「怪獣時限爆弾 ー爆弾怪獣ゴーストロン登場ー」
『帰ってきたウルトラマン』制作第9話
1971年5月21日放送(第8話)
脚本 田口成光
監督 筧正典
特殊技術 高野宏一
爆弾怪獣ゴーストロン
身長 40m
体重 2万t
地底から突然現れた怪獣。口から火を吐く。
MATの調査によると1日の行動範囲は約20km。肉食怪獣。反応が鈍く目も悪いが音には敏感。
郷が誤って時限装置付きで発射したX弾を尻尾に付けたまま移動する。最後はウルトラマンに空に運ばれて爆発した。
「怪獣総進撃」のアーストロンの着ぐるみを改造しているので、劇中では語られていないが「アーストロンの弟」と言う設定になっている。
物語
あまり迫力の無い怪獣ゴーストロンを相手にMATは油断。
しかし、郷のミスでゴーストロンはX弾を付けたまま逃げてしまい事態が一変する。
感想
「タッコング大逆襲」に続いて郷の慢心(油断)がミスを引き起こす。
「タッコング大逆襲」では加藤隊長と坂田さんの二人が郷が立ち直る為の状況を作っていたが、今回は加藤隊長一人で郷に失敗の原因を考えさせているので、郷が反省して成長する過程がシンプルになっている。
今回は怪獣の生態を分析して、それを作戦に組み込むと言う王道の作りとなっている。
「怪獣島SOS」や「怪獣レインボー作戦」にあった怪獣を倒す事に対する疑問も今回はX弾を使う事で回避している。(最初にX弾を失敗しなかったらゴーストロンを倒す必要は無かったが見ている間はあまり気にならない)
クライマックスにゴーストロンが爆発した場合のイメージショットが流れる。このイメージショットはウルトラマンの考えを表していて、スペシウム光線を使おうが格闘に持ち込もうが結局は爆発してしまうとして、せめて被害が出ない空に運ぶと言う決着になる。
因みにこの時に「青いまま点滅するカラータイマー」と言う珍しいものが見られる。
やたらと解散の危機に見舞われるMATだが、今回も解散の話が出てもおかしくない事態だった。
今回の話はアキちゃんの出番が無い。仕事中だったのかな。
次郎君の「郷さんの花」の話だが、MATのミスで皆が避難しなければいけなくなったとして鉢を割ってしまうのなら、最後は郷の活躍で危機が回避されたので花を鉢に戻す場面を入れてほしかった。
本筋には関係が無いが南隊員の母親が上京してくると言う話がある。
「隊員の母親の登場」や「爆弾を抱えた怪獣」と言うシチュエーションは『ウルトラマンT』の「怪獣の虫歯が痛い!」を思い出す。因みに脚本は今回の話と同じ田口さんが担当している。
今回の話は円谷プロの田口成光さんのウルトラシリーズ脚本デビュー作となっている。