帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「吸血都市」

「吸血都市 ーキュラノス登場ー
ウルトラマンティガ』第33話
1997年4月19日放送(第33話)
脚本 長谷川圭一
監督・特技監督 村石宏實

 

吸血魔獣キュラノス
身長 53m
体重 4万6千t
自らを「美しき夜の種族」と称する吸血鬼達は人間を吸血鬼に変えるウイルスで仲間を増やし、餌を狩る為に南米から日本にやって来た。人並み離れた身体能力を持ち、銃で撃たれても平気だが、GUTSの特殊紫外線レーザー銃で体内のウイルスを破壊されると青白い炎を上げて消滅する。
キュラノスは吸血鬼達の神で棺の中で眠っていた。
闇を呼び、ティガ・マルチタイプのタイマーフラッシュスペシャルを突風で阻止し、ティガに噛み付いて催眠光線で操る。GUTSと小野田の攻撃を受けて逃げようとしたところをウルトラフィックスで止められると最後はゼペリオン光線を受けて青白い炎を上げて消滅し、呼んだ闇も消え去った。
名前の由来は「ドラキュラ」と「ノスフェラトゥ」かな。

 

物語
次々と起こる失踪事件の犯人を「吸血鬼」と呼ぶ小野田。
一方、ムナカタリーダーが保護した女性は実は吸血鬼でイルマ隊長を襲ってしまう。
自分を責めるムナカタリーダーは小野田に女性の正体を尋ねる。女性は小野田の後輩だったのだが……。

 

感想
事件が起きてジャズバーから現場に向かうムナカタリーダー。
私服で現場に向かうのが特別感があって良い。
元々ミルクしか飲めない人だが、いつ事件が起こるか分からないので、もしお酒に強くても立場上あまり飲めないと思われる。

 

イルマ隊長は女性吸血鬼に襲われるが応戦する。結局は倒されるが格闘が出来たのは意外だった。
ところでこの人は部屋の電気は点けないのか?

 

ムナカタリーダーは防衛軍時代に自分のミスで死にかけたところをイルマ隊長によって絶望の淵から救い出されたとの事。
二人の関係はよく分かったのだが、イルマ隊長は防衛軍所属ではなかったはず。イルマ隊長が関わっていた地球外生命体との交渉計画は宇宙人の襲来を想定して防衛軍との合同になっていたのだろうか。

 

今回の話はムナカタリーダーと小野田の二人を中心にドラマが展開されているが、かつてイルマ隊長に救われたムナカタリーダーはその恩に報いる為に、かつて筈木ユキナを行方不明にさせてしまった小野田はその罪を償う為にとその気持ちは大きく違っていた。

 

今回はウルトラシリーズで意外と多い吸血鬼モノ。
棺が置かれてあったり吸血鬼が日光に弱かったりと王道な展開であった。
吸血鬼が日光に弱い理由がちゃんと説明されているのが嬉しい。
ところでホリイは「元の屍に戻る」と言っていたが実際は青白い炎を上げて消滅している……。

 

筈木がGUTSに追い詰められたところに小野田が助けに来る。
小野田の行動に心を打たれたのか、筈木は自らカーテンを開けて日光を浴びる。
筈木の心情が殆ど描かれていなかったので、この展開はかなり急であった。
宿主の男性が「ここは妬み、怒り、憎しみと言った人の心を閉ざす闇だ」と語っているので、小野田に見殺しにされたと感じた筈木は心に闇を抱くようになり、それが小野田の行動によって消え去り、自ら光を浴びる事を選択したと言う事なのかな。

 

あまり話題にならないが、キュラノスは闇を呼びティガを操ると結構強敵であった。

 

全てを終わらせようと自ら特殊紫外線レーザー銃を持つ小野田とスタッグに乗ってそれを援護するムナカタリーダー。なんとわざわざウィリーまでする。指揮官は頭を使うものと言っていたが体も十分使える人だ。

 

ジャズバーでムナカタリーダーがミルクを飲んでいるとイルマ隊長がやって来る。
ミルクではなくブランデーを頼むイルマ隊長。気も強いが酒も強い。
イルマ「そんな堅い事言っているから、いつまでも独りなのよ」、
ムナカタ「鬼隊長といるだけで十分満足ですよ」、
イルマ「ありがと」。
あまりに幸せそうなのでマスターは二人の写真を撮るのであった。

 

今回登場したジャズバーのマスターを演じているのは村石監督。
このマスターは写真を撮るのが趣味らしく、壁には様々な写真が貼られてある。それぞれの写真にコメントが付けられているが、「休みくれー!」はスタッフの写真かな?