帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

『ウルトラマンティガ&ウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』

ウルトラマンティガウルトラマンダイナ 光の星の戦士たち』
1998年3月14日公開
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 小中和哉

 

ウルトラマンティガ
身長 53m
体重 4万4千t
人類を滅亡の危機から救った無敵の超人。
旧GUTS隊長のイルマはもう二度と会えないと言っていたが、ダイナがクイーンモネラに倒された後も諦めなかったスーパーGUTSとイルマの想いを受けてススム少年の持っていたティガの人形が光り、かつて光となってティガと一緒にガタノゾーアと戦った子供達やまだ希望を捨てていなかった大人達の光が呼び起こされると、それらの光が集まって復活した。
ティガクリスタルからダイナに光を送り、復活したダイナと共にクイーンモネラと戦う。最後はゼペリオン光線とソルジェント光線の同時発射TDスペシャルでクイーンモネラを倒した。戦いが終わった後、その光はアスカに受け継がれた。

 

宇宙植物獣人モネラ星人
身長 111cm
体重 44kg
存在自体が目障りだとして人類の完全な抹殺を行おうとした。「人類に自分達と対等に話す資格など無い」「恐怖と絶望しか許されない」と発言するなどかなり高慢な性格をしている。
愚かで無意味な人類の象徴プロメテウスを操って人類の守護者ダイナを倒す事で人類に無力さを思い知らせようとした。
キサラギ博士の意識を乗っ取ってプロメテウスをデスフェイサーに変貌させる。
デスフェイサーがダイナに倒されると全てのモネラ星人が同化して意思を持った宇宙船モネラシードと融合してクイーンモネラへと変身した。

 

宇宙有翼骨獣ゲランダ
身長 54m
体重 6万2千t
月面でスーパーGUTSやダイナと交戦した。
収納可能な翼で滑空し、口から火球を発する。
ビーム攻撃を受け付けず、ダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線も通じなかった。
ダイナを追い詰めるがTPCの新造戦艦プロメテウスの軽いリハーサルとしてネオマキシマ砲で一瞬で消滅させられた。
ナカジマによると、モネラ星人とは同種の生体反応を持つらしい。

 

電脳魔神デスフェイサー
身長 77m
体重 9万6千t
ゴンドウ参謀が秘密裏に開発していた新造戦艦プロメテウスはネオマキシマ砲を有していて月面でゲランダを簡単に倒したが、計画最高責任者のキサラギ博士がモネラ星人に乗っ取られ、プロメテウスもデスフェイサーへと変貌させられてしまう。
アスカの思考がインプットされているのでダイナの動きを正確に読む事が出来る。
左手にガトリングガン、右手にデスシザーを有し、クリオモス島での戦いではネオマキシマ砲でダイナを倒した。
モネラ星人の人類抹殺計画で街中に出現してTPCの総力を返り討ちにしたが、ダイナとの再戦では両腕をもがれ、最後はネオマキシマ砲をダイナックルでぶち抜かれ、空中で大爆発を起こした。
ところでプロメテウスの重量が1920tなのにデスフェイサーに変形すると40倍以上の9万6千tになるのは何故?

 

超巨大植物獣クイーンモネラ
全長 258m
体重 108万t
モネラ星人がモネラシードごと同化融合を果たした怪獣。
触手でダイナを自分の体内に捕らえてQMバースターで止めを刺し、さらに頭頂部から発するクラウンビームで周囲3kmをリング状に壊滅させ、触手から発するテンタクルボムでスーパーGUTSを追い詰めた。
復活したティガにダイナを救出されると最後はスーパーGUTSの援護を受けたティガのゼペリオン光線とダイナのソルジェント光線の同時発射TDスペシャルで倒された。

 

物語
TPCの新造戦艦プロメテウスがモネラ星人に奪われてデスフェイサーに変貌させられてしまった。
デスフェイサーに敗れたアスカは自信を失ってしまう。
TPCモネラ星人の決戦の時が迫る中、アスカは以前に人類を滅びの闇から救ったウルトラマンティガの存在に注目する。

