帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「涙よさよなら…」

「涙よさよなら… ー奇怪宇宙人ツルク星人登場ー
ウルトラマンレオ』制作第3話
1974年4月26日放送(第3話)
脚本 田口成光
監督 深沢清澄

 

奇怪宇宙人ツルク星人
身長 240cm~54m
体重 50kg~2万t
最初は人間形態で夜な夜な人間を襲っては宇宙金属で作られたレオの顔のレリーフを置いていった。ダン隊長の推理ではレオの名を騙って地球を侵略しようとしているとの事。
両手を刃物に変えていて、二段攻撃であらゆる物を真っ二つにする。
ダン隊長に追い払われた後は巨大な爬虫類型に変身して街を破壊していく。巨大化しても身軽さは変わらずレオを返り討ちにする。

 

物語
梅田兄妹の父親が何者かに殺されてしまう。
孤児になった二人はMACの鈴木隊員に引き取られる事になったが、その鈴木隊員も同じ犯人に殺されてしまった。
犯人がツルク星人である事を突き止めたダン隊長はゲンに特訓を命じるが……。

 

感想
『レオ』の主人公はもちろんレオ=ゲンなのだが、セブン=ダン隊長ももう一人の主人公と言える。特に今回の話はダン隊長の苦悩を軸に物語が進んでいく。

 

今回の話からトオルが登場。後の展開を考えると冒頭の家族3人での幸せそうな一時が見ていて物凄く辛い。
肉親を失う子供はこれまでにも何人か登場しているが、トオルはその中でも特に影を背負った子供で、次回の「男と男の誓い」では苦しむツルク星人に向かって「死んじゃえ!」と言っている。宇宙人相手とは言え、「死ね」とはっきり言う子供はウルトラシリーズには殆どいない。

 

『レオ』でも特に有名な真っ二つの場面。あの『T』のわずか一ヶ月後にこんな場面が出てくるとは当時の視聴者は驚いただろうなぁ。
今回殺された鈴木隊員はMAC最初の殉職者となった。

 

梅田兄妹を誰が引き取るかの場面で大村さんと猛の家庭環境が少し語られる。
大村さんは独身で飯の支度も出来ないらしい。どうやって生活しているんだ?
猛には弟がいるらしい。お兄さんだったんだ。
最終的に百子さんが引き取る事になったが、18歳で小学生2人の面倒を見るのは大変だろうなぁ。

 

ダン隊長はツルク星人の目的を「レオの名を騙っての地球侵略」と説明するが、劇中の行動を見る限り、ツルク星人に地球侵略の意図は無く、地球の平和を守るレオとセブンとMACに対する当てつけ、又は殺しが単なる趣味だったように思える。
人間大のツルク星人は人間に近い動きなのが現実の犯罪者を思わせて怖かった。
巨大化すると人間型から爬虫類型になるが、全く違う姿になっているので変身する場面を入れてほしかった。

 

人間大のツルク星人と互角以上の戦いを繰り広げて最後は追い払う事に成功するダン隊長。その後のゲンとの特訓でも明らかにゲンより強かった。右足を負傷していながらこの強さはさすがであるが、セブンに変身出来ないので最後はレオに頼らなくてはいけない。

 

黒田隊員はマッキー全機を2倍のスピードに改良した事で機体整備に長けている事が分かる。因みに改良後にMACはツルク星人と3回戦っているが、なんと1機も撃墜されていない。これは凄い。(撃墜されたのは改良されていないF-4EJファントムⅡのみ) 他にも色々と指示を出していて副隊長格である事が描かれている。
撃墜されたファントムの搭乗員の背番号が5番であったが、もしや青島隊員だったのだろうか? その後も登場しているので無事に脱出できたのだろうか?
赤石隊員は今回もダン隊長や黒田隊員の指示を色々と受けていた。本来は一番下っ端であるゲンが現場に殆どいないので赤石隊員が一番の下っ端に見えてしまう。

 

マッキー全機のスピードを2倍に上げたのはツルク星人に勝つ為ではなくて、ゲンの特訓が完成するまで隊員にこれ以上の犠牲を出さない為。
ダン隊長の事を信じてツルク星人に勝とうと意気込む隊員達を時間稼ぎに使わなくてはいけない。ここがダン隊長ならではの苦悩。

 

冷酷だ何だと言われる事の多いダン隊長だけど出来る限り被害を減らそうと苦心している。
夜中に一人でツルク星人を待ち伏せしていたのもゲンや隊員達を危険にさらせない為。市民に腰抜けだ卑怯者だと言われても冷静に戦力を分析して一時撤退を決める。ゲンの出撃を禁止したのも今のレオではツルク星人に勝てないから。長い目で見れば、ゲンがダン隊長の命令を聞いて特訓に集中していた方が被害は少なかったはず。
「あの子(トオル)は、かつてお前が自分の星を全滅された時の気持ちと同じだ。あの子の事を思うのなら、もっと慎重に行動しろ!」とゲンを叱責するダン隊長。真にトオルの事を思うのならレオは絶対に死んではいけない、勝たなければいけないのだ。

 

そうは言っても目の前で仲間が危機に陥ったら居ても立ってもいられなくなるのも確か。MACの危機にゲンは特訓が完成していないのにレオに変身してしまうが戦いはそんなに甘くはなく、レオが敗れて生死不明になると言う最悪の展開になってしまう。
レオが敗れた後に廃墟となった街が映し出される。オイルショックの影響で『レオ』は予算が少なくなったと言われるが、今回のミニチュアセットを見る限り、それほど低予算とは思えない。合成もふんだんに使っているし。この辺りはシリーズを続ける事でやりくりが上手くなってきたのかな。

 

今回のゲンの変身ポーズはお馴染みの拳を突き出すタイプ。しかし掛け声は「レオ!」とお馴染みの「レオー!」ではなかった。

 

ツルク星人に敗れたレオ。レオの、ゲンの命は?
と言う事で次回「男と男の誓い」に続きます。