「日本名作民話シリーズ! 地球を守る白い花 花咲か爺さんより ー昆虫星人バーミン登場ー」
『ウルトラマンレオ』制作第31話
1974年11月8日放送(第31話)
脚本 奥津啓二郎
監督 筧正典
特撮監督 高野宏一・吉村義之
昆虫星人バーミン星人
身長 150cm~60m
体重 90kg~2万8千t
謎のおじいさんに変身し、銀色の星屑をばら撒いて東京中に花を咲かせ、毒の花の匂いで子供達を眠り病にしてしまう。
自分の行為を「汚れた東京を花で美しくして勉強で疲れた子供達に安らかな眠りを与えただけだ」と言うが、ゲンに目的は地球侵略だと看破される。
昆虫型の怪獣に巨大化して両手からのガスで辺り一面を蔦と花で覆ってしまう。触覚から緑色の光線を撃つ。
ウルトラマントで動きを封じられてタイマーショットで倒された。
名前の由来は「バーミン(害虫)」かな。
白い花の精
カオルちゃんが道端で見付けた白い花の精。
東京の汚れた空気で弱っていたが、カオルちゃんの世話で回復した。カオルちゃんの夢の中に現れる。鉢を割ったせいか、夢の中でトオルは悪い魔法使いのような格好で現れた。
バーミン星人が倒された後、ジョウロで東京中に花を咲かせ、その花の香りで子供達は眠り病から目を覚ました。
物語
裏の畑で ポチが鳴く 正直爺さん 掘ったれば 大判 小判が ザクザクザクザク
子供達が眠ったまま目を覚まさない眠り病が続発する。
一方、白い花の事でトオルとカオルちゃんが喧嘩してしまう。
感想
今回は『花咲か爺さん』がモデル。
なんともファンタジックな話だったが、カオルちゃんを主役にしたおかげで違和感が無かった。
仲谷昇さん演じるバーミン星人の人間態が最高な話。『花咲か爺さん』の正直爺さんに当たる役で劇中でも好々爺の雰囲気を出しているのだが目の奥には底知れない悪意が滲んでいる。正体を見破られたので、花を踏みにじってカオルちゃんを追い詰める場面はかなり怖かった。
バーミン星人は人間態が良かっただけに昆虫型の怪獣は印象が薄くて残念だった。
男性コーラスの歌が聴こえるが、『心にウルトラマンレオ』(辰巳出版)によると、こおろぎ’73の『花咲じいさん』と言う曲らしい。
今回のゲンは梶田隊員とずっとコンビを組んでいる。
ゲンは白土隊員より梶田隊員と一緒にいる方が多い気がする。
最後にナレーションで「レオの咲かせた花……」とあるが、花を咲かせたのはレオではなくて白い花の精では?
今回の話は奥津啓二郎さんと筧監督のウルトラシリーズ最終作となっている。
又、高野監督の『レオ』監督最終作でもある。