 

感想
『初代マン』で『ウルトラマン ジャイアント作戦』が見送られてから30年、遂にウルトラシリーズで初めてTVシリーズ放送中に新作の劇場版が公開された。この後はTVシリーズ放送終了後の公開もあるが、多くの作品が劇場版を作られるようになった。

 

本作を公開した頃の『ダイナ』はガッツウイングやマユミが登場したりして『ティガ』の続編である事が何度か語られていたがまだ控え目な扱いであった。しかし、本作では旧GUTS隊長のイルマが重要な役で登場し、最後はレナ、ムナカタ、ホリイ、シンジョウと言った懐かしい面々が顔を揃えた。残念ながらダイゴは登場していないが、ダイゴとレナの子供で火星生まれのスター・チャイルドとなるヒカリが登場している。
尚、今回登場しなかったダイゴとヤズミはTVシリーズの最終章で登場している。

 

冒頭のゲランダとの戦いは宇宙空間や月面での縦横無尽な戦いが見られる。
でもこれは単なる前座。冒頭わずか数分で新怪獣を倒してしまうとはなんとも贅沢。これが出来るのってウルトラシリーズでも平成三部作くらいであろう。

 

ゲランダを一瞬で倒した新造戦艦プロメテウスがダイナとスーパーGUTSを影で覆い尽くしてしまう程の巨大さを持って現れる。
ここまでの威圧感と恐怖感を見せ付けた存在は怪獣でも中々いない。

 

『ティガ』の「南の涯てまで」でサワイ前総監が初の平和会議を開いたと語られているクリオモス(諸)島で究極兵器と呼ばれるプロメテウスが建造される事になる。
よりにもよって、ここでそんな事をしなくても良いのにと思うが、ハト派にとって象徴的な場所であるクリオモス(諸)島をタカ派にとって象徴的な場所に塗り替える事でTPC内部の権力争いを優位にする思惑があったのかもしれない。

 

プロメテウスの話は『ティガ』の「GUTSよ宙へ・前編」「GUTSよ宙へ・後編」と似ている。
ヤオ博士が「力ではなく光だ」として、アートデッセイ号を戦いの道具として使われる事を拒否したのに対し、キサラギ博士は「ダイナ(光)をも凌駕する力だ」として、プロメテウスを地球防衛の為に量産しようとした。
又、『ティガ』でマキシマ砲が使われたのはたった一度だけ、それも使うかどうか少し揉めた末であったのに対し、プロメテウスは何の迷いも無くネオマキシマ砲を使ってゲランダを一瞬で倒している。
過激派のゴンドウ参謀が権力を強化している事もあって、『ティガ』の時代に比べて『ダイナ』の時代のTPCは軍事に傾倒しているところがある。

 

アスカとキサラギ博士がダイナが強いかプロメテウスが強いか揉める中、ヒビキ隊長は「どちらが強いかなんてこの際関係無い。ただ人間が持つにはちょいと危なすぎるオモチャだ」と語り、人間の思考をコンピューターにインプットする事で無人で操縦できるプロメテウスはネオフロンティア時代を人類が進む為に必要だと語るゴンドウ参謀に向かって「人間は自分自身の力で困難に立ち向かうからこそ、ふさわしい道を見失わずに済む」と批判する。
どんなに強い力を持っていてもそれを使えこなせなければ意味が無く、逆に危険に陥る可能性が生じる。かと言って、危険を怖れて危険を完全に排除したら、危険な目に遭ったからこそ失敗したからこそ分かるものが得られなくなる恐れがある。危険を警戒しながらも危険の完全排除を牽制する。矛盾しているが人間が生きていくには大切な事である。

 

