帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「くらやみ殺法! 闘魂の一撃」

「くらやみ殺法! 闘魂の一撃 ー分身宇宙人フリップ星人登場ー
ウルトラマンレオ』制作第15話
1974年7月19日放送(第15話)
脚本 田口成光
監督 外山徹
特撮監督 大木淳

 

分身宇宙人フリップ星人
身長 190cm~47m
体重 90kg~1万9千t
巨大な状態で夜中の都心に突如現れて破壊活動を行い、その後は人間大で暗躍する。
分身能力や瞬間移動でゲンやMACを惑わすが、津山青年の心眼に本体を見抜かれる。
再び巨大化するが、津山青年から心眼を会得したレオに本体を見抜かれてエネルギー光球で倒された。
分身繋がりか、声がバルタン星人に似ている。

 

物語
百子さんが津山と言う青年と一緒にいる事を知ったゲンは戸惑う。
そこにフリップ星人が現れ、ダン隊長はフリップ星人の分身能力を打ち破る為に津山青年に教えを請えとゲンに命じるが……。

 

感想
ゲンの百子さんへの気持ちが前面に押し出された話。
これまでの主人公にも恋人や恋人に近い女性はいたが、今までは女性からの想いが強かったのに対し、今回は珍しく男性からの想いが強い話となった。

 

津山青年は黒潮島のたった一人の生き残りであったがその時に視力を失ってしまい、MACは何も出来ないと思って空手を習ったと言う設定。「セブンが死ぬ時! 東京は沈没する!」「大沈没! 日本列島最後の日」で黒潮島がマグマ星人に沈められたのは今から約3ヶ月前の事。わずか3ヶ月で心眼を会得して人間大の星人と五分に渡り合えるようになるとは凄い。

 

今回の話で黒潮島が百子さんの故郷だった事が明らかになる。過去の展開を踏まえた話や設定が出るのがこれまでの作品にはあまり無かった『レオ』の特徴。

 

レオが心眼を使う時の暗闇の世界が良かったが、レオは目を閉じる事が出来ないのでダン隊長の攻撃を受けて盲目になると言う展開は無理があった。『初代マン』の「射つな! アラシ」では初代マンの目の電飾を消す事で視力を失った事を演出していたので今回もそれに倣ってほしかった。

 

百子さんと仲が良い津山青年から教えを請いたくないと感じるゲン。しかし、ダン隊長に「あの星人を逃がした為、またどこかで被害者が出る。人の命を救う為にお前が津山君から技を教わる事が恥ずかしい事か? それより身勝手な理由で教わろうともせずに逃げ出す事が遥かに恥ずべき事じゃないのか?」と叱られてしまう。
おそらく今回の話は「盲目・心眼」と「恋は盲目」をかけたのであろう。

 

茶店トオルが読んでいた雑誌にはレオが獅子座L77星の出身である事が書かれていた。どこからそんな情報が知られたのだろうか?

 

フリップ星人の目的も劇中では不明。と言う事で今回もマグマ星人に送り込まれた事にしておこう。

 

「勇敢なMACの隊員を失った……。失った命は帰らない……。この先、どんな宇宙人が現れるかもしれん。1人の犠牲者も出さずに戦う事は難しい事だ……。だが、俺達はそれをやらねばならん」。
フリップ星人に殺されたMAC隊員に花を供えて手を合わせるダン隊長。『レオ』は怪獣や宇宙人との戦いは命懸けの危険なものと言う事を繰り返し描いている。

 

津山青年を演じた潮哲也さんは『快傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』では主役を務めている。『風雲ライオン丸』ではトオル役の新井つねひろさんも三吉役でレギュラー出演している。

 

 

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