帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ウルトラの国大爆発5秒前!」

「ウルトラの国大爆発5秒前! ー宿敵! テンペラー星人 ウルトラ5兄弟登場ー
ウルトラマンT』制作第33話
1973年11月16日放送(第33話)
脚本 佐々木守
監督 真船禎
特殊技術 山本正孝

 

ウルトラ兄弟
タロウの招待で地球に遊びに行き、それぞれ地球で過ごした時の姿に変身する。
テンペラー星人が自分達を追って地球に来た事を知り、地球上でウルトラの国とテンペラー星の全面戦争が起こるのを回避する為にタロウにテンペラー星人を人気の無い所に誘い出すよう指示するが失敗してしまう。
タロウが自分達を頼ってしまっている事を知って自分一人の力でテンペラー星人を倒すよう指示し、その一方で理由無く攻撃を受けている地球人を救う為にZATの隊員に乗り移って救助活動を行う。
人間に乗り移ると額にそれぞれのウルトラサインが現れる。
タロウがテンペラー星人に倒されたのを見て遂に戦おうとするが……。

 

極悪宇宙人テンペラー星人
身長 2m~52m
体重 120kg~3万5千t
全宇宙征服の為に以前からウルトラの国を狙っていた。
ウルトラ兄弟が地球にいる事を知って攻撃目標を地球に変更し、ウルトラ兄弟を誘い出す為に街を破壊した。
普段は人間大だが、爆発や火炎と共にド派手に巨大化する。
タロウを末っ子の甘えん坊としてウルトラ兄弟扱いせず、エース以上のウルトラ兄弟を呼び続けた。実際、両手からの火炎や光のムチと言った多彩な能力を持ち、ストリウム光線も通用せず、タロウを全く寄せ付けなかった。最後はタロウの捨て身の戦法で倒されるが……。
何故か猿の人形と会話している。
劇中では語られていないが怪獣軍団を影で操っていた黒幕で、本来はエンペラ星人の予定だったらしい。
「悪いのはウルトラ兄弟だ。恨むなら奴らを恨め!」。

 

物語
全宇宙征服に燃えるテンペラー星人ウルトラ兄弟が地球にいる事を知って地球を攻撃する。
ウルトラ兄弟はタロウを出撃させるが、タロウにはウルトラ兄弟への依存心が生まれてしまっていた。

 

感想
「俺はこの地球ではハヤタと呼ばれていたんだ」、
「そう。俺もウルトラセブンではなくモロボシ・ダンだ」、
「俺は郷秀樹だ」、
「俺もエースではない。北斗星司だ」、
「分かりました。僕は東光太郎ですからね」。
初代マンからタロウまでの地球人としての姿が勢揃いする唯一の話。
今回はかつての隊員服ではなくて新たに作られたお揃いの服を着ている。胸にそれぞれのウルトラサインが入っているのが格好良い。光太郎とお揃いの白いマフラーをしているが、やはりマフラーは正義の印?

 

ウルトラ兄弟がパーティを開いている場面で南国風の花々が映し出される。ウルトラ兄弟が地球の自然を愛している事を表している場面と考えられるが、金城さんの故郷である沖縄も連想できるのは考えすぎかな?

 

テンペラー星人ウルトラ兄弟がいないうちにウルトラの国を攻撃した方が良かったと思えるが、後の言動を見ていると、ウルトラ兄弟全員を相手にしても勝てると言う自信があったのだろう。
又、ウルトラ兄弟がウルトラの国でも抜きん出た実力の持ち主達ならウルトラの国攻撃よりウルトラ兄弟全滅を優先させたのも理解できる。例えば『ドラゴンボール』で孫悟空がいない地球を支配しても、その後で地球に帰って来た孫悟空に倒されてしまっては意味が無い。逆に言えば、最初に孫悟空を倒す事が出来たら、もう怖いものはいなくなったので、ゆっくりと確実に地球を支配する事が出来る。

 

