帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラの命を盗め!」

「ウルトラの命を盗め! ー帰って来たウルトラマン 泥棒怪獣ドロボン登場ー
ウルトラマンT』制作第52話
1974年3月29日放送(第52話)
脚本 石堂淑朗
監督 筧正典
特撮監督 大木淳

 

ウルトラマン
身長 40m
体重 3万5千t
宇宙でドロボンと戦うがスペシウム光線を防がれて敗北し、ドロボンの地球侵入を許してしまう。その後、ドロボンを追って郷秀樹の姿に変身して地球に降り立った。
ドロボンがZATの二谷副隊長を人質に取ったので、自分のカラータイマーと引き替えに二谷副隊長を救出してタロウに後を託す。タロウによってカラータイマーを取り戻されると、復活して太陽に戻っていった。
手袋とブーツが銀色から赤色に変わっているが、当時はウルトラマン達の赤と銀の姿は実はコスチュームで、その中に青と銀の真の姿があると言う設定があったらしい。新マンはオシャレらしいので色々なコスチュームを持っているのかも。今回は飛び人形の手足も赤くすると細かいところも徹底されていた。
劇中では「ウルトラマン」と呼ばれていた。

 

泥棒怪獣ドロボン
身長 51m
体重 3万t
自分が加わっている宇宙戦争にタロウを駆り出して自分達の助太刀をさせようと地球にやって来た。途中で新マンの妨害に遭うが返り討ちにしている。
光線も撃てる強力な棍棒を武器にしている。ZATが今まで出会った怪獣の中でも一番のエネルギーを持っている。
ZATの二谷副隊長を人質に取ってタロウを苦しめ、二谷副隊長と引き替えに新マンのカラータイマーを手に入れてパワーアップする。最初はタロウを圧倒するが、3分間の活動限界でエネルギーを使い果たし、最後はZATの一斉攻撃で倒された。
名前の由来は「泥棒」かな。

 

物語
宇宙で新マンを倒して地球に侵入したドロボンはZATの二谷副隊長を人質に取るとタロウに自分達の手下になれと脅してきた!

 

感想
二谷副隊長はわずか3話のみの登場だが主役回が作られた。

 

二谷副隊長にはベテランの三谷昇さんが起用されていて、初登場となった前回の「ウルトラの父と花嫁が来た!」では光太郎より先に電話の受話器を取ろうとし、今回もランニングでフラフラになりながらも光太郎に負けじとかけっこをし、受けなくてもいい体力テストで若い隊員に副隊長の威厳を見せようと密かにトレーニングを積んだりと「若い者には負けんぞ!」と言うキャラクターで印象を残した。

 

ドロボンが地球に来た目的はタロウを宇宙戦争に駆り出す事。
ウルトラの国大爆発5秒前!」「ウルトラ6兄弟最後の日!」に続いて今回も地球を守るタロウの存在が地球に新たな危機を招いてしまった。

 

ドロボンは新マンのカラータイマーを手に入れる時に「お前で我慢しよう」と言っている。つまり、ドロボンの中では新マンよりタロウの方が強いと言う事なのか。タロウが成長して強くなったのは嬉しいが、逆に新マンが弱くなってしまったのは複雑だ。

 

カラータイマーを手に入れたドロボンは空を飛ぶ時にわざわざ「シュワッチ!」と言っている。
今回はウルトラマンの活動限界を使った逆転劇が面白かった。

 

カラータイマーを取られた新マンのペシャンコな姿はインパクト大!

 

新マンの「今、宇宙に戦争がある」と言う台詞。その戦争がどの程度の規模かまでは語られていないが、もし宇宙全体を巻き込んだ大規模な戦争だったらウルトラマン達がその終結に立ち上がらないとは考えられない。もしかしたら、次作『レオ』でウルトラマン達の救援が減ったのは、宇宙戦争終結の為に宇宙各地を飛び回っていたので比較的平和な地球にまでは手が回らなかったのかもしれない。(変身できないとは言えセブンがいるしレオもいるので、滅ぼされたL77星等に比べると地球はまだマシと言える)

 

今回の話は地球の平和だけでなく全宇宙の平和を守る為に戦う郷秀樹の姿を描いた『帰マン』の「ウルトラ5つの誓い」の後日談的要素もあると言える。

 

森山隊員の「ウルトラマンタロウもやっぱり神様じゃあないのね」と言う台詞は最終回「さらばタロウよ! ウルトラの母よ!」に繋がる。

 

ドロボンに人質にされた二谷副隊長がZATガンやスーパースワローの自爆装置で自殺しようとするも出来なかった場面がある。その前の場面で郷秀樹が映されているので、この時に郷秀樹が超能力を使って二谷副隊長の自殺を阻止していたと考えられる。

 

ZATウルトラ兄弟に迷惑をかけてしまったと嘆く二谷副隊長とそれを慰める隊員達。荒垣副隊長はどっしりとしていて頼れる存在だったが二谷副隊長はどこか危なっかしくて周りの隊員が助けていく存在と副隊長二人のキャラクターが正反対になっているのが面白い。
わずか3話の登場は勿体なかった。もう少し「泣きの二谷」を見たかった。

 

光太郎の「副隊長は死ぬまで副隊長です。あそこ(副隊長の席)に座っていない時は、死んだ時です」は結構重い台詞だ。

 

今回の話は石堂さんの『T』脚本最終作となっている。

 

 

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