帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「怪獣の恩返し」

日本名作民話シリーズ! 怪獣の恩返し 鶴の恩返しより ーマグマ星人 怪獣ローラン登場ー
ウルトラマンレオ』制作第30話
1974年11月1日放送(第30話)
脚本 田口成光
監督 筧正典
特撮監督 高野宏一・吉村義之

 

サーベル暴君マグマ星人
身長 190cm~57m
体重 75kg~2万2千t
宇宙で一番美しいと言われている怪獣ローランをお嫁さんにしようとするが断られ、ローランの反応がするものを片っ端から襲って、ローラン自身も殺そうとした。
サーベルの他、新たに腕から針を飛ばす能力を身に付けた。人間大でも活動できる。
レオに手も足も出ず、最後はレオが投げつけたローランの風車で倒された。

 

宇宙鶴ローラン
身長 160cm~52m
体重 80kg~2万4千t
宇宙で一番美しいと言われている怪獣。
マグマ星人の求婚を断った為、怒ったマグマ星人に針を刺される。その針を抜いてくれた大熊親子とゲンに感謝し、星村と言う女性に変身して大熊親子の仕事を手伝った。又、自分の羽根で風車を作って子供達に配った。この風車を自転車の先端に付けると、とてつもないスピードが出せるようになる。
マグマ星人がローランの反応がする風車を持った子供達を襲っている事を知り、大熊親子に事情を打ち明ける。宇宙に帰る直前に再びマグマ星人に襲われるがレオに救われ無事に宇宙に帰っていった。

 

物語
マグマ星人は宇宙で一番美しいと言われている怪獣ローランをお嫁さんにしようとするが断られたのでローランを殺してしまおうとする。
一方、ローランは自分を助けてくれた大熊親子とゲンに恩返しをしようとする。

 

感想
「君達もよく知っているマグマ星人」と言うナレーションがあるように今回遂にマグマ星人が再登場を果たす!
……なのだが、正直言って、今回の話はマグマ星人でない方が良かった。

 

マグマ星人の今回の目的はローランをお嫁さんにしようであった。
なんか間抜けな感じがするが、片思いの女性を力尽くで自分のものにしようとして、従わないのならいっそ殺してしまおうと言うのは冷静に考えたら、かなりの悪行。ローランが着ぐるみの怪獣なのでイマイチ実感が湧かないかもしれないが、ローランがマグマ星人に襲われている場面を桜井浩子さんが演じていたらと考えると分かるかな。(あのマグマ星人が単なるストーカーに成り下がってしまったと言う意見をよく聞くが、被害者の心情を考えれば、ストーカーは単なる程度の犯罪ではないし)

 

今回のマグマ星人はかなり弱い。
さすがにMAC相手には互角以上に戦っていたが、最後のレオとの戦いでは殆ど手も足も出ていなかった。
振り返ってみれば、「セブンが死ぬ時! 東京は沈没する!」「大沈没! 日本列島最後の日」で凄かったのはマグマ星人より双子怪獣の方だった。セブンの足を折ったのも津波を起こしたのもマグマ星人ではなくて双子怪獣だった。
そしてレオはダン隊長の特訓で様々な技を会得して光線技も使えるようになり、さらにキングからウルトラマントを与えられている。
よく考えてみれば、両者の力の差は歴然であった。

 

ゲンは「マグマ星人は僕の父と母の仇でもあるんだ」と言って、ローランにマグマ星人を誘き寄せる為の風車を作ってもらっている。
因みにダン隊長は一刻も早くローランをマグマ星人の手の届かない宇宙に帰すよう言っているので、これは明らかに命令違反。
結局、出発が遅れたローランは再びマグマ星人に襲われる羽目になってしまった。
レオの心の中にはいまだにマグマ星人への憎しみが残っていたのだろう。

 

マグマ星人を倒した事によるレオの心情は述べられておらず、代わりに子供達と笑顔で戯れるゲンの姿が描かれている。おそらく故郷の仇を取った思いよりも第二の故郷を守れた思いの方が強かったのだろう。

 

個人的な意見を言えば、第1話から7ヶ月も引っ張ってきたマグマ星人との決着がこんなもので良いのかと言う気持ちはある。
出来れば、後の「決闘! レオ兄弟対ウルトラ兄弟」「レオ兄弟 ウルトラ兄弟 勝利の時」に登場するババルウ星人マグマ星人にしてほしかった……。

 

今回のモデルはそのまま『鶴の恩返し』。
感想ではマグマ星人の部分をメインに書いたが、本編はローランと大熊親子の交流がメインであった。
前回の「運命の再会! ダンとアンヌ」に『セブン』のダンとアンヌが登場したのに続いて、今回は『初代マン』でハヤタ隊員役であった黒部進さんとフジ隊員役であった桜井さんがゲスト出演している。
黒部さんは完全無欠なハヤタ隊員役も良かったが、今回のような人間くさい役も良い。

 

当時、円谷プロの社員であった竹内博さんを始めとした特撮・怪獣ファン達の会合が開かれていて、そこに『レオ』のプロデューサーであった熊谷さんが意見を聞きに来て、竹内さん達が提案した「マグマ星人の再登場」と「カプセル怪獣の復活」が今回の話と「ウルトラ兄弟永遠の誓い」に反映されたとの事。
竹内さんは後に「怪獣倶楽部」を結成して同人誌を発行するようになり、参加メンバーは様々な場所で活躍して第3次怪獣ブームを作り出す事となる。(これらの話をモデルに作られたのがドラマ『怪獣倶楽部』)

 

今回の話は助監督だった吉村義之さんのウルトラシリーズ監督デビュー作となっている。