帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「流星の誓い」

STAGEⅡ 流星の誓い」
ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』第2話
2011年12月22日発売
脚本 荒木憲一
監督 アベユーイチ

 

古代怪獣ゴモラ
身長 40m
体重 2万t
レイに招喚されてビートスタータワー周辺に配置されていたロボット軍団と戦った。

 

原始怪鳥リトラ(S)
身長 15m
体重 1万t
ゴモラのダメージが回復するまでの間、レイに招喚されてジャンキラーと戦うが倒されてしまった。

 

ウルトラマン
セブン、ゾフィー、初代マンが駆け付け、ビートスター天球と惑星ブラムの衝突までの時間を稼いだ。
戦いが終わった後、宇宙の新たな危機をウルティメイトフォースゼロに伝えた。

 

天球機兵レギオノイド(BS)
身長 53m
体重 3万5千t
αとβの2種類が存在している。
ビートスタータワー周辺で量産されていた部隊がゼロ達を迎え撃ったが、グレンファイヤー達によっていくつか倒された後、ビートスターの爆発に巻き込まれて全滅した。

 

天球鉄神インペライザー(BS)
身長 60m
体重 6万t
ビートスタータワー周辺で量産されていた部隊がゼロ達を迎え撃ったが、グレンファイヤー達によっていくつか倒された後、ビートスターの爆発に巻き込まれて全滅した。

 

天球ロボットキングジョー(BS)
身長 55m
体重 5万t
ビートスタータワー周辺で量産されていた部隊がゼロ達を迎え撃ったが、グレンファイヤー達によっていくつか倒された後、ビートスターの爆発に巻き込まれて全滅した。

 

天球ガーディアンビートスター
身長 65m
体重 6万5千t
バット星人の侵略を受けて消滅した宇宙から逃げ延びた有機生命体が作り出した。天球の安全と環境を維持する為に一切の障害を排除するようプログラムされていて、戦争を繰り返して天球の存在を脅かすようになった有機生命体を抹殺した。
その後、「有機生命体は宇宙を滅ぼすガン細胞である」と言う結論に達し、いくつもの宇宙に現れては有機生命体を抹殺していった。それと共に殺戮兵器としてしもべとなるロボット達を集め、それらの武器や特性とコピーしたジャンボットの人工知能を融合させてジャンキラーを完成させた。
ウルティメイトフォースゼロの説得で心を目覚めさせたジャンキラーとゼロによって倒され、最後は自分の結論の正しさとバット星人に対する恐怖を吐露して爆発消滅した。
『ダイナ』の『光の星の戦士たち』のデスフェイサーの着ぐるみを改造している。

 

物語
エメラナ姫を襲うジャンボット!
正気を取り戻したジャンボットはビートスターが擁するロボット軍団の恐るべき全貌を語る。
果たして、ジャンキラーはエメラナ姫の言葉を聞き入れるのか!?

 

感想
ウルティメイトフォースゼロにジャンナインが加入。
ゼロ達が同い年のような関係なのに対しジャンナインは生意気な年下キャラとなっている。
ジャンボットの弟と言うべきジャンナインの加入は義兄弟のウルトラ兄弟に実の兄弟であるレオ兄弟が加わったのに似ている。
ジャンキラーは『ジャンボーグA』に登場した敵キャラ・ジャンキラーから、ジャンナインは同じく『ジャンボーグA』に登場した主人公の2号ロボ・ジャンボーグ9から名付けられている。元ネタありきのネーミングでありながら、ジャンキラーからジャンナインへの変化、9番目の仲間としてのジャンナイン等、劇中での使い方が抜群に上手かった。
グレンファイヤーが名前の候補に挙げた「ジャンボット ツーダッシュ」は『ジャンボーグA』でナオキがジャンカーZをジャンボーグ9に変形させる時の掛け声が元ネタとなっている。
因みにジャンナインの声優を務める入野自由さんもガンダムシリーズでメインキャラを担当した事がある。

 