キサラギ博士のカプセルに入ったアスカはその思考パターンをコンピューターにインプットされただけではなく、逆にネオマキシマ砲に対する恐怖を植えつけられてしまう。
カプセルの中、闇を漂うアスカは今までの戦いを振り返る。その時はただがむしゃらに戦っていたが、冷静に見つめ直した時、自分は本当にこんな恐ろしい敵と戦ってきたのか?と恐怖する。
プロメテウスがいなかったら自分はゲランダに負けていたかもしれない。では、そんなプロメテウスが敵になった時、はたして自分は勝てるのか? 「ダイナは無敵の超人なんだ!」と叫ぶアスカだったが、それは恐怖を隠す為の虚勢に過ぎなかった。

 

目覚めたアスカは「新たなる光(前編)」と同じようにマイに看病されていた。
マイが花を生けていたのは覚えていたのにデートに誘った事は完全に忘れていたアスカ。本気で怒るマイにアスカへの想いが見え隠れするが、それにアスカは気付けない……。
そう言えばアスカは「幽霊宇宙船」でもドサクサに紛れてリョウとデートの約束をしていたがそっちはどうしたのだろう? 本気にしたリョウがデートの準備をしたのにアスカが完全に忘れていたらプロメテウス以上の恐怖がアスカを襲う事になる……。

 

クリオモス島をモネラシードが襲撃し、アスカとマイは地上から攻撃する事になる。
苛つくアスカを抑えようとし、アスカに足手まといと言われてもXXバズーカを抱えて戦おうとするマイの姿に「移動要塞浮上せず!(前編)」「移動要塞浮上せず!(後編)」を経て成長した事が分かる。

 

モネラ星人に乗っ取られたプロメテウスが出撃してデスフェイサーへと変貌する。
この変形シーンはCGならではの出来で素晴らしかった。個人的にはリアル追求も良いけれどこういう無茶苦茶な変形も好き。

 

デスフェイサーはダイナのシャイニングジャッジを特殊ミラーで跳ね返し、高速移動するダイナをその場から一歩も動かずにデスシザーで捕まえる等、まさに「電脳魔人」と呼ぶに相応しい強さであった。
ラクルタイプがここまで苦戦するのは珍しい。

 

遂にネオマキシマ砲を開くデスフェイサー。ネオマキシマ砲への恐怖を植えつけられたダイナは逃げてクリオモス島は壊滅してしまう。
まさに「平和」が撃ち砕かれた瞬間だった。

 

「元々はTPCが開発した兵器だから弱点を見付ける事も可能なのではないか?」と考えるミヤタ参謀に対してゴンドウ参謀は「弱点が無いから究極兵器と言うんだろう!」と答える。
そりゃ確かにそうなんだけれど、この状況でそれを言っちゃ駄目だよ……。

 

自分が逃げた為に最後まで戦おうとしたマイが重傷を負った事にアスカはやりきれなさを覚える。
今のアスカの姿をヒビキ隊長は「滅多打ちにされたエースピッチャーみたいだ」と言うがアスカは「もっと最悪な満塁押し出しのサヨナラ負けだ」と答える。ヒビキ隊長の言う「滅多打ち」は「勝負した上で負けてしまった」と言う意味だが、アスカの言う「押し出し」は「勝負から逃げて負けてしまった」と言う意味になる。
そんなアスカにヒビキ隊長は「それは自分の力だけで勝とうとする奴の典型的な負け方、自滅だ」と断じ、ピッチャーのマウンドがなぜ高いのかを説明する。
「ピッチャーは孤独だと言うが俺はそうは思わない。マウンドの中央が高くなっているのは仲間にその背中がようく見える為なんだ。「頑張れ!」、「負けるな!」。そんな声援が一番届く場所なんだ」。
ウルトラマンが大きいのは人々にその姿がよく見える為なのか。アスカのピッチャーと言う設定をウルトラマンと言う巨大な存在に結び付けた上手い話であった。
自分の力だけで戦おうとしたアスカはバックで一緒に戦っているマイを初めとする仲間達の存在を忘れていた。自分はピッチャーには向いていないんだと逃げ出してしまうアスカにヒビキ隊長は最後の言葉をかける。
「俺は人間の勝利を信じている! 人間の未来を信じている!」。

 

