帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「宇宙からの訪問者」

「宇宙からの訪問者」
ウルトラマン80』制作第10話
1980年6月4日放送(第10話)
脚本 土筆勉
監督 湯浅憲明
特撮監督 川北紘一

 

惑星調査員アルマ
身長 158cm
体重 45kg
ウルトラの星出身ではないが、80の幼馴染でイタズラ好き。
現在は銀河共和同盟に所属していて、地球人の存在価値の最終調査にやって来た。
調査結果はあまり良くなかったが、地球人には反省する心があると80に説かれ、相原先生や矢的先生の生徒達や動物園の象に反省の言葉を残して地球を去っていった。
宇宙空間では粒子状に変身して移動する。

 

宇宙生物ジャッキー
身長 16cm
体重 150g
アルマが連れて来たサザエに似た宇宙生物。R星の生物を探索用に改良した合成生物で、どんな生物の中にも入り込んで合体できる。
地球人の調査をしているうちにマイナスエネルギーを吸収して凶暴になってしまい、動物園の象と合体して象をズルズラーにしてしまう。
ミクロ化した80と象の体内で戦う。全身から水流を発したり、瞬間移動を駆使したりするが、80のサクシウム光線とバックルビーム(おそらく威力は弱め)を受けて弱ったところをウルトラアイスポットで正気に戻された。

 

変形怪獣ズルズラー
身長 60m
体重 4万t
動物園の象が餌にまぎれたジャッキーを飲み込んで怪獣になってしまった姿。
鼻から水流を吐く。
UGMに山に追い立てられ、ミクロ化した80に体内からジャッキーを追い出されると大人しくなり、最後は80のウルトラアイスポットで元の姿に戻った。

 

物語
80の幼馴染アルマが地球にやって来た。
アルマは次々と騒動を起こすが、それは地球人の存在価値の調査だった。
地球人は闘争心が強いと言う調査結果を出したアルマを80は説得するが……。

 

感想
宇宙からの押しかけ女房アルマが巻き起こす騒動が楽しい。
特に矢的先生が自分は結婚していない事を証明しようと相原先生を自宅に招いたら、豪華な料理と「あなたのアルマ」と言うカードが置いてあって相原先生が激怒する場面は爆笑もの。その後、料理が下手な相原先生は本屋で料理の本を大量に購入して「何よ、ローストビーフくらい! ただ肉を蒸すだけじゃない!」と宣言する。
因みに相原先生の登場は今回までとなっている。

 

落語に魔法の鉛筆を渡すアルマ。これで教科書を5回なぞったら鉛筆が教科書の内容を覚えてテストで100点が取れるとの事。
実際に落語が100点を取ったので魔法の鉛筆を巡って喧嘩が起きてしまうが、矢的先生に言わせるとこれは魔法の鉛筆ではないらしい。それはそうだ。落語は勉強しなかったと言っているが、教科書を5回もなぞれば落語自身が内容を覚えるものだ。

 

アルマが所属する銀河共和同盟は各惑星の生物の存在価値を調査し、不必要と判断した生命体は強制的に消滅させられる権限を持つと言うかなり物騒な組織。
過去には『セブン』の「盗まれたウルトラ・アイ」で、これ以降では『コスモス』で何度か見られる展開。
ところでアルマはわざと相原先生を怒らせたり、魔法の鉛筆と言う争いの種を撒いたりして、尚且つ、それを楽しんでいた節がある。こんなのに存在価値を調査されたあげく強制的に消滅させられるのは理不尽だと思う。

 

結婚していたと言う噂が流れて釈明する羽目になった矢的先生。
教頭先生との会話で、矢的先生は学校に自分の資料を提出していた事が判明する。矢的先生は第1話以前から地球に来ていたので、その間に身分証明書の類を用意していたのだろう。この辺りはただの風来坊をいきなり正隊員にしてしまった『セブン』の不自然さを解消している。……明らかに公文書偽造だよね。

 

弁当箱に紛れ込んだジャッキーを見たノンちゃんはサザエなんか入れた覚えは無いのにと不思議に思うが、深く考えないで食べてしまおうとする。
よく食べる気になれるなぁ……。もし食べていたら、ノンちゃんがズルズラーになっていたぞ。

 

人間のマイナスエネルギーを吸収して凶暴になってしまったジャッキー。久々にマイナスエネルギーの設定が使われた。
元はR星の宇宙生物を改良したらしいが、『初代マン』の「科特隊宇宙へ」に登場したバルタン星人のR惑星と何か関係があるのだろうか?

 

「しかし、彼らは反省する心だって持っている。地球人は反省を繰り返しながら、闘争心を克服しようと努力しているんだ」。
地球人は闘争心が強いと言う調査結果を出したアルマへの80の台詞なのだが、最近の地球人は自分の闘争心を克服しようとせず、逆に相手の闘争心を抑えつけられるだけのより強大な力を手に入れようと躍起になっている感じがする。でも、それは血を吐きながら続ける……。

 

事件が解決し、アルマは相原先生や矢的先生の生徒や動物園の象に謝る。80が言う反省する心をアルマも持っていた。
「またいつか銀河のどこかで会いましょう」と言って去っていくアルマ。出来れば次からは不必要と判断した生命体を強制的に消滅させるのではなく、80のように良き方向へ導こうとしてほしいものだ。

 

アルマが巻き起こす騒動が面白かったので、個人的には準レギュラーになってほしかったキャラクターであった。
因みに「超能力が使える宇宙人の女の子」と言う設定は後に登場する星涼子(ユリアン)に引き継がれている。

 

アルマのキャラクターはコメットさんに通じるところがあると言われている。
1978年から放送された大場久美子さん版の『コメットさん』は湯浅監督がメインを務めている他、阿井さんが第17話「私の親友ウルトラマン」(セブン登場)、第43話「初恋の人ウルトラマン」(タロウ登場)、第63話「ウルトラマンと怪獣アカゴン」(レオ登場)の脚本を担当している。

 

『80』の学園編もあと2回。次回の「恐怖のガスパニック」は学校の場面が無いので実質はあと1回となった。
今回の話を見て、かつて週刊少年ジャンプに連載されていた『地獄先生ぬ~べ~』を思い出した。
簡単に説明すると、主人公の霊能力教師ぬ~べ~は普段はダメ教師で失敗ばかりだが、生徒達が悪霊や妖怪に襲われると隠された鬼の手の力を使って生徒達を守ると言う話。
ぬ~べ~先生の普段の姿を矢的先生とし、鬼の手で悪霊や妖怪と戦う時の姿を80に当てはめると『80』と同じ構図になる。『ぬ~べ~』には他にもレギュラーの生徒が数人登場するし、相原先生に当たるマドンナ役のリツコ先生もいる。今回のアルマの役どころは押しかけ女房の雪女ゆきめと言ったところだろうか。
『80』の学園編が好きだった人は是非一度読んでみてほしい作品。

 

今回の話は土筆勉さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。
土筆さんは高田裕史の名前で『A』でヤプールの声を担当していた。