「ミロガンダの秘密 ーグリーンモンス登場ー」
『ウルトラマン』制作第2話
1966年8月14日放送(第5話)
脚本 藤川桂介
監督 飯島敏宏
特技監督 的場徹
怪奇植物グリーンモンス
身長 2m~40m
体重 10t~2万t
オイリス島に咲くミロガンダの花が山田博士のガンマ線を使った品種改良の実験を受け、放射能の影響で世代が戻って幼年期の姿に返った。
オイリス島に流れるケイ素を含む特殊な水を求めて、その水を飲んだオイリス島の調査団を襲った。
吐いた霧で獲物を苦しめて捕食する。
スーパーガンのエネルギーを得て巨大化するも、スペシウム光線を受けて炎上、灰になって散った。
名前の由来は「グリーン・モンスター」かな。
物語
東京のど真ん中で人が次々と窒息死する事件が起きた。
科特隊が調査を開始すると被害者全員がオイリス島の調査団だった事が判明する。
感想
『ウルトラQ』と『ウルトラマン』ではかなりの時間をかけて様々な情報を提示して怪獣が出現出来るだけの状況を用意した話が多い。おそらく当時はまだ「怪獣」の概念がはっきりと確立していなかったので、「怪獣」と言う荒唐無稽な存在を出現させるのに莫大なエネルギーが必要だったのだろう。
『帰ってきたウルトラマン』以降は「怪獣」の概念が確立しているからか、『ウルトラQ』や『ウルトラマン』に比べて怪獣が出現するまでの説明が省かれるようになった。
回想シーンでオイリス島のシーン全般をモノクロにしてミロガンダのみカラーにする事でミロガンダの鮮やかさを強調したのはカラー作品ならではの演出であった。
岩本博士とジェットビートルが今回の話で初登場となっている。
又、「ウルトラマンを支える太陽エネルギーは地球上では急激に消耗する。太陽エネルギーが残り少なくなるとカラータイマーが点滅を始める。そしてもしカラータイマーが消えてしまったら、ウルトラマンは二度と再び立ち上がる力を失ってしまうのである。ウルトラマン頑張れ! 残された時間はもうわずかなのだ」と言う有名なナレーションも今回の話が初となっている。
制作初期なのでスーパーガンの光線が直線になっている。
役者の手が動いても光線を合成しやすいようにとこの回以外はギザギザ状で統一されている。
鐘の鳴る時計台を挟んでウルトラマンとグリーンモンスが睨み合うのは静か故に緊張が高まる名場面であった。
山田博士の研究所でイデ隊員が巨大なニンジンを美味しそうに見ていたが、自分には大味で不味そうに見えた……。
グリーンモンスが倒された後、イデ隊員はハヤタ隊員がいない事に気付くが……。
今回の話は藤川桂介さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作である。