TPC警務局による避難命令が発令される中、街を彷徨うアスカはガッツアーマーを着た少年ススムと出会う。
ススム「兄ちゃん。スーパーGUTSの隊員だろ?」、
アスカ「君もそうだろ」。
アスカはススム少年の持っている人形に興味を示す。
アスカ「その人形は……、ウルトラマンダイナ?」、
ススム「違うよ、ウルトラマンティガだよ!」。
兄からティガの人形を貰い、光になれる事を教えてもらったと語るススム少年。
アスカ「光?」、
ススム「ティガは光なんだよ。だからどんな強い敵にも絶対に負けなかったのさ!」。
今までウルトラマンについてあまり考えなかった(考えないようにしていた?)アスカだが、ウルトラマンとしての自分に自信を失った事で偉大なる先代のウルトラマンであるティガへの興味が芽生える。
「ティガ……。人類を滅亡の危機から救った無敵の超人……。そのティガも……、俺と同じ、ただの人間だったのか?」。

 

ティガが活躍した時代のデータを調べたアスカは旧GTUS隊長のイルマに行き当たる。
イルマの部屋にやって来たアスカは『ティガ』最終回時の記念写真を見て「GUTSは凄く結束の固かったチームだったんですね」と尋ね、イルマは「今は皆、それぞれの夢を目指している。しかし、目を閉じればいつでも彼らに会える」と答える。
アスカ「ティガの事。俺に教えてもらえませんか?」、
イルマ「ティガの何を知りたい?」、
アスカ「もし出来るなら……、ティガに会いたい。会って色々と聞きたいんです! 何故そんなに無敵だったのか。どうして世界を闇に包み込むような強大な敵を倒せたのか」、
イルマ「残念ながら、私にその希望は叶えられない……。何故なら、ティガはもういない。だから二度と会えない……」、
アスカ「そんな……」、
イルマ「でも、もし会えたなら、きっとこう言うでしょうね。「俺は決して無敵なんかじゃない」って……」、
アスカ「え?」、
イルマ「ティガが勝てたのは、その本質が光だったから……。それは誰の中にもあるの……。もちろん、あなたの中にも……」、
アスカ「……」、
イルマ「たくさんの人の心を輝かせる力がティガにはあった。だから、どんな恐ろしい闇にも立ち向かって行けた」。
イルマの話を聞いたアスカはスーパーGUTSの仲間達を思い出し、自分の進むべき道を見付けると力強く駆け出すのだった。
「試合はまだ終わっちゃいない! 俺は自分だけ勝手にマウンドから降りようとしていたんだ!」。

 

アスカに語ったイルマの言葉に「たくさんの人の心を輝かせる力がティガにはあった」とある。ウルトラマンは「光の巨人」と呼ばれるが、実はウルトラマン自身が光り輝く話よりウルトラマンと出会った人々が自分の中にある光に気付いてそれを輝かせる話の方が多かったりする。実はウルトラマンの本質はここにあるのかもしれない。

 

避難シェルターで自ら人々に状況を説明するゴンドウ参謀。この場面を見ると彼は迷惑な人だが悪い人ではない事が分かる。おそらく素直な人なのだろう。
個人的には目的や考え方がはっきりしているゴンドウ参謀より何を考えているのかいまいち読めないシイナ参謀の方が怖いところがある。

 

地下から現れたデスフェイサーにTPC戦車部隊は壊滅し、ガッツウイングとブルートルネード部隊も撃墜され、ガッツイーグルも被弾する。その時、マイが最後まで握り締めていたXXバズーカを手にアスカが決戦の地に戻って来る。
リョウ「最後まで諦めない。そうこなくっちゃ」。
デスフェイサーの顔を攻撃するリョウだが反撃を受け、リョウが乗るα号はビルに突っ込んでしまう。それを見たアスカはリーフラッシャーを掲げ、遂にダイナがマウンドに再び登る!

