「レオ兄弟対宇宙悪霊星人 ー怪奇隕石アクマニヤ 宇宙悪霊アクマニヤ星人 アストラ登場ー」
『ウルトラマンレオ』制作第33話
1974年11月22日放送(第33話)
脚本 若槻文三
監督 中川信夫
特撮監督 矢島信男
アストラ
身長 50m
体重 4万9千t
アクマニヤ星人に苦戦するレオの前に再び出現。
ウルトラダブルフラッシャーでアクマニヤ星人をアクマニヤの状態に戻すと捨て身の覚悟で宇宙に運び去った。
宇宙悪霊アクマニヤ星人
身長 50m
体重 1万5千t
怪奇隕石アクマニヤに棲み憑いていた宇宙悪霊。コンピューターでも正体不明で回答不能な存在。巨大な目玉の状態で地球に飛来すると、マンション一帯に取り憑いて様々な怪奇現象を巻き起こした。
目玉からは赤い怪光線やロケット弾を撃つ。レオが出現すると怪獣形態に変身した。赤い怪光線でレオを苦しめるが、レオキックで角を折られ、その角を目玉に刺されて緑色の血を流す。さらに両腕ももぎ取られるが、両腕を遠隔操作して背後からレオの首を絞めて窮地に陥れる。
最後はアストラの出現で形勢逆転され、ウルトラダブルフラッシャーでアクマニヤの状態に戻されるとアストラによって宇宙に運び去られた。
名前の由来は「悪魔」かな。
物語
マンション上空に巨大な目玉が出現!
その後、マンションの中で奇怪な現象が次々と起こる!
感想
当時ブームだったオカルトの要素をふんだんに取り入れた話。
マンションの上空に浮かぶ赤く充血した目玉、怪奇音や怪光と共に起こるポルターガイスト現象、レオとアクマニヤ星人の暗闇の中での戦いと映像がかなり凝っている。無人のマンションに入っていくトオルの場面も恐怖感が上手く出ていた。
至る所から現れる青い手、蛇口から流れる赤い血、気が狂った状態で天井に張り付いている母親、緑色の霧、ピアノの音、歪む画面と今回は理屈ではなく映像と音で恐怖を作っている。アイキャッチも不気味な唸り声を被せていて徹底していた。
アクマニヤ星人は怪獣扱いでも良かったと思うが、わざわざ星人扱いしたところを見ると、アクマニヤに取り憑いていた宇宙悪霊は生前は星人だった可能性がある。
今回のゲストであるタカシはトオルの従兄弟だが、その設定が生かされていなかったのは残念。
又、お隣同士、バツイチ同士の再婚話の雰囲気もあったが、それも話には生かされなかった。
「ゲン、頼むぞ」とダン隊長に言われて出撃するレオ。信用されるようになったなぁ。でも、そういう時に限ってピンチに陥るんだけれど……。
アストラ登場。
太陽を背にした目くらまし攻撃は「狼男の花嫁」でレオもウルフ星人戦相手にやっている。
ナレーションが「アストラはまたどこへ帰っていくのか、それは誰も知らない大宇宙の謎である」と語っているが、アストラの帰る場所と言えば、キングの星ではなかろうか。広大な宇宙を当ても無く移動するのは大変なので、キングの星を拠点に両親を捜しているのだと思う。
最後のナレーションは『レオ』と言うより『Q』や『セブン』っぽかった。