「水中の王者」
『ウルトラギャラクシー 大怪獣バトル』第8話
2008年1月19日放送(第8話)
脚本 増田貴彦
監督 村石宏實
宇宙凶険怪獣ケルビム
身長 44m
体重 4万4千t
頭の大きな角、太くて長い尻尾、両手の鋭い爪が武器。口からは3千度の高熱火球を吐き出す。
アーストロンと戦うが第二発声器官である耳をもぎ取られて倒された。
アタック:900 ディフェンス:800 スピード:800 必殺技:怪獣共鳴コントロール
凶暴怪獣アーストロン
身長 60m
体重 2万5千t
とても頑丈なボディと怪力を持つ凶暴怪獣。怒り出すとマグマ光線を口から吐き出し暴れ回る。
ケルビムと戦って勝利するがエレキングに水中に引きずり込まれて倒されてしまった。
アタック:1000 ディフェンス:1100 スピード:600 必殺技:諸刃の刃
宇宙怪獣エレキング
身長 20cm~53m
体重 500g~1万5千t
頭の2本の角はいつも回転して電波を混乱させている。長い尻尾を相手に巻き付けて放電攻撃をする。
水中をテリトリーにしていて長い尻尾で相手を湖の中に引きずり込んで倒す。
ZAPクルーによって地上に引きずり出されたところをゴモラの超振動波で倒された。
アタック:1200 ディフェンス:800 スピード:800 必殺技:放電光線
物語
水中の王者であるエレキングに苦戦するレイはZAPクルーの援護を受けて再戦に挑む。
戦いが終わった後、スペースペンドラゴンにZAP SPACYの救難信号が……。
感想
『大怪獣バトル』は荒野や廃墟を舞台にした戦いが多いが今回は湖と言ういつもと違った場所が戦いの舞台になっていて印象に残る回となった。
エレキングは自分の得意フィールドである水中に戦いの場を移そうとし、逆にレイ達はエレキングを水中から引きずり出そうと作戦を練る。
本作はブルトンが怪獣を呼び寄せたと言う設定で出自等と言ったバックグラウンドが省かれて各怪獣の違いが他の作品に比べて弱くなっていたが、今回は戦いのフィールドを湖に固定する事でエレキングに特徴が付けられた。
第二の発声器官である耳をもぎ取ってケルビムに勝利したアーストロン。
『メビウス』の「総監の伝言」でのリベンジを果たした! こういう組み合わせは実に面白い。
他の作品だと怪獣と怪獣を戦わせる理由付けが色々と大変だが『大怪獣バトル』だと「出会ったから戦った」で済むので怪獣同士の対戦が組みやすくなっている。
今回もオキの怪獣紹介があるが最初の頃に比べてはしゃぐような事は無かった。
色々な事件を経て、さすがに自分達の置かれている状況を理解したのだろう。
エレキングがテリトリーにしている湖底に確認されたソリッド鉱石。
惑星ボリスを周回する人工太陽のエネルギー源で電気エネルギーと結びつく事で太陽のような強力な熱線を放射するらしい。
さらにソリッド鉱石の鉱脈が惑星の中心に向かって伸びているので、エレキングの電気エネルギーと反応して限界値を超えたら惑星の半分が吹っ飛ぶとの事。
いきなり惑星崩壊の危機に陥って驚いた。
ZAPクルーの作戦だが、最終的にレイがゴモラやリトラを出してエレキングを倒すところまで含めて立案されている。レイの怪獣召喚をウルトラマン達の変身と同じ事だと考えると、これはウルトラシリーズでもかなり異例な事になる。
ウルトラシリーズの殆どの作品ではウルトラマンの正体は不明なので特別チームはウルトラマンを含めた作戦は立てられない。メビウスの正体を知ったCREW GUYSにしてもミライがメビウスに変身する事までも含めた作戦と言うのは実はあまり無い。
これまでの作品では基本的には人間のみで対処する事になっていたのだがZAPクルーは最後にレイが怪獣を召還する事まで含めて作戦を立てている。『初代マン』の「小さな英雄」で「人間が最後まで頑張った時にウルトラマンが登場する」と言う不文律が生まれたが本作ではウルトラマンがいないので上の不文律は外される事となった。これは「ウルトラマンがいない」と言う本作最大の特徴を示したものだと言える。(そして上の不文律は最終回で復活する事になる)
戦いが終わった後、バトルナイザーの求めに応じてエレキングを仲間にする事に。
これで陸上、空中、水中と3つのフィールドに対応できる怪獣が揃った。
又、リトラが『Q』でゴモラが『初代マン』でエレキングが『セブン』と第1期ウルトラシリーズ各作品から一体ずつ選ばれているのが分かる。
再び初代マンからテレパシーを受けたレイ。一方、スペースペンドラゴンにZAP SPACYの救難信号が。救難信号の電波が微弱で位置を絞り込めなかったが、レイは初代マンからのテレパシーと救難信号をシンクロさせて発信位置がヴィンセント島である事を突き止める。