 

デスフェイサーが最終兵器ネオマキシマ砲を取り出すもダイナは逃げずに真正面から飛び込んでパンチで恐怖の象徴ネオマキシマ砲ごとデスフェイサーをぶち抜く。
アスカの思考がインプットされた機械のダイナと言うべきデスフェイサー。その機械のデータをアスカの熱い想いが打ち破る。こういう熱血! 気合! 根性!な展開はストロングタイプの独壇場である。

 

ダイナの勝利に歓喜する人々。ススム少年と一緒に喜ぶゴンドウ参謀がちょっとカワイイ。

 

デスフェイサーを倒したダイナの前にモネラ星人とモネラシードが融合して誕生したクイーンモネラが現れる。
クイーンモネラは全長258mと言うまさにデカスゴな怪獣。以前にもアニメ作品等では超巨大怪獣が登場していたが技術の進歩によって実写作品でも出せるようになった。

 

クイーンモネラに捕らえられたダイナはQMバースターで止めを刺されてしまう。
しかし、スーパーGUTSはダイナが倒された後も諦めず戦闘機や陸戦メカが壊れても戦い続け、さらにイルマもGUTSの制服を着て専用のガッツウイングで出撃する。
「諦めるな! まだ終わっちゃわけじゃねぇぞ!!」、
「たとえウルトラマンがいなくたってな! 俺達が諦めてどうするんだ!? 人間が頑張らなくてどうするんだ!?」、
「たとえ勝ち目が無くったって……!」、
「どんな絶望の中でも、決して諦めない!!」。
その様子をアスカは闇の中で見ていた。
「皆……、ダイナがいなくても……!」。
アスカは自分のバックにいる頼もしき仲間達の存在を感じた。
一方、避難シェルターではダイナが倒されたのを見て人々が意気消沈していたがススム少年はまだ希望を捨てていなかった。
「昔、僕のお兄ちゃんが光になったんだ。そして、ティガと一緒に悪い怪獣をやっつけたんだ。兄ちゃんが言ったんだ。僕もきっとなれるって。最後まで諦めなかったら、皆、光になれるって!」。
ススム少年の言葉をゴンドウ参謀は否定するが、モネラ星人から解放されたキサラギ博士はそこに希望を見出す。
不完全な人間が許せなくて人間の不完全な部分を取り除こうとしたが、心を持たない力は結局人間の敵にしかならなかった。
不完全な人間の心。それは時に暴走を生み、悲しみを生み、絶望を生むが、一方でそれが暴走を抑え、悲しみを和らげ、希望を生む。矛盾するがそれこそが人間である。
ススム少年の言葉にかつて光となってティガと一緒にガタノゾーアと戦った子供達はあれは夢ではなく現実だったとはっきり認識し、大人達も胸に希望を抱き始める。
「立って! もう一度立って! ウルトラマン!」。
ススム少年の持っていたティガの人形が光る。
「人は……光に……なれる」。
闇の中、アスカは彼方から溢れてくる光にかつてティガと一緒に戦った人々の姿を見る。
「これが……人の光? 光……。こんなにたくさんの光がティガを支えていた……。皆がティガと一緒に戦っていたのか……。光よぉぉぉぉ!!!」。
そして人々の光はもう一人のウルトラマン、ティガを再び出現させた。
「あれは?」、「ウルトラマン……ティガ!」。

 

他のウルトラマンと違ってティガは最終回で故郷に帰ったのではなくて消滅しているので再登場のハードルが高かったが今回は「輝けるものたちへ」の展開を使って再登場を実現させた。
今回登場したティガは『ティガ』でダイゴが変身していたティガとは厳密には違う事になるのだが「輝けるものたちへ」で子供達が光になってティガが復活しているので不自然さは感じなかった。今回の話でダイゴが変身していないティガを出せたからか、この後の客演でもダイゴが変身していないティガが登場するようになった。

 

ティガの復活が「アスカ(ダイナ)は一人で戦っているのではない」と言うアスカの物語ともちゃんと関わっているので今回は「ティガの復活物語」であり「アスカ(ダイナ)の挫折と復活の物語」でもあると言うまさに「ウルトラマンティガウルトラマンダイナ」と言う内容であった。

 

