帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「先生の秘密」

「先生の秘密」
ウルトラマン80』制作第2話
1980年4月9日放送(第2話)
脚本 阿井文瓶
監督 湯浅憲明
特撮監督 高野宏一

 

羽根怪獣ギコギラー
身長 58m
体重 3万t
いきなり夜の街に現れて破壊の限りを尽くした。
口から熱線を吐き、羽ばたきで強風を起こす。
UGMに弱点である背中を攻撃されて一時退却するが、月の裏側で休み、パワーアップして再び街に現れた。
最後は塚本の声援を受けた80の連続キックとサクシウム光線で倒された。

 

物語
学校にUGMにと大忙しの猛。
ある日、生徒の塚本が登校拒否している事を知った矢的先生は学校に行くよう勧めるが……。

 

感想
やはり学校とUGMの両立は大変。
そもそも学校の仕事をしなければならないのだから他の隊員と一緒にUGMに行けるわけがない。それを「来るのが遅い」とは酷いぞ。

 

一応、猛はUGMより学校が優先されているのでUGM内の話はかなり省略されている。その為、「何故オオヤマキャップはギコギラーの弱点を知っていたのか」「何故ギコギラーはパワーアップしたのか」については劇中での説明は無かった。
おそらくギコギラーは以前にも現れていて、その時の戦いでオオヤマキャップは弱点を知ったのだろう。パワーアップについては冒頭にある「5年振りに怪獣が大攻勢をかけてきた。地球上に満ちわたる醜い心や悪い心、汚れた気持ち、憎しみ、疑いを吸収して強大なエネルギーを蓄えていた」と言うナレーションがヒントになっていると思われる。

 

今回はUGMの各隊員が劇中テロップで紹介されている。
ギコギラーを一回追い返しただけで、もう来ないだろうと言うのはちょっと楽観的。
久々に聴けるワンダバはやっぱり良い。
戦闘機の発進シーンは管制室や滑走路まで作られていて、なんと夜中のバージョンまである。
シルバーガルのレーザー攻撃も格好良く、街のミニチュアも非常に丁寧に作られていて、40年近く昔の作品とは思えない特撮レベル。

 

歌の好みを聞いてきたりと、なにやら矢的先生に興味がある相原先生。
前回の「ウルトラマン先生」での相原先生は矢的先生が怪獣出現を訴えても信じていなかったので、矢的先生の相原先生への評価はさほど高くなかったが、今回の相原先生は登校拒否の生徒に悩む矢的先生に登校拒否に関する資料を用意したりと陰ながら手助けしていて、矢的先生の相原先生への評価も変わった。
ノンちゃんは今回も出番は少ないが、自然体で生徒と付き合え、生徒からの信用を得ているとして矢的先生に大きな影響を与えている。
今回も校長先生と教頭先生はいい味出している。

 

黒板消しを使ったイタズラと言う古典的なものに引っ掛かる矢的先生。
1年E組の生徒として落語とファッションが登場しているが、やっぱりハカセが一番目立っている。
始業式でいきなり遅刻をし、その後もUGMの仕事で遅刻が多いせいか、生徒からイマイチ信用されていない矢的先生。ハカセに塚本を学校に連れて来れなければ教師を辞めるべきだと言われ、クラス全員がそれに同調してしまう。

 

塚本が登校拒否をしていた理由は友達と同じ中学校に入ろうとしたが自分だけ落ちて友達と別れてしまったから。
矢的先生は「人間には別れがあれば出会いもある。別れより出会いの方を見よう」と語る。いずれ地球人と別れる事を分かっていて地球に来るウルトラマンが言うと説得力がある。

 

「難しい事じゃない。こっちから好きになれば良い。お前が嫌っていたら相手も嫌うよ。でも、好きになれば向こうだっていつか好いてくれるさ」。
矢的先生の言葉だが、やっぱり難しい事だと思う。でも、これが出来たら世の中はもっと良くなるんだろうなぁ。

 

初日、矢的先生が目を放した隙に塚本はいなくなってしまい、矢的先生は仕方無く一人で学校に行く事に。
翌日、塚本は矢的先生に「本当の友達なら自分を置いて一人で学校に行ったりなんかしない。見付けるまで捜してくれるはずだ。自分は隠れてずっと先生の行動を見ていた」と詰め寄るが、それを聞いた矢的先生は「甘ったれるな!」と一喝する。

 

そこにギコギラーが襲来して、矢的先生は身を挺して塚本を助ける。その後、矢的先生は80に変身。ギコギラーと戦う80の姿が塚本の目には矢的先生に見え、塚本は80に向かって「先生だ!」と叫ぶ。
いくらなんでも第2話で正体がバレたとは思えないので、ギコギラーから自分を助けてくれた矢的先生と80が塚本の中では同一視されたのだろう。その後の「先生はウルトラマンなんだ!」と言う台詞も「矢的先生はウルトラマンのように立派なんだ」と言う意味だと思われる。

 

矢的先生の事を信用できず、あんな先生いなくなってもいいと言っていた生徒達だが塚本から事情を聞いて評価を改める。矢的先生はようやく生徒の信用を得たのだった。

 

塚本が80を応援する時に「先生」や「ウルトラマン」の他に「80」と言う呼び方も含まれていた。いつ80の名前を知ったのだろう?(本作に限った事ではないが)

 

逆立ちして「地球を背負っている」と言う猛。
80として地球を背負っていると言う意味もありそうなのは考えすぎかな。
地球はやっぱり重いらしい。