霧で光線技が使えずエネルギーも擦り減らされていく為、ゼロ達は3人がかりでもジャンキラー相手に苦戦を強いられてしまう。
ウルトラマン達は光線技主体で戦う事が多いので、グレンファイヤーのように拳を炎で覆うのも光線技の一種に含めると、光線技を封じられたら使える能力がかなり減ってしまう。

 

ゴモラのダメージが回復するまでの間、レイはリトラを召還してジャンボットと戦うがジャンナックルで撃墜されてしまう。その後、墜落したリトラをジャンナックルで地面に押し付けるのがエグイ……。
因みにこれがリトラ最後の出番になったのだが、なんかやたらと倒されていた印象がある……。

 

エメラナ姫の声を聞いたジャンボットは何とか正気を取り戻す。
エメラナ姫とレイとボスがジャンボットの中に入って暴走の原因を調査しようとすると、正気に戻ったジャンボットの声が聞こえてきた。
ボス「敵とは誰だ?」、
ジャンボット「お許しください姫様。敵のコントロール下にあったとは言え、私は姫様をこの手で……」、
エメラナ「あなたに非はありません」、
ジャンボット「あぁ、私は何と言う過ちを……。この罪、万死に値します」、
エメラナ「ジャンボット! 懺悔なら後で聞きます。敵とは何なのです?」、
ジャンボット「はい。ビートスターです」。
特にギャグを意識した場面ではないのだが、ボスが尋ねた時は無視したのにエメラナ姫が同じ質問をしたら即答したジャンボットが笑える。まぁ、この後はボスやレイの質問にもちゃんと答えているのだが。

 

ボス達によってジャンボットの修理が行われるが遅々として進まない。そこでボスは惑星ブラムにいるクマノにジャンボットのデータを送って修理を頼む。
その場にいないのに異星人(と言うか別の宇宙)のロボットを直せてしまう常夏の魔法使いさんが万能すぎる!

 

ジャンボットからジャンキラーの話を聞いたレイは自分の境遇と同じだと考える。
言われてみれば、戦う為だけに作られたが仲間を得て変わっていったのはレイと同じと言える。
そう言えば、ビートスターに操られるがエメラナ姫の声を聞いて正気を取り戻すジャンボットもレイの暴走時と状況が似ていた。

 

修理が完了したジャンボットはゼロ達とジャンキラーの戦いを止めようとする。
ジャンボット「ロボットは殺戮兵器ではない。我々は命を守る為にあるのだ」、
ジャンキラー「理解不能」。
再び攻撃を開始するジャンキラーにエメラナ姫が呼びかける。
エメラナ「心を開いて! ジャンキラー!!」。
ゼロ達は敵ではなく共に未来を歩む仲間、ジャンボットの兄弟なら命を慈しみ人を愛する心が理解できるはずと説得するエメラナ姫。しかし、ジャンキラーはそれを拒むかのように圧倒的な火力で自分の周りにあるものを攻撃していく。
ジャンキラーと自分は同じ境遇だと感じたレイも説得は無理かと諦める中、それでもエメラナ姫はジャンキラーの中にある心を信じる。か弱き者を守る正義の心があるから決して攻撃を命中させられないと語るエメラナ姫の涙にジャンキラーは激しく動揺する。
そして、攻撃を止めたジャンキラーの目から緑色の液体……涙が零れていた。
ジャンキラー「これは……何だ?」、
グレンファイヤー「そいつはな、涙ってやつだ。お前も震える心があるって事さ」、
ジャンボット「お前も仲間になれる。その涙が何よりの証だ!」、
ジャンキラー「仲間?」、
ゼロ「心より信頼し助け合える存在。それが仲間だ!」、
ミラーナイト「我々のようにたとえ違う者同士でも心があれば理解し合えます」、
ジャンキラー「心とは……何だ?」、
ゼロ「心ってのはな、胸の奥で燃える熱い炎だ! 命の雄叫びだ!」、
ジャンキラー「命とは……何だ?」、
ジャンボット「命とは生命体そのものだ。それを失えば彼らは活動を停止する」、
ボス「だがな! 一つしかない命だからこそ、我々は今を全力で生きるんだ!」、
レイ「そしてどんな困難も仲間がいれば乗り越えられる!」、
ゼロ「よく考えろ! 自分の頭でな!」。
因みにここで重要なキーワードとなっている「未来」と「仲間」と「涙」はジャンナインが再登場する『ギンガ』でも再び取り上げられる事になる。

 

ビートスター天球と惑星ブラムの衝突まで時間が無い。焦るゼロ達の前にセブン、ゾフィー、初代マンが来てビートスター天球の進行を遅らせようとする。
って、自然の惑星ブラムより遥かに大きいビートスター天球をたった3人で進行を遅らせるってウルトラマンはどれだけ凄いんだ!?

