪我を負った次郎君の為に郷は怪獣と戦うが得体の知れない宇宙怪獣相手に苦戦を強いられる。
郷は思わず弱音を吐いてしまうが……。
感想
ベムスターに続く宇宙怪獣としてサータンが登場。ベムスターと比べるとさすがに地味だが、長い鼻が不気味な感じでなかなか良いデザイン。
次郎君が初めてメインでドラマに関わる話。意外だが今までの話で次郎君が最初から最後まで重要な役割を持って出る事は殆ど無かった。
今回はただの子供ではなくて第1話から郷を兄として慕っている次郎君だからこその話で、遂に怪獣を倒した郷が「勝ったぞ……!」と次郎君に伝えに来る場面は本当に格好良かった。
宇宙怪獣相手に弱気になってしまった郷を叱る坂田さん。レースでは弱気になった瞬間にスピンしてしまうと言う話をしていたが、これは坂田さんの実体験なのかな。
今回の変身シーンは郷とウルトラマンの姿が重なっていて、両者の意思が完全に一致した事を表していた。戦闘中にもウルトラマンが次郎君の言葉を思い出したり、次郎君がウルトラマンと空を飛ぶ夢を見たりと郷とウルトラマンが完全にイコールになっていた。
今回は隕石の中から怪獣が現れるのが『ウルトラQ』の「ガラダマ」、動物を助けようとして瓦礫の下敷きになるが「怪獣総進撃」、ただの石だと判断したら実は怪獣が入っていたのが「二大怪獣東京を襲撃」、見えない相手をカメラで発見するのが『ウルトラセブン』の「明日を捜せ」、特訓して新しい技を開発するのが「必殺! 流星キック」と過去の話にあった様々なシチュエーションが再登場している。