『ウルトラマンT』
1973年4月6日~1974年4月5日放送
「ウルトラの兄弟達よ、ウルトラ6番目の弟ウルトラマンタロウが今誕生する姿を見るが良い。お前達兄弟は皆こうして生まれたのです。見よ! ウルトラの命の誕生を!」
円谷プロ創立10周年記念作品。
第2期ウルトラシリーズ第3弾にしてウルトラマンシリーズの総決算とも言える作品。
前作『ウルトラマンA』の設定が複雑だったのに対して本作は奇想天外な能力を持つ怪獣をウルトラマンタロウやZATがさらに奇想天外な作戦で迎え撃つと言うシンプルな設定に戻った。その一方で好評だった「ウルトラ兄弟」はウルトラの父とウルトラの母が加えられて「ウルトラファミリー」へと拡大した。
本作は『アラビアン・ナイト』の日本版を目指して作られ、名前も日本のお伽噺の主人公によく使われる「太郎(タロウ)」が選ばれた。
企画時のタイトルは『ウルトラマンジャック』であったが、当時、ハイジャック事件が問題になっていたので変更される事になり、後に帰ってきたウルトラマンの正式名称に使われる事となった。
ウルトラマンタロウ(長沢寛 声・篠田三郎)
身長 53m
体重 5万5千t
M78星雲ウルトラの国で生まれた。ウルトラの父とウルトラの母の実子。
ウルトラの母によって東光太郎と合体して新たな存在に生まれ変わった。
戦いではストリウム光線やスワローキック等を使用。最初はタロウブレスレットを装備していたが、後にウルトラの母からより万能なキングブレスレットを授けられる。
悪意の無い怪獣は無闇に倒さず助ける事もある。末っ子で経験不足であるが潜在能力はウルトラ兄弟の中でも最強。
最後は人間として生きる事を選択し、タロウの力を捨てて人間の中に姿を消した。
ZAT
Zariba of All Terrestrial(又はTerritory)の略称。別称は「宇宙科学警備隊」。
ニューヨークに本部があり世界各地に支部を持つ。宇宙ステーションも保有している。極東支部は東京都千代田区霞ヶ関1丁目1番地1号と東京のど真ん中にあり、緊急時には飛行して退避する事も可能。
様々な作戦を立てて怪獣と戦う。
東光太郎(篠田三郎)
22歳。世界各地を旅していたが白鳥船長の船に乗って日本に帰国し、白鳥船長の家に下宿する事になる。
知恵と勇敢さを朝日奈隊長に買われてZATに入隊する。
ウルトラの母によってタロウと合体して新たな存在に生まれ変わった。死んだ母親そっくりの緑のおばさんから貰ったウルトラバッジでタロウに変身する。
最後は人間として生きる事を選択し、ウルトラバッジを緑のおばさん(ウルトラの母)に返して旅に出た。
朝日奈勇太郎(名古屋章)
42歳。ZATの隊長だが仕事が多く現場に顔を見せる事は少ない。夕飯にカレーを食べたかどうかで指示を出すなど掴み所の無い人物だが常に的確に状況を見極めて判断を下す。
荒垣修平(東野孝彦)
29歳。ZATの初代副隊長。外見も中身も非常にどっしりとしていて隊員からの信頼も厚い。
途中で宇宙ステーションに移動となった。
二谷一美(三谷昇)
ZATの2代目副隊長。若い者には負けないと日夜トレーニングに励んでいる。責任感が強く、自分の失態に涙ぐむ事もある。
北島哲也(津村秀祐)
27歳。情報分析が得意で理論家。
弁当は忘れても釣り道具は忘れた事が無いと言う太公望。
飄々とした性格だが、幼馴染みの真理との別離では大人な部分を垣間見せた。
南原忠男(木村豊幸)
22歳。ややおっちょこちょいなムードメーカー。
九州出身で許嫁の珠子と結婚する。母親を始め、女性に弱い。
西田次郎(三ツ木清隆)
19歳。放電作戦が得意。光太郎より無鉄砲なところがある。
途中で宇宙ステーションに移動となった。
上野孝(西島明彦)
18歳。西田隊員の代わりにZATにやって来た。正義感が強い熱血漢。
身体能力が高く、ムルロアにAZ1974を直接セットすると言う危険な作戦を成功させている。
森山いずみ(松谷紀代子)
18歳。オペレーターだが実はZATで一番の操縦技術の持ち主で、単独で出撃した時の敗退や脱出回数は0となっている。
光太郎に気がある?
白鳥家
白鳥健一(斎藤信也)
白鳥船長の長男。光太郎とは親友同士。タロウに憧れている。
ポチと言う犬を飼っていたがジレンマに殺されてしまい、光太郎から2代目のポチを与えられる。
サメクジラに父親を殺されて自暴自棄になるが、正体を明かした光太郎の姿を見て、タロウに頼らずに生きていく事を決意する。
白鳥さおり(あさかまゆみ 小野恵子)
大学生。健一の姉で白鳥家の家事を切り盛りしている。
光太郎に想いを寄せているが、なかなか気付いてもらえない。
ナレーション(瑳川哲朗)
主題歌『ウルトラマンタロウ』