「超獣10万匹! 奇襲計画 ー忍者超獣ガマス登場ー」
『ウルトラマンA』制作第9話
1972年6月2日放送(第9話)
脚本 市川森一
監督 山際永三
特殊技術 田淵吉男
忍者超獣ガマス
身長 55m
体重 2万2千t
怪気流の中から現れた。
写真のネガに入り込む事が出来て、写真が焼き増しされた分だけ増殖する二次元超獣。
ある種の音波に反応する。
「忍者超獣」と言う肩書きの通りに手裏剣、吹き矢、煙幕、剣、撒菱、雲隠れと多彩な技を持つ。
エースに奪われた剣に刺された後、パンチレーザースペシャルで止めを刺された。
宇宙怪獣と蘭の花の合体生物。
物語
現れた超獣ガマスを写真に収めた女性カメラマンの鮫島純子。
今野隊員は純子にいいようにあしらわれてしまう。
感想
怪気流を超獣が現れる前触れとして待ち伏せするTAC。今までは後手に回っていたが今回は珍しく先手を打つ事が出来た。もっとも、これはヤプールの罠であったが……。
ガマスの写真を戦略資料に活用すると言う今野隊員。
超獣の写真担当は今野隊員なのかな。それとも順番制なのかな?
純子と言い合いになった星司が思わず引っぱたいてしまう場面はコメディ調で作られている。ここは過去の作品の主人公達にはあまり無かった部分だ。
「TACは何故超獣の出現を秘密にしておくのか? それは報道の自由の束縛だ」と言う純子の台詞は過去の作品では殆ど取り上げられなかった部分で興味深かった。まぁ、星司が言うように問題のすり替えだったのだが。
今回は戦闘シーンに遊びが入っていて、まさに忍者なガマスは次に何をするのかワクワクして面白かった。手裏剣でタックファルコンが真っ二つになったのは驚いた。
有名な「ウルトラタッチ!」と言う台詞は今回から使われている。使用回数は意外と少ない。
ガマスのネガを「処刑」する場面は洒落っ気があって楽しい。
今野隊員のデートを目撃してしまうTAC隊員。それぞれの反応が興味深い。
山中隊員・・・メチャクチャからかいに行く気だった。
吉村隊員・・・最初は物凄くビックリするが、やがてニコニコ顔で見守る。
竜隊長・・・「いずれ目が覚める」(それって振られるって事?)。
星司・・・「女は魔物。アイテッ!?」。
夕子・・・(私も女よ)。
その場その場で嘘を吐く純子と、それに毎回引っかかる今野隊員。最後は一緒にデートをしていたが、どうなる事やら……。
今回登場したガマスは鈴木儀雄さんがデザインしたウルトラ怪獣第1号となっている。
今回の話は助監督だった田淵吉男さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。