帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「この一発で地獄へ行け!」

「この一発で地獄へ行け! ー八つ切り怪獣グロンケン登場ー
帰ってきたウルトラマン』制作第27話
1971年10月8日放送(第27話)
脚本 市川森一
監督 筧正典
特殊技術 高野宏一

 

八つ切り怪獣グロンケン
身長 62m
体重 4万3千t
信州の観音寺にある観音像を両手の回転ノコギリで切断した。
ブレスレットチョップで両手を切断され、ウルトラキックで首を蹴り落とされて倒された。

 

物語
信州の観音寺で観音像が何者かに切断される事件が起きた。
一方、郷はキックボクサーの東三郎と知り合う。

 

感想
三角関係と言う点では「大怪鳥テロチルスの謎」「怪鳥テロチルス 東京大空爆」と同じだが今回はドロドロとしたものが無い話になっている。

 

帰ってきたウルトラマン』の前番組であるアニメ『キックの鬼』の主人公だった人気キックボクサーの沢村忠さんがゲスト出演した話。沢村さんは真空飛び膝蹴りでウルトラマンと一心同体になっている郷をノックアウトする。強い!

 

空中回転キック、別名ウルトラキック。
ウルトラマンは毎回使っているのに伝説の技扱いになっているのが面白い。
郷がウルトラキックを使えるのはウルトラマンと一心同体になっているからで、それを特訓で会得した三郎はひょっとしたら才能があるのかもしれない。試合で結果を残せなかったと言う事は本番に弱いのかな。

 

郷が息子の知り合いと分かった途端に怪獣は幻だったと言って郷を家に案内する三郎のお母さんが面白い。

 

三郎からの試合のチケットを「恋人の分も欲しい」と笑顔で返すアキちゃんはかなり残酷だが、恋人の存在を隠した方が最終的にはもっと残酷な結果になっていたと思うので、この時点で告げた方が良かったのかな。

 

どこかヤンキーみたいなデザインのグロンケン。
どう考えても野生の生物とは思えないので背後に宇宙人か何かがいたのかもしれない。
今回の話は人間ドラマが面白かった反面、グロンケンはどうして両手が回転ノコギリだったのか、どうして観音像を切断したのかが一切語られなかったのは残念だった。

 

三郎は郷とアキちゃんの事を思ってわざと負けたのか、それとも技を出したくても相手が強くて出す余裕が無かったのか、あえて郷から教わった技を使わずにアキちゃんが見守る試合を戦いたかったのか、いずれにせよ三郎が負けた事に変わりは無い。しかし、試合が終わった後、三郎は郷に向かって「勝つだけが意地じゃないだろ? 意地で負ける事だってあるさ」と語っている。今回の負けは三郎の人生にとって意味のある負けだったのだろう。

 

今回登場したグロンケンは米谷佳晃さんがデザインしたウルトラ怪獣第1号となっている。

 

 

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