帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「花」

「花 ーマノン星人登場ー
ウルトラマンティガ』第37話
1997年5月17日放送(第37話)
脚本 薩川昭夫(原案 実相寺昭雄
監督 実相寺昭雄
特技監督 服部光則

 

謀略宇宙人マノン星人
身長 2m~56m
体重 90kg~4万7千t
レスカウト星雲から地球移住の為にやって来た偵察隊。マノン星は寿命が尽きかけている為、青い海、緑の大地、そして美しい桜のある地球を手に入れようとした。
一ヶ月程前に宇宙船で地球にやって来て絶縁撹乱物体を撒き散らしていた。
光の棒を使い、手から光弾を放つ。
花見に興じる令嬢と侍女に変身してイルマ隊長を宇宙船に捕らえるが、人間大のティガに侵入され、侍女はティガ・マルチタイプのハンドスラッシュで、巨大化した令嬢はゼペリオン光線で倒された。でも確かあと一人……。
ちょっと雅な宇宙人。

 

物語
毎日平和で暇なGUTSは気分転換にと花見をする事になる。
桜が舞い散る中、GUTSは桜に囲まれた美しい令嬢を見る。

 

感想
ウルトラTVシリーズでは『セブン』以来となる実相寺監督作品。
音楽、光と影、舞い散る桜と今回も幻想怪奇な実相寺テイスト全開となっている。

 

平和な日々が続いて暇なGUTS。ムナカタリーダーも思わずあくびが出るほど。
戦っている時より平和な時の方が士気の持続は難しい。
サワイ総監が言うように怪獣が次々と現れるこの数ヶ月こそ異常だったのだろう。
非常時がすぐに日常になってしまう人間の適応能力の高さを感じる。

 

今回は休暇話と言う事で各隊員のオフの顔が見られる。
特にムナカタリーダーは普段見せない部分が明らかになって印象に残った。同好会に6人しかいないのに自分はTPC六歌仙の一人だと言って、和歌が分からないレナに向かって「あ~、イヤだイヤだ」と嘆くなんて普段は絶対に見られない姿であろう。
歌には鬼神や怪獣をも哀れと思わせる力があると言い、それなら怪獣が現れたら和歌を詠めば良いのでは?と言うレナのからかいに対して「チャンスがあればなぁ」と溜息を吐くムナカタリーダー。マジで詠む気だったの……?

 

マノン星人の撒き散らす絶縁撹乱物体でPDIが通信不能になるが、それでもイルマ隊長達が動かなかったのはおかしい。いつもなら花見を止めて仕事モードに入ると思うのだが……。

 

マノン星人の侍女の人間態を演じたのは実相寺監督夫人の原知佐子さん。
マノン星人と一緒に花見をしていたあらいぐまのぬいぐるみは実相寺監督の長男であるちな坊である。

 

花見の席にたくさんの地蔵があったがマノン星人のモデルは地蔵だろうか?
マノン星人は宇宙人と言う設定だが、桜に囲まれた地蔵が命を手に入れたと言う設定も面白いかもしれない。

 

ちな坊の座っていた場所にマノン星人の頭が現れたが、ひょっとして、ちな坊もマノン星人だったのだろうか?
こちらはティガに倒されていないので今も一人で花見に興じているのかもしれない。

 

誰もが驚いたであろうティガとマノン星人の巨大化戦。戦っている最中、いきなり舞台が歌舞伎風になる。この戦いはイメージシーンと考えた方が良いかもしれない。驚いた演出ではあったが、ここに至る流れを考えると決して突飛なものではなく、むしろ当然の演出だったと思う。
ティガとマノン星人の戦いが歌舞伎のような様式に沿った段取りが決まった戦いになっていたのは、なるべく自然にリアルにおかしくないようにしようとする昨今の特撮に対する一種のアンチテーゼなのかもしれない。

 

今回のイルマ隊長はティガに助け出されたりとヒロイン状態であった。

 

薩川昭夫さんがウルトラシリーズで脚本を手掛けたのは『ティガ』の実相寺監督回のみとなっている。

 

今回の話は服部光則さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

久かたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