ウルトラ兄弟は今まで侵略者の魔の手から地球の平和を守ってきたのだが、今回はウルトラ兄弟がいるから地球の平和が脅かされると言う皮肉な展開になっている。

 

予測されていたが実際に存在するかは疑われていた宇宙人と言うテンペラー星人。とにかく恐ろしい敵だと言う事だけ判明しているのが怪獣軍団の黒幕らしくて良い。

 

大谷博士だが、ZATのような地球の命運を預かっている職場に子供を連れて来るものではないと思う。
因みにこの大谷博士はゾフィが初めて姿を借りた地球人となった。

 

テンペラー星人ウルトラ兄弟のせいで地球が攻撃を受けていると言っているが、地球人の耳には聞こえていないように見えた。テンペラー星人は地球人には分からない宇宙語を話していたのか、それともテレパシーだったのか。
ここで地球人にも分かるように喋っていたら、『A』の「全滅! ウルトラ5兄弟」「奇跡! ウルトラの父」や『レオ』の「恐怖の円盤生物シリーズ!」のように地球人がウルトラ兄弟を地球から追い出そうとする展開もあったかもしれない。

 

ひょっとして、今回のゾフィは地球人には姿が見えていないのではないだろうか? もしゾフィが見えていたら、ZATを助ける場面があるので、森山隊員達が葬式をあげる事は無かったと思う。
今回のゾフィは『帰マン』の「怪獣総進撃」で郷秀樹と合体していない新マンの姿が地球人には光にしか見えなかったのと同じ状態だったと思われる。もしかしたら、これは地球人と合体していない状態で地球上でのエネルギー消耗を防ぐ為の方法なのかもしれない。

 

タロウは末っ子で甘えん坊と言われているが、今までタロウがウルトラ兄弟を当てにした事は殆ど無かった。今回は「兄さん、助けてくれ!」を連発していたが、それはウルトラ兄弟がすぐ近くにいた為、つい甘えが出てしまったのだろう。

 

ウルトラ兄弟が「テンペラー星人に一人の力で勝ってこそタロウは名実共にウルトラ兄弟の一人としてウルトラの国でも認められるだろう」と言っているので、どうやらウルトラの国ではタロウの実力を疑問視している人達がいるようだ。
確かに殆ど無敗だった初代マンやセブンに比べてタロウは敗北が多い。新マンやエースも敗北はあったがウルトラの国に帰還するほどの敗北はあまり無かった。
ウルトラ兄弟が「今までタロウを庇いすぎていた」と言ったのは単に地球での戦いに敗れたタロウを助けた事を指すのではなく、ウルトラの国でのタロウに対する評価の面でも庇っていたと言う事だったのかもしれない。

 

このようなタロウの心の底にある甘えの気持ちや実力不足と言った問題を解消する事がウルトラ兄弟が言っていた「タロウを鍛える」と言う事なのだと思われる。

 

「困った時はウルトラ兄弟が助けに来てくれる」と言う今回のタロウの気持ちはそのままウルトラマン達と地球人の関係にも当てはまる。
この後、ウルトラ兄弟の救援が減っていくのはタロウが成長した事もあるが、タロウの依存心を無くす為でもあったのだろう。それと同じで地球人が成長してウルトラマンへの依存心が無くなった時、ウルトラマンは地球にやって来なくなる。しかし、それはまだまだ後の『80』最終回「あっ! キリンも象も氷になった!!」での話。

 

今回は全編が戦闘シーンになっていると言う異色の展開でなんとタロウは4回も変身している。

 

今回の前後編で重要なアイテムとなったウルトラマンボールは一体何だったのだろう? 劇中では一切説明が無いが、当時の雑誌の付録か何かだったのだろうか?

 

「勝ったと思っているのか? ざまぁみろ! とうとう6人とも姿を現したな! あれはお前達を誘き出す貴重な犠牲者だ! ウルトラ兄弟、必ずこの地球上でお前達の息の根を止めてやる!」。
と言う事で次回「ウルトラ6兄弟最後の日!」に続きます。