帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「M・P ーメモリーポリスー」

Episode08 M・P ーメモリーポリスー」
ウルトラマンネクサス』第8話
2004年11月20日放送(第8話)
脚本 長谷川圭一
監督 根本実樹
特技監督 北浦嗣巳

 

ダークファウスト
身長 48m
体重 3万2千t
ネクサスとは表裏一体の関係である黒い巨人。
ネクサスを追い詰めるが思わぬ反撃を受けて撤退した。

 

インセクトタイプビーストバグバズン
身長 53m
体重 3万5千t
地中から尾部の触手を使って人間を襲っていたがナイトレイダーを倒す為に地上に姿を現した。
ナイトレイダーの冷凍弾を受けて凍結した後、ディバイトランチャーで爆散した。

 

物語
ナイトレイダーによってバグバズンは倒され、ネクサスもファウストを撤退に追い込む。
事件解決後、孤門は救助された里奈に会いに行くが……。

 

感想
ネクサスがダークフィールドでファウストと戦っているので今回はナイトレイダーがバグバズンを倒している。
特別チームが巨大怪獣を倒す事は過去の作品でもあるが手持ちの標準装備で倒してしまうのがナイトレイダーの凄いところ。

 

今回の話を追っていくと「上官の非情な命令に一人反対する主人公」「皆に信じられなくても一人信じ続けて少女を見付け助ける」「武器を失って危機に陥る」「事件解決後に助けた少女と笑顔で別れる」「上層部の責任追及に対して自分一人が責任を取ろうとする」と実は今回の孤門の行動は昔のウルトラシリーズで主人公が取ってきた行動と殆ど同じだったりする。だが、劇中では孤門の行動はあまり褒められたものではなかったし、大多数の視聴者も「孤門は何やってんだ?」と言う感想を抱いたと思われる。
これまでのウルトラシリーズと『ネクサス』の最大の違いは「主人公がウルトラマンに変身しない」である。今までなら武器を破壊されてもウルトラマンに変身して全てを解決すればめでたしめでたしになっていたのだが『ネクサス』では孤門にそのような解決する力が与えられていない。今回はこれまでご都合的に許されてきた展開にあえてメスを入れた話と言える。

 

事件が解決した後、母親が迎えに来るのを待っている里奈に西条副隊長が優しく微笑んでいる。過去の事を考えると母親への想いがあるのかもしれない。
このように細かく追っていくと西条副隊長にも人間味を感じさせる部分がある事が分かる。意図的に外したと思われるが、こういうところをもっと細かく描いていったら西条副隊長のイメージも変わったものになっていたかもしれない。

 

これまで西条副隊長に反発していた孤門だが今回は助けられた事を恩に感じてか査問委員会で西条副隊長を助けようとしていた。ネクサスへの態度を見ても孤門は一度助けてもらったら心酔してしまうタイプなのかもしれない。
最終回で孤門が「西条副隊長の厳しさが自分を助けてくれた」と叫んだ時は思わず「え?」となってしまったが孤門はそういう人間なのだろう。

 

今まで何度か語られていた記憶消去が遂に実際に描かれる事となる。
冒頭では孤門を頼っていた里奈が最後は孤門に怯えてしまう場面は背筋がゾッとするものであった。
自分の仕事に疑問を抱いた孤門は助けた里奈の元気な姿を見る事で「人を守る」と言う自分の仕事を再確認したかったのだろうが、勝手に会いに行くのは確かに軽率で周りが見えていないと非難されても仕方が無いところがある。ここも今までのウルトラシリーズだったら隊長が謹慎と言う名の休暇を取ってくれて少女に会いに行く事が出来て、少女もあんな怖い目に遭ったのに何故か元気満々になっていたりするのだが、この辺りも『ネクサス』らしいご都合主義の否定と言える。

 

孤門の前に姿を現した首藤リーダーは「優先すべきは世界の秩序」「記憶処理によってビースト事件の被害者の精神を守っている」と説明する。世界レベルと個人レベルの両方を考えた意見でMPの存在に説得力と正当性を持たせている。
実際、里奈がビーストが人間を喰い殺すところを見ていてそれが今後の精神状態にどういう影響を及ぼすか考えたら記憶消去も一つの選択と言える。

 

孤門がナイトレイダーに配属されて2ヶ月が経ち、誰もが自分の仕事に疑問を持つ時期だと和倉隊長が話しかけてくる。
ここで和倉隊長が挙げた疑問は「いつからビーストはいるのか」「そもそもビーストとは何物か」「人を捕食するのになぜ人口密集地を襲わないのか」の三つ。
でも、孤門がこれらについて疑問に思った事は無い。これらは全て和倉隊長が感じる疑問だ。
以前に松永管理官は孤門の真っ直ぐさはかつての溝呂木に通じるものがあると語っていたが実は孤門は溝呂木よりもかつての和倉隊長に近い感じがする。和倉隊長は孤門の扱いに慎重であったが、ひょっとしたらそれはかつての自分に近い孤門と接する事で今の自分が崩れてしまう事を恐れているのかもしれない。
最終的に和倉隊長は「全てはお前次第だ。何が信じるべき現実なのか、決めるのは自分自身」と孤門に告げるが、それはそのまま和倉隊長に跳ね返る事になる。

 

これまでに比べて今回の姫矢は戦闘後のダメージ回復が遅い。おそらくダークフィールドの影響と思われる。

 

前回と今回の話を一気に見るとあまり気にならないが今回の話だけを見ると物足りなさを感じるところがあった。従来のウルトラシリーズはクライマックスに怪獣との巨大バトルがあるのだが今回はそのクライマックスの巨大バトルを外したので起承転結の転や決の部分が弱くなってしまったのかもしれない。前回の話と今回の話をまとめて見ると起承転結がちゃんとあるので、以前にも書いたがここは週一と言う放送スタイルと話の内容が上手く噛み合わなかったところと言える。