ティガによって復活したダイナはクイーンモネラから脱出し、それを見たスーパーGUTSも決意を新たにする。たとえ陸戦メカが全て壊れても「まだ一番立派なものが残っているじゃないか! ……これ(足)だ!」。
ウルトラシリーズに限らず、ヒーロー達の装備は戦いが激しくなるほど強力な物が持ち出されるようになるのだが、今回のスーパーGUTSは次々とメカを破壊されていき、どんどんアナログで戦うようになる。『ダイナ』と言う作品は「ネオフロンティア時代」と言う色々なものが進歩した世界を舞台にしているが端々で「ちょっと昔に戻ってみよう」と言う精神を感じるところがある。

 

ティガとダイナの戦いは二人を同格として描いていたのが嬉しかった。昭和の頃は現行のウルトラマンを中心にする為に歴代のウルトラマンが厳しい扱いをされる事があったが、平成に入って歴代のウルトラマンをリスペクトを持って扱うようになっていった。

 

ティガのゼペリオン光線とダイナのソルジェント光線の同時発射TDスペシャルで遂にクイーンモネラを倒した。
戦いが終わり、夕焼けの中で見つめ合うティガとダイナ。やがて両者は光となり一つに交じり合ってそらの中に消えていった。アスカを包む溢れんばかりの光。ひょっとしたら、この時にアスカは人々の光を受けて以前より成長したのかもしれない。(『ガイア』以降ならこの話でヴァージョンアップしていそうだ)

 

スーパーGUTSの所にやって来るイルマ。
「またこうしてGUTSのメンバーと一緒に戦えるなんて夢にも思わなかった」は同じ「GUTS」と言う名前を使った『ティガ』と『ダイナ』ならではの台詞。
そこにいつものように戻って来たアスカを見てイルマは「光を継ぐ者か……」と呟く。アスカの秘密に気付いた最初の人になるのかな?

 

イルマの「とても良い部下をお持ちですね」と言う言葉は『ティガ』の「南の涯てまで」を思い出すが、サワイと違ってヒビキ隊長の返事は「はい!」となっている。ここは国連事務総長だったサワイと軍関係者のヒビキの違いかな?

 

戦いが終わった後、『ティガ』最終回時の記念写真を見るイルマの所にヒカリを連れたレナ、変わらず凸凹コンビなホリイとシンジョウ、さり気に一人だけプレゼントを持ったムナカタがやって来る。
シンジョウ「隊長がまた前線で戦ったと聞いて……」、
ホリイ「昔の自分らの事を思い出したんです」、
レナ「一緒に戦った日々やたくさんの思い出を……」、
ムナカタ「もう一度、隊長と話をしてみたくなったんです」。
ウルトラシリーズは昭和の頃からどの作品も何かしら他の作品と繋がっているところがあるが、それでも作品の壁を超えて再登場するのはウルトラマンか怪獣・宇宙人が殆どで人間キャラの再登場はかなり少なかったので、ここでのGUTSメンバーの再登場は嬉しかった。

 

ケガが治って復帰したマイ。ご褒美か、アスカと一緒にα号でそらを飛ぶ。なんとα号を操縦するのはマイ。操縦出来たのか? ネオマキシマ航法で月まで行ってしまう。そんなアッサリと行けるものなの?
「それじゃあ、お客さん。月まで飛ばしますから、しっかりと掴まっていてくださいね!」。

 

『ティガ』の「輝けるものたちへ」と違って今回は子供だけでなく希望を捨てなかった大人達も光になれたのが良かった。自分は子供=善・正しい、大人=悪・間違いと言う構図はあまり好きではないので。
ただ今回の状況でティガが現れるのなら「明日へ…」でもティガが現れるのでは?と考える事が出来ちゃうが……。

 

ゴンドウ参謀は光になれなかったが、人が光になってティガを出現させたところを間近で見たので、ここからウルトラマンの正体に人間が関わっていると考えてF計画に着手したのかもしれない。

 

主題歌は影山ヒロノブさんと前田達也さんの『SHININ'ON LOVE』。熱い!