 

ビートスタータワー周辺には量産されたインペライザーとキングジョーが待ち構えていた。なんかこの2体はドンドン量産されてドンドン雑魚化していっているなぁ……。
グレンファイヤー達がロボット軍団を引き受け、ゼロはビートスタータワー内部へ。レイもダメージが回復したゴモラを召還し、「怪獣だって仲間だ!」と叫んでグレンファイヤー達を援護する。
この時にゼロは「皆、頼んだぞ!」と言ってビートスタータワーに乗り込んでいる。最初は一人で戦っていたゼロが信頼出来る仲間を手に入れられたと言うのが嬉しい。

 

ビートスターが語るビートスター天球の秘密。
「遠い昔、邪悪な異星人の侵略を受け、ある宇宙が消滅した」。
この時にバット星人の姿が浮かび上がって『サーガ』への伏線が張られる事になる。「遠い昔」と言われているが、あのバット星人はそんなに昔から活動していたのか……。伊達に「全ての宇宙に死をもたらす神となる」とは言っていないな。
「生き残った有機生命体は私とこの天球を作り、別の宇宙に脱出。だが、天球の中でも争いは絶えず、彼らは戦争を繰り返し、遂に天球の存在すら脅かすようになった。私は天球の安全と環境を維持すべく一切の障害を排除するようプログラムされている。有機生命体は宇宙を滅ぼすガン細胞である。我々機械が支配する事でこの天球のみならず、この宇宙の平和と秩序は守られる」。
人間が自分の作った機械に滅ぼされると言うのは昔からのお約束で既に古典的ではあるのだが最近は少なくなっていたので何やら懐かしい感じ。
「人間は宇宙を滅ぼすガン細胞」と言うのも90年代辺りにはよく見られたがこちらも最近はあまり触れられていなかった部分である。
宇宙に平和と秩序をもたらす為に人間を滅ぼそうと言うのも『コスモス』辺りでよく触れられた話であった。
ビートスターは『ダイナ』の『光の星の戦士たち』に登場したデスフェイサーの着ぐるみを使っているので外見はデスフェイサーそっくり。しかし、劇中において両者の関連性は語られていない。『ゴーストリバース』のメカザムもだったが、デザインが似ているのに実は無関係と言うキャラクターが出てくるとちょっとがっかりな気持ちになる。

 

ビートスターの話を「馬鹿言ってんじゃねぇ!」と一蹴するゼロだったが、ビートスタータワーの中は霧だらけでゼロは苦戦を強いられてしまう。
ビートスター「有機生命体は脆く不完全な生命体である、それ故に破滅をもたらす」、
ゼロ「確かに俺達は不完全な存在だ。だがな、俺達は失敗の中から何度でも立ち上がる! 成長する!」。
再び起き上がるゼロ。そこにジャンキラーが援護に駆け付ける。
ゼロ「それはロボットも同じだ。こいつのようにな……!」。
ゼロはかつてプラズマスパークのエネルギーコアに手を出そうとしてウルトラの星から追放されたと言う失敗から物語が始まっているので台詞に説得力がある。
ジャンキラー「有機生命体は敵とは限らない。もう一度考え直さないか?」。
しかし、ジャンキラーが差し伸べる手をビートスターは拒否する。
ビートスター「非論理的である。消去する!」。
全身から武器を展開するビートスターに対し、ジャンキラーは「是非も無しか」と戦う事を決意。「無駄である! お前の攻撃は全て計算済み!」と語るビートスターであったが、霧の中から計算外のジャンキラーのパンチが!!
ボス「人間にはな、論理を超えた無限の可能性ってもんがあるんだ!」。
ジャンボットと同じく人間を搭載するタイプだったので、ジャンキラーにボスの攻撃を上乗せしてビートスターの計算を超えると言う展開が見事! 計算を気合いと計算の足し算で乗り越えた!
ゼロ「心を持たないお前なんかに俺達の命を裁く権利は無ぇ!」。
その隙を突いたゼロのプラズマスパークスラッシュによってビートスターは遂に敗れるのだった。

