帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラの母 愛の奇跡!」

ウルトラの母 愛の奇跡! ーゾフィ 食葉怪獣ケムジラ 火山怪獣バートン登場ー
ウルトラマンT』制作第19話
1973年8月10日放送(第19話)
脚本 田口成光
監督 深沢清澄
特殊技術 小林正夫

 

ウルトラの母
身長 40m
体重 3万2千t
危うく命を失うところだったタロウをウルトラの国で復活させ、新たなアイテム・キングブレスレットを授けた。その後、死んだゾフィをウルトラの国に連れ帰る為に地球に姿を現した。
因みに今回の話でタロウを復活させた場所はウルトラの国にあるウルトラクリニック78と言う病院で、ウルトラの母はウルトラの国の救急隊である銀十字軍の隊長として普段はこのウルトラクリニック78で働いているらしい。
「早く地球へ戻りなさい。子供達があなたを呼んでいます」。

 

ゾフィ
身長 45m
体重 4万5千t
バードンに倒され、その後、数日に亘って野晒しに……。
ウルトラの母によってウルトラの国に連れて帰られ、その後、復活したようだ。

 

火山怪鳥バードン
身長 62m
体重 3万3千t
日本各地を飛び回って喰って喰って喰いまくる!
ZATに食料を絶たれると今度は人間を食べ始めてしまった。
大熊山に巣があり、巣の中にある卵を守っていた。
復活したタロウのキングブレスレットでクチバシを封じられ、分身攻撃に惑わされて大熊山に激突した。

 

物語
タロウとゾフィ亡き後もバードンと戦い続けるZATだが状況は悪化していく。
そこに復活したタロウが登場!
タロウはウルトラの母から授かったキングブレスレットでバードンとの再戦に挑む!

 

感想
ゾフィが死んだ! タロウも死んだ!」の続き。

 

怪獣紹介のテロップに何故かケムジラの名前がある。前回のものをそのまま使ったのだろうか?

 

市民からの苦情が広報等を通さず本部に直接繋がるZAT。これは精神的にかなりキツい。
今回は登場していないが、朝日奈隊長も上層部との会議でかなりキツい事を言われていそう。

 

「この際、出来る事は何でもやってみよう」と言う荒垣副隊長。タロウとゾフィが倒され、光太郎も行方不明(荒垣副隊長は死んだと思っていた)と言う絶望的な状況でも決して諦めないのがZATの良いところ。

 

光太郎がいなくなって寂しい健一君。今回は他の人を光太郎と間違えると言うお約束もやっている。
あさかまゆみさんが降板しているので今回の話にさおりさんが登場していないのが残念。

 

健一君はポチを使って光太郎を探そうとするが、お腹が空いているポチは役に立たなかった。お菓子を食べるポチが可愛い。

 

遂に人間を食べ始めたバードン。賑やかだったマンモス団地が一瞬で静かになる場面は恐怖。

 

絶体絶命の危機に遂にタロウが登場!は盛り上がる展開だった。出来ればこのまま一気にバードンを倒してほしかった。
バードンとの再戦はキングブレスレットの能力が印象深い。タロウブレスレットの印象が薄かった分、キングブレスレットの登場はタロウの戦力アップを印象付けた。
だが、あれほどの強敵だったバードンの最期が自滅と言うのはちょっと拍子抜け。やはり最後はストリウム光線で締めてほしかった。

 

光太郎がタケシ一家をお見舞いに行った時のカナリアの話は少し唐突。バードンカナリアの関係は最初から伏線が張られてはいたが、あの場面でいきなりカナリアの話をするものだろうか? まぁ、タケシは緊迫した場の雰囲気を和ませようとしたとも考えられるが。

 

「あなたにはいつも怪獣が付いて回ってくるのね!」と光太郎に向かって告げるタケシの母親。確かにヒーロー作品の主人公の周りには怪獣やら怪人やらが付いて回っている。ヒーローと怪獣・怪人の間には見えない運命の糸のようなものがあるのかもしれない。
ただ、今回の話に限って言えば、怪獣は光太郎よりもタケシ一家に付いて回っていたと思う。

 

「私達は被害者なのよ!」と訴えるタケシの母親。しかし、タケシの父親が言うようにウルトラマン達も被害者だしタケシの家族以外にも多くの被害者がいる。周りが見えなくなってしまうのも分からなくはないが悲しいのは自分達だけではないのだ。

 

タケシの母親は光太郎やZATに悪態を吐きまくりであったが、それも母の愛情故と言える。愛とは多分にエゴを含んだもの。愛の二面性を描くのがこの時期のウルトラシリーズらしい。

 

バードンの巣に卵があったが、これはバードンの弟妹か、それとも子供か。もし子供だとしたらバードンの行動も子を想う母の愛情だったとなる。

 

久し振りにギリシア神話の話。
ギリシア神話の神々は非常に人間臭く、はっきり言って人間との人格の違いは殆ど無い。いや、むしろ人間より性質の悪い神もいる。
そんなギリシア神話で神と人間を分けているのは何かと言ったら、それは不死か死であると言える。神は基本的に死なないが、人間はどれほど優れていても死を避ける事は出来ない。
これはそのままウルトラマン達にも当てはまる。『初代マン』の「さらばウルトラマン」で初代マンがゼットンに倒された時もゾフィは命を二つ持ってきたし、『帰マン』の「まぼろしの雪女」で新マンがスノーゴンにバラバラにされてもウルトラブレスレットで復活する事が出来た。『A』の「奇跡! ウルトラの父」でヒッポリト星人に敗れて星になったウルトラの父も「復活! ウルトラの父」でサンタクロースになって帰って来たし、今回死んだゾフィも後の話では何事も無かったかのように復活している。(因みに今回のタロウが死んでおらず危うく命を失うところだったとなっているが、主役が死んでもすぐに生き返る事が出来るとバトル作品として問題が生じるからで、実際はタロウも一度死んでいたと思われる)

 

ウルトラマン達とギリシア神話の神々の違いを挙げるとするならばそれは行動の部分であろう。ウルトラマン達は正義や愛や平和の為に命を懸けて戦っていて、自分の欲望を中心にして行動するギリシア神話の神々とは大きく違っている。(もっとも、その部分も次作『レオ』で崩れていくが……)

 

 

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