帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「海からのSOS」

「海からのSOS ー怪獣シーゴリアン登場ー
ウルトラマンネオス』第3話
2000年12月21日発売(第3巻)
脚本 右田昌万
監督 高野敏幸

 

群体怪獣シーゴリアン
身長 69m
体重 5万2千t
港、水族館、湖、水産試験場と海と水路で繋がっている場所に次々と現れた。
最初は10m前後の大きさだったが出現する度に大きくなっていった。
正体は消えていった魚達の集合体。赤い発光体が各場所で目撃されていたが、それが核だったのだろうか?
頭部から水や赤い泡状の光弾を発する。
ネオスはネオマグニウム光線を撃たず、ウルトラ・リリース光線で元の魚に戻した。
スイミー』を思い出した人は手を挙げて。

 

物語
魚が全く獲れなくなったある漁港で怪獣出現が報告される。
HEARTが調査を行うが怪獣の行方は掴めなかった。

 

感想
第1話と第2話で基本設定の紹介が終わって今回はサブエピソード。
怪事件が起き、特別チームが調査をし、最後に怪獣が出現してウルトラマンと戦うと言う展開で、人間側のドラマは一切無く、ゲストの館長も状況やテーマの解説役に徹している。このような人間ドラマが全く無い怪事件のみを追いかける話はウルトラシリーズでは意外と少なくて新鮮だった。

 

冒頭の港での出現場面は夜だった事もあって未知の巨大生物出現が上手く表現されていた。
その後の港、水族館、湖とシーゴリアンの正体が少しずつ明かされていく展開も手堅く上手かった。

 

カグラは怪獣出現を聞いて暴れ出す前に倒そうとするが、ナナ隊員は大人しい怪獣かもしれないのでまず捕獲しようと提案する。それを聞いたヒノ隊員は捕獲して動物園に売ってHEARTの財源にしようと冗談を言い、HEARTはフジワラ秘書官曰く「子供の喧嘩」を始めてしまう。ミナト隊長の苦労が窺える……。

 

ハートウィナーの飛行シーンではコックピットの外の雲がキチンと流れている。
こういう細かい積み重ねが特撮では大事だと思う。

 

老人がいきなり立ち入り禁止区域で海について語り出した時は見ていて戸惑ったが後に水族館の館長と分かって納得。
水族館での海水魚と淡水魚の違いの話がシーゴリアンの謎の解明に繋がるのが見事。
自分が館長を勤める水族館について「海の素晴らしさを伝える為にはそれとは全く逆の事をしなければならない」と言う話は何気に重い。

 

ネオスが苦戦しているのにHEARTが見ているだけで援護しないのが残念だった。わざわざ色々な装備を持ち出して待ち伏せしていたのだから活用してほしかった。

 

冒頭でミナト隊長が「怪獣の目的と所在地を突き止めろ」と言ってHEARTは調査を開始する。
所在地の謎は水族館の館長の話で解けたが、目的については「人間に食べられていった仲間達の怨みかも」と言うヒノ隊員の言葉を遮ってカグラが「魚は魚。この海と同じです」と言って、ミナト隊長が「魚も海もあるがままと言う事か」と言って終わっている。館長の「地球が誕生して何十億年もの間、海は海だった。それに比べれば人間が海に船を浮かべるようになったのはここ何千年かの事でしょう。波一つとっても絶えず変化していて一回だって同じ姿を見せた事が無い……。その下で何が起きてもおかしくない。それが海なんです。人間の都合では変わりませんよ」と言う台詞もあるので、今回は「海からのSOS」と言うタイトルでヒノ隊員の言ったように人間によって被害を受けている海や魚が訴えを起こしたと言う話に見えて実は人間は海を完全に理解して支配する事は出来ないと言う話だったのかもしれない。

 

事件が解決したのでミナト隊長に寿司をおごらせようとこんな時だけまとまるHEARTの皆が楽しい。
全力疾走するも真っ先にバテてしまうミナト隊長の意外なキャラにも笑った。

 

 

ウルトラマンネオス Blu-ray BOX

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  • 発売日: 2018/03/07
  • メディア: Blu-ray