 

「何故だ? 私が間違っていたと言うのか? ……私は間違ってなどいない。私は正しい……! 私があってこそ……全ての宇宙の平和と秩序が保たれる……。私があってこそ……、私が……、私が……」。
自身の敗北を認められないビートスター。そこにバット星人の姿が浮かび上がる。
「私は……怖かった」。
ビートスターの意外な言葉に驚くゼロ。
そしてビートスター全てが爆発消滅し、惑星ブラムとの衝突は回避されるのだった。
最後にビートスターが漏らした言葉は「恐怖」と言う感情だった。ゼロはビートスターの事を「心を持たないお前なんか」と言っていたが、ビートスターもジャンキラーと同じく「心」を持った存在だった。
結果はどうあれビートスターの行動はバット星人に対する恐怖から始まったもので、ゼロの敵では珍しく絶対な悪とは言い切れない存在だった。
後の『サーガ』で存在が明らかになるバット星人は全宇宙に死と恐怖を撒き散らす存在であったが、そのバット星人を恐れたビートスターがさらなる死と恐怖を宇宙に撒き散らすようになると悪しき連鎖が宇宙に生まれていた。

 

惑星ブラムの危機が回避され、レイとボスとエメラナ姫はお礼と再会を誓い合う。
「レイ様、ヒュウガおじ様。良き未来を」と言うエメラナ姫の言葉に戸惑うボスは「よーし! 休暇を楽しむぞー!」と照れ隠しに言うが、「了解! 急ぎましょう! ヒュウガおじ様w」とレイにからかわれてしまう。
怒るボスを尻目に惑星ブラムに向けて機体を急発進させるレイ。あのレイがギャグも言えるようになったと言うハッピーな結末が嬉しい。

 

ウルティメイトフォースゼロを見て「良い仲間が出来たな」と感想を述べるセブン。それに対してゼロも「なかなか頼りになる連中だ」と答える。
そしてジャンキラーもウルティメイトフォースゼロに加入し、エメラナ姫によって、ゼロ、グレンファイヤー、ミラーナイト、ジャンボット、レイ、ボス、ゴモラ、リトラに続く9番目の勇者として「ジャンナイン」と言う新たな名前を与えられる。この名付けエピソードはかつての「ウルトラ警備隊7番目の隊員なのでウルトラセブン」と言うのを思い出す。
ウルティメイトフォースゼロはゼロシリーズにおける「新ウルトラ兄弟」と言う側面があるが、ウルトラ兄弟がM78星雲出身者とL77星出身者がいるが全員がウルトラマンであるのに対し、ウルティメイトフォースゼロは出身地だけでなく外見や設定も全く違う者達であると言う違いがある。だからこそ、有機生命体ではないジャンキラーをウルティメイトフォースゼロに加入させる事が出来た。これがウルトラ兄弟であった場合、ジャンキラーを加入させるのはさすがに難しかったであろう。
ウルティメイトフォースゼロの誕生は一つの作品にたくさんのウルトラマンが登場すると個々の区別が難くなると言った事やウルトラシリーズの新作製作が難しくなっているのでウルトラシリーズ以外の円谷作品も再び取り上げようと言う製作的な事情もあると思うが、劇中の設定で考えると、ゼロが異星人との交流を願ったセブンの息子で、M78星雲出身ではないがウルトラ兄弟に加わったレオ兄弟の弟子である事が大きく関わっているような気がする。

 

イージスの力も回復し、ゼロはウルティメイトゼロに変身して仲間達と共にアナザースペースへと帰還。
そしてまた新たな戦いへと立ち向かうのであった。

 

 

ウルトラマンサーガ超全集

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