帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「悪魔の星くずを集める少女」

恐怖の円盤生物シリーズ! 悪魔の星くずを集める少女 ー円盤生物ブラックテリナ サタンモア登場ー
ウルトラマンレオ』制作第47話
1975年2月28日放送(第47話)
脚本 若槻文三
監督 東条昭平
特撮監督 大木淳

 

円盤生物ブラックテリナ
全長 78m
体重 1万9千t
ブラックスターから地球にやって来た円盤生物。
宇宙空間からレオへの呪いを込めた美しいプレゼント・テリナQを地上にばら撒く。その後、東京上空2000mに静止して、桜貝そっくりなテリナQを使って人間を次々に襲い、やがて点滅したテリナQを身に付けた人間を操ってゲンを襲わせるようになる。
ゲンの右目を負傷させる事に成功し、レオに変身後も右目を執拗に狙う。長い触手でレオを宙吊りにするも、レオに体を強引に裂かれ内臓を潰されて青い血を流す。最後は飛行して逃げようとしたところをダークシューターで撃墜され、エネルギー光球で倒された。

 

物語
桜貝を集めると幸せになれると信じるマリ子。
怪我で手術をする事になった母親が助かり、マリ子はお礼として桜貝に似た貝を皆に配っていくが、その貝は恐ろしいテリナQだった。
「皆が幸せになりますように……」。

 

感想
最初に圧倒的な破壊力でMACを全滅させた円盤生物だったが段々と人間の存在に興味を持ち始めた。
デモスはゲン=レオとのコミュニケーション手段として人間の口を利用し、ブリザードは人間は子供を警戒しない事を知って眉子と言う少女を利用した。そして今回のブラックテリナは人間を操ってゲン=レオを倒そうとする。
地球と人間を守るレオにとって最も厄介な敵はその人間なのだ。これ以降の円盤生物も人間を使ってゲン=レオを倒そうとする。

 

ブラックテリナがテリナQをばら撒き、それを子供達が海岸で拾う場面は静かで美しくて幻想的。しかし、これが後に恐ろしい物語の幕開けとなる。

 

テリナQが人間に襲い掛かる場面は目から血を流して海に転落する漁師や血だらけの包丁を握り締めながら裸足で外に出て悲鳴を上げる女性と、はっきり言って怖い。
テリナQに操られた人間がゲンに襲い掛かる場面もメスを振り回したり車で轢こうとしたり屋上からブロックを落としたりと生々しくて怖い。その時の狂気の顔や笑い声も怖くて、もはや子供番組の域を超えている。

 

母親と2人暮らしで、母親が残業で帰って来ない為、独りで夕焼けの橋の上を歩くマリ子。この場面と前後して、美山家で母親を囲んでの一家団欒が映し出されている。

 

マリ子が「皆が幸せになりますように……」と願いを込めた貝が不幸を呼ぶと言う皮肉な展開。
MAC隊員ゲンの一言で一斉に回収される事になった貝(テリナQ)。「娘がくれたんです! 持って行かないで!」と警察にすがるマリ子の母親の姿が辛い。一応、最後にゲンからマリ子に本物の桜貝が送られて救われているが。

 

今回のレオはブラックテリナに勝ってもフラフラで一回倒れてしまい、その後、何とか起き上がって飛び去っていくと言う珍しい退場となっている。休み無く続く戦いの中、さすがのレオにも限界が見えてきた?

 

「円盤生物ブラックテリナの恐ろしい計画は失敗した。しかし、しかし、遊星円盤ブラックスターはウルトラマンレオを狙い続けているのだ」と言うナレーションと共に右目の眼帯を外して決意の表情を見せるゲンが格好良い。

 

今回の話は東条監督と大木監督の『レオ』監督最終作となっている。

 

人間の存在に興味を持ち、変化、成長、進化を始めた円盤生物。
円盤生物の犠牲になっていく人の数も増え、ゲンの苦悩は深まっていく……。
「私は予言する! ウルトラマンレオの死を! 日本列島の最期を! 発進せよ! サタンモア!」。

 

 

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