「変身超獣の謎を追え! ー変身超獣ブロッケン登場ー」
『ウルトラマンA』制作第6話
1972年5月12日放送(第6話)
脚本 田口成光
監督 真船禎
特殊技術 大平隆
変身超獣ブロッケン
身長 65m
体重 8万3千t
小山隊員に乗り移ってTACが開発する新型ロケットエンジンを破壊する。
両手に目と口が現れるので常に手袋をしていないといけない。この手にある口から白いガスを吐く。
元の姿に戻ると鼻から炎を、両手や尻尾から光線を撃つ。
ウルトラ兄弟の助言を受けたエースのウルトラギロチンで倒される。
宇宙怪獣とワニの合体生物。当時は学年誌で「最強の超獣」と紹介されていたらしい。
名前の由来は「ブロッケンの妖怪」かな。
ウルトラ兄弟
ブロッケンに苦戦するエースにウルトラサインで「立て! 撃て! 斬れ!」と言う助言を送る。
物語
ヤプールは新星号の小山パイロットに超獣ブロッケンを乗り移らせる。その目的はTACが開発中の新型ロケットエンジンの破壊であった。
感想
超獣製造器が初登場。わずか2回しか出ていないが、これによって超獣はヤプールに作られた改造生物である事がハッキリと分かるので印象に残った。
TACが開発中の新型ロケットエンジンは光の速さに迫っていて異次元を覗けるかもしれないと言う優れもの。これにはヤプールも「TACの科学力は大したものだ」と褒めている。「銀河に散った5つの星」に登場する超光速ミサイルNo.7のプロトタイプとも言える。
ところで今野隊員はロケット工学のオーソリティとなっているが今回の話で全然活かされていなかったのが残念。
赤ん坊の時に死んだので父親の記憶が無いと語る星司。
夕子が知らなかったところを見ると、星司と夕子は記憶を共有していないようだ。まぁプライバシーに関わる部分だしね。
小山隊員に乗り移ったブロッケンは髭が伸びたり両手に目と口が現れたりはしたが態度に不審なところが無かったのは見事。竜隊長が求めた握手を最初は息子としたいと言ってかわすのは上手かった。
ブロッケンは今までの怪獣に比べて高い知能を持っていて、TACも怪獣ではなくて宇宙人だと思っていた。最後はエースに倒されたが当初の目的である新型ロケットエンジンの破壊は達成している。
「輝け! ウルトラ五兄弟」で梶隊員が開発した特殊アダプターが今回の話でようやく使われた。さすがに一発で超獣をやっつける事は出来なかったがかなりのダメージを与えていた。
今回のウルトラタッチは変身時の光でブロッケンの右腕を吹き飛ばしている。凄い。
今回のウルトラサインは暗雲が立ち込める中での登場で雰囲気抜群。山中隊員の「新しい敵か!?」も盛り上げに役立っているが、一番の盛り上げは岸田森さんの気合いの入ったナレーションであろう。
ウルトラギロチンは『帰マン』のウルトラハリケーンに続いてウルトラマンが名前を叫んだ技。これらが積み重なって『T』に繋がっていく。