帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「警告 -ワーニング-」

Episode09 警告 -ワーニング-」
ウルトラマンネクサス』第9話
2004年11月27日放送(第9話)
脚本 赤星政尚
監督 阿部雄一
特技監督 菊地雄一

 

ダークファウスト
身長 48m
体重 3万2千t
姫矢を執拗に挑発してネクサスに変身させてラフレイアと戦わせる。
ラフレイアの可燃性の花粉が街に飛び散らないようにネクサスがメタフィールドを展開する事を見越してメタフィールドをダークフィールドで侵食して自分の有利な状況で戦いを行う。
ネクサスを追い詰めるが起死回生の一撃を右足首に受けてしまう。

 

ブルームタイプビーストラフレイア
体長 55m
体重 4万8千t
付着すると瞬時に気化する可燃性の花粉で人間を炭化させる。
ファウストを援護してネクサスを追い詰める。
名前の由来は「ラフレシア」かな。
肩書きの「ブルーム」は「花・開花」と言う意味。
『ガイア』の「シーガル飛びたつ」のレザイトの着ぐるみを改造している。

 

物語
TLTの方針に疑問を抱いた孤門はストライクチェスターの訓練で失敗を繰り返す。
一方、ファウストはラフレイアを使ってネクサスを追い詰めていく。
リコに不吉な影を感じた孤門は……。

 

感想
アバン長っ!
アバンのある特撮作品は多いが『ネクサス』程に時間を多く割いている作品は他に無いかも。時々、「あれ、まだオープニングが流れていなかったの?」と驚く事がある。

 

メタフィールドの実態が不明なのでストライクチェスターの合体をマニュアルで行う事になるが、TLTの方針に納得がいかない孤門は集中力を欠いて訓練で失敗を繰り返してしまう。
視聴者からしたらウルトラマンを攻撃対象に加える事に違和感を覚えるが、劇中の登場人物が持っている情報や認識を考えるとウルトラマンを危険視するのも仕方が無いところがある。
そもそもナイトレイダーのような組織で迷いを見せていたらフォーメーションを乱して全滅の恐れすらある。なので今の孤門はナイトレイダーに向いていないと言う西条副隊長の発言は正しい。
普通なら組織に疑問を抱いてフォーメーションを乱した時点で孤門はチームから外されるものなのだが、続けるか辞めるかが孤門の意思に委ねられているのは、おそらくナイトレイダーへの適性を持つ人間が限られていて替えが効かないからであろう。

 

孤門とリコの出会い。
仕事でミスをする度に動物園に来ていた孤門は自分に向いていないからレスキューを辞めようと考えていた。しかし、リコは人の幸せが溢れている動物園に来ると言う事は孤門は人の幸せを望んでいると言う事だから人を守る仕事に向いているはずと励ます。
この動物園は孤門とリコしかいない寂しい動物園かと思ったらリコの台詞の場面で楽しそうな人々の声が入る。
ここは声だけでなく実際に楽しそうな人々の姿を映してほしかったかな。『マックス』の「勇士の証明」の公園の場面くらいの分かりやすさがあった方が説得力が増した感じがする。

 

人間を炭化させるラフレイア。
炭にしたら捕食できないのではと言う疑問が生じたが、後にビーストは人間の恐怖を糧にしていた事が明かされるので、その伏線だったのかもしれない。

 

何も無い空からリコ目掛けて降って来た窓ガラスに「アレハ警告ダ」と言うメッセージ。おそらくこれは孤門にリコの心配をさせてミッションを失敗させようとする溝呂木の策略だと思われる。
どうして窓ガラスが落ちてきたかだが、「人形 -マリオネット-」でリコは窓ガラスや鏡と言った何かを写すものを介してファウストの姿を見ているので、それに関係しているのかもしれない。

 

姫矢とファウストの戦いは人間大の姫矢と巨大なファウストと言うアンバランスさが『ネクサス』らしくて良かった。
攻撃を受けて爆発の中での変身もベタであるがやはり盛り上がる。
ネクサスとファウストの戦いも他のビーストには無い動きやすさを活かしたスピーディーな立ち回りとなっていた。

 

ラフレイアは人の形を無くしてもっと植物らしくしても良かったかなと思ったが元となったザ・ワンに人間の情報が入っているので今の形の方が設定に合っている。

 

ペドレオンはメタフィールドの中から外へ攻撃する事が出来なかったが、ファウストに弾かれたネクサスのパーティクル・フェザーはダークフィールドの外へ出てしまった。
これがストライク・フォーメーションを妨害する事になってナイトレイダーがネクサスを疑う理由の一つとなる。見る限りファウストが狙ってやったようには見えなかったのだが果たして……。

 

ファウストを初めて見た孤門は「ウルトラマンが二人!?」と驚く。
他のビーストと比べたらネクサスとファウストは似ていると思うのは仕方が無い。

 

訓練では失敗続きだった孤門にストライク・フォーメーションを任せる和倉隊長。
「ラフレイアを殲滅しなければ街に大きな被害が出る。それなら為すべき事は一つしかないはず」と檄を飛ばしているので、ナイトレイダーの仕事に疑問を抱いている孤門にナイトレイダーの仕事は人を守る事だと再認識させて迷いを無くさせるのが目的だったと思われる。
ただし、これだけ盛り上がっても失敗しちゃうのが『ネクサス』の恐ろしいところ。

 

今回の話は特撮やアニメの書籍に携わっていた赤星政尚さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作と阿部雄一さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。

 

低迷する視聴率対策の為かこの回から基本設定等を分かりやすく解説した『シークレットファイル』と言うコーナーが始まっている。こういう本編後のミニコーナーは形を変えて後続の作品にも引き継がれる事となった。