帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「大怪鳥円盤 日本列島を襲う!」

恐怖の円盤生物シリーズ! 大怪鳥円盤 日本列島を襲う! ー円盤生物サタンモア ノーバ登場ー
ウルトラマンレオ』制作第48話
1975年3月7日放送(第48話)
脚本 若槻文三
監督 山本正孝
特撮監督 吉村義之

 

円盤生物サタンモア
全長 60m
体重 1万5千t
ブラック指令が予言した「レオと日本列島の最期」を実現する為に地球にやって来た円盤生物。劇中では「円盤」と呼ばれるが円盤形態を持たない珍しいタイプ。
超高速で3月7日に地球に侵入し、地球上では速度を落としつつも高度2万mを時速3400kmで飛行する。九州上空で防衛軍のレーダーに探知されてミサイル攻撃を受けるが反撃しなかった為、防衛軍に破壊ではなく偵察が目的ではと思われる。その後、東京地区防衛ミサイル基地の最新型誘導ミサイルを突破して東京に侵入する。
内部に小型の怪鳥円盤を無数収納していて人々を襲う。
超高層ビルを破壊しようとし、それを阻止しようとして無防備になったレオを背後から執拗に攻撃する。最後は反撃に転じたレオのシューティングビームで撃墜された。
19世紀初頭までに全種が絶滅されたと言われている恐鳥「モア」がモデルらしい。

 

物語
サタンモアが地球に侵入! 防衛軍のミサイル攻撃もものともせず、東京にある超高層ビルを襲撃する。
一方、ゲンは3年前に喧嘩別れした親友の宏と再会。逃げ遅れた赤ん坊を宏に預けてゲンはレオに変身する!

 

感想
城南スポーツクラブの仲間だった宏と厚子との再会。
しかし、宏は厚子と別れ、スポーツもやめてカメラマンになり、厚子も別の人と結婚して正夫と言う子供をもうけていた。
3年と言う年月の流れが、3人をそれぞれ別の道へと歩ませていた。今回は大人になったかつての友人達の再会話。

 

ゲンと宏の別れの回想シーンは、ゲンのナレーションも含めて当時の青春ドラマと言った感じ。
ところで宏は喧嘩で本気のゲンと互角だった。ちょっと凄い。

 

ゲンの台詞に「3年前」と言う言葉が登場する。第1話から今回の話までに3年が経っていたのか、それともゲンはL77星が壊滅する前から地球にいたのだろうか?

 

ゲンの方を見て「レオ」と呟くブラック指令。全身シルエットで片目だけ見えるブラック指令が格好良い。
ブラック指令はこの時にレオの正体に気付いていながら、どうして「レオの命よ! キングの奇跡!」ではレオの正体を知らなかったのだとよく突っ込まれる。
おそらく、この時のブラック指令が見ていたのはゲンではなくて、ゲンが向かった超高層ビルだったのではないだろうか。
この時にブラック指令が見ていた超高層ビルを後にサタンモアが襲撃する。おそらくブラック指令は大勢の人がいる超高層ビルを襲えば必ずレオが現れて避難する人々を助けるはず。そこを突けば勝てると考えたのだろう。
実際、全ての人が避難し終えるまでレオは崩れかけた超高層ビルを支えていなければならず、その間、サタンモアは無防備なレオを攻撃し放題だった。レオは地球と人間を守らなければならないと言う点を突いた見事な作戦だった。(結局は負けたけど)

 

レーダーを装備した防衛軍。宇宙用の装備が無いので円盤生物の地球侵入を食い止める方法は無いが、地球上での円盤生物の動向を探知して、それを人々に伝える事は出来るようになった。
街に円盤生物情報が普通に流れるようになっているのが非常時を表していて良い。
しかし、ミサイル攻撃に反撃しなかったから今回は破壊ではなくて偵察が目的だと判断するのは甘かった。

 

九州のミサイル基地からのミサイル一斉射撃や東京地区防衛ミサイル基地の最新型誘導ミサイル等、今回の防衛軍はかなり装備が充実していた。
おそらく「まぼろしの少女」での円盤生物はブラックスターと呼ばれる同一の組織に属していたと言う宇宙生物研究所の情報が防衛軍の装備充実に繋がったのだろう。
結局は今回も全滅してしまったが超高層ビルから人々が避難する時間を稼いでレオ勝利に貢献した。

 

防衛軍の装備の他、雲の上を飛んだり超高層ビルをゆっくりと旋回するサタンモア等、今回は特撮が充実していた。

 

「宏、人間の一番大切なものを取り戻してくれ……」。
かつては親友だったゲンと宏を分け隔てたものは何か? それは自分の事のみを考えるか、他人の事まで考えられるかであろう。
この台詞の後、ゲンはあえて宏の前でレオに変身する。それは自分の生き様を見せる事で宏に人間の一番大切なものを取り戻してほしいと言う切なる願いだったのだろう。

 

「レオ……。そうだったのか……。奴がレオだったのか……」。
ゲン=レオの生き様を見た宏は今の自分に出来る事、今の自分がしなければいけない事として小型サタンモアから必死に赤ん坊を庇う。
赤ん坊を厚子の子と知らず、宏自身は見ず知らずの人の子でありながらも助ける展開が見事。
最後に「レオ、ありがとう……。ゲン、ありがとう……」と言い残して力尽きる宏。彼は人間の一番大切なものを取り戻したのだった。

 

最後にちょっと突っ込ませてもらうが、厚子から正夫を預かった男。あんな危険な所に置き去りにするくらいなら最初から預かるな! 余計に危ないぞ!
又、逃げ遅れた厚子がいつ避難できたのかを描いていないのも残念だった。

 

今回の話は若槻さんの『レオ』最終作となっている。

 

恐ろしい危機は去った。本当に平和は戻ったのか、それとも……。
「ブラックスターよ! 次だ! レオよりも強く、地球を粉々に出来るほど強い奴を送り出せ!」。