帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「男と男の誓い」

「男と男の誓い ー奇怪宇宙人ツルク星人登場ー
ウルトラマンレオ』制作第4話
1974年5月3日放送(第4話)
脚本 田口成光
監督 深沢清澄

 

奇怪宇宙人ツルク星人
身長 240cm~54m
体重 50kg~2万t
レオを倒した後、ダン隊長の電気ショック作戦で一時撤退したが、バッテリーのように電流を体の中に溜めて高熱に変換する能力を得る。
再び現れるが、今度はダン隊長のウルトラ念力で再び退却する。
その後、三度現れるが、二段攻撃を上回るレオの三段攻撃に圧倒され、最後はハンドスライサーで両手を切られ、顔に止めの蹴りを受けた後、落ちてきた自分の刃物が突き刺さって絶命した。

 

物語
ツルク星人に敗れて重傷を負ったゲンにダン隊長はさらに過酷な特訓を課す。
そこにツルク星人が再び現れ、ダン隊長はゲンの特訓が完成するまでの時間稼ぎとしてウルトラ念力を使う!

 

感想
涙よさよなら…」の続き。

 

『レオ』ではサブタイトルに「男」と言う言葉が使われる事が多いが今回はその第1弾となっている。

 

有名な滝を切る特訓。
ツルク星人の両手を使った二段攻撃を破るには両手で相手の攻撃を受け止めて足で反撃する三段攻撃しかないとして、その為にはまずツルク星人の攻撃の流れを読まなければいけないとなって滝の流れを読む特訓が行われる事になる。
惜しいのは滝の流れを読むのに桜の花びらを目印にしたのなら、ツルク星人の攻撃の流れを読むのにも何か目印が欲しかった。例えばダン隊長の攻撃で刃物に傷が付いていたとか。

 

巨大化したツルク星人を見て「父さんを殺したのはあいつだ!」と言うトオルと「じゃあ、ウルトラマンレオじゃなかったのね」と答えるカオルちゃん。まさか本当にレオが犯人だと思っていたとは……。

 

ツルク星人との戦いでゲンが死んだと思ったダン隊長。夕日をバックにした去り姿が寂しい。回想シーンまで入れられて「早くも最終回か!?」と思う展開であった。
その後、ゲンが生きていた事を知ったダン隊長の声は本当に嬉しそう。「大沈没! 日本列島最後の日」でもウルトラ念力で救った後、ゲンが生きていた事を確認すると少しホッとした表情を見せていた。もっとも、どちらもその直後に檄が飛ぶが……。

 

「僕の周りの人が皆いなくなるなんて……(嫌だ)」と言って必死にゲンを探すトオル。今回はゲンを無事に見付ける事が出来たが、この時の言葉は後に現実のものとなってしまう……。

 

ダン隊長は重傷のゲンに向かって「貴重な時間をお前は無駄に過ごしてしまったんだぞ」と叱る。確かにゲンが特訓に集中して三段攻撃を完成させていたらツルク星人をもっと早く倒す事が出来たであろう。
ヒーロー作品ではヒーローがなかなか変身しないとツッコまれる事があるが、『レオ』は「特訓が完成していなければ変身しても勝てない」とする事でヒーローが変身しない理由付けを行った。

 

ゲンの事を思って眠れないダン隊長の所に白川隊員が現状報告に来る。「涙よさよなら…」でもダン隊長の事を心配していたが、ひょっとして、気がある?

 

ツルク星人との戦いで『MACのマーチ』がかかる。劇中での使用は今回のみ。軽快な音楽が内容と合わない。

 

電車がツルク星人に切られて止まる場面が良かった。
避難シーンでは転ぶ人もキチンと入れられている。

 

レオのリターンマッチ。全身が赤く発光し、その発光が両手に集中する場面は気(オーラ)を集中させている感じで好き。

 

「その顔は何だ! その目は何だ! その涙は何だ!!」「お前の涙で……奴が倒せるか! この地球が救えるか!!」。
『レオ』を代表する名言。故郷、家族、仲間の仇を取りたい。大切な人を守りたい。しかし、それにはそれなりの力が必要となる。気持ちだけで勝てるほど現実は甘くはない。

 

全てが終わって笑顔で桜と戯れるゲンとダン隊長の姿は平和が戻った事を感じさせるシーンであった。このシーンの為に今回の前後編はあったと言える。

 

 

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