Episode8
2022年6月17日配信
ユリアンの気配を察知したアストラはユリアン達が監禁されている場所を見付け、そこでコスモ幻獣拳を使うディアボロと出会う。
そう言えば『ドラゴンボール』を始めとしてバトル作品ではよくある「気を察知する」はウルトラシリーズではあまり使われない。ウルトラシリーズはバトル作品の要素もあるがSF作品の要素もあるので探知関係は気配を探るより機械で調べる方が多い。
「どうしてコスモ幻獣拳を使えるのか?」と言うアストラの問いに対するディアボロの「俺がコスモ幻獣拳の総師だからだ」は『ウルトラマンレグロス』を見たら「よくそんなに自信満々に言えるなぁ……」と思える。そりゃレグロスもキレる。
ディアボロはタルタロスの「ユリアンを誘拐して光の国と交渉する」と言う作戦自体が気に入らなかった模様。
光の国側がお互いを信頼して力を合わせているのに対しザ・キングダム側は幹部のタルタロスとディアボロとティターンの3人の間ですら考え方にズレがある。(まぁ、問題の殆どはディアボロが引き起こしているので、こいつさえ何とかすれば良い感じなのだが……)
「俺だ……。俺がコスモ幻獣拳総師・赤龍白虎拳のウルトラマンレグロスだ!」。
ユリアンにエネルギーを回復してもらい、コスモ幻獣拳の総師を名乗るディアボロへの怒りから遂にレグロスが復活!
レグロスのデザインはレオやアストラの系譜でウルトラマンの中では珍しく鼻筋がしっかりしているのが特徴。どことなく昭和のヒーローっぽい顔。
両肩の紋章はタトゥーに見えるようになっている。日本の子供向け作品で入れ墨やタトゥーがある人物を出すのは難しいところがあるが、タトゥーをウルトラマンのデザインとして処理したのは「そういう手があったか!」と感心した。
ウルトラマンのデザインは基本である初代マンやティガに色々と継ぎ足していく感じになっているがレオやレグロスのような別方向のデザインも面白いのでこの辺りの開拓も続けていってほしい。
アストラと再会したレグロスは「その姿は?」とちょっと驚いている。これは『レオ』放送当時の児童誌で「アストラは元々はレオとそっくりだったがマグマ星人の拷問が原因で顔が変わった」と言う設定があったのを受けての反応。そんなエグい設定を映像作品で取り上げるのかとちょっと驚いた。
ユリアンは「王女」と言う特別な肩書きがあるのだがこれまでの作品ではあまりそれを活かせていなかったのでギャラファイシリーズでは王家としての公務があったりタルタロスの標的にされたりレグロスに「このお方」と言われたりしているのが嬉しい。
光の国の根幹に関わりそうなので難しいかもしれないが他の王家がどうなっているのかも気になっているのでいつか触れてほしい。
レグロスは身に宿らせたコスモビーストの力で戦う。東映のヒーローと違ってウルトラマンは動物モチーフが少なかったのでこれは新鮮だった。既に忍者モチーフのフーマもいるのでこの辺りでウルトラマンも東映のヒーローのように色々なモチーフを取り入れていくのもアリなんじゃないかなと思う。
一人一人の能力は強いアブソリューティアンだがさすがに一人で複数のウルトラマンを同時に相手にするのは大変なのかタルタロスもティターンも苦戦気味であった。『運命の衝突』では全体的に人材豊富な光の国を相手にザ・キングダムはジリ貧に陥る展開になっている。
ザ・キングダムから脱出したヒカリ達のランデブーポイントは惑星ブリザード。ここまで分かりやすくウルトラマン達に不利な場所が決戦の地になるとは……。(まぁ、連戦になるザ・キングダム勢と違って光の国側はここで主戦力であるウルトラ兄弟とゼロを出せるのでこのくらいのハンデがないと勝負にならないところはある)
一瞬だけだったがゾフィー、ヒカリ、メロスと言った年長組3人の並びが見られたのが個人的に嬉しかった。
Episode9
2022年6月24日配信
いよいよ光の国とザ・キングダムの種族の存亡を懸けた全面戦争が始まる!
今回はセブンとゼロ、タロウとタイガの親子タッグやレオとアストラとレグロスの兄弟星タッグが見られる。
全体的に一対一ならザ・キングダム側が優勢なのだがゾフィーとベリアルの戦いだけは一対一の状態でもゾフィーが優勢だった。
これまでの作品でゾフィーはベリアルにやられてばかりだったが、時間を超えた事で成長が無かったベリアルと数々の戦いを経たゾフィーとではゾフィーの方が強かったのは嬉しかった。
ウルトラ兄弟達の戦いは懐かしい技や動きを現在の技術と演出とテンポで見られて面白かった。
雪面にウルトラ水流を放って相手を転倒させると言う初代マンの状況を活かした戦い方が経験豊富なベテラン戦士と言う感じで見ていて思わずニヤリとした。
まさかのメビウスインフィニティ再登場!
名のある敵を倒したわけではないがザ・キングダムから惑星ブリザードへアブソリューティアンの兵士を送り込んでくるナラクを破壊した事で今回の戦争の大勢を決した存在となった。
レグロスとレオ兄弟がディアボロを倒す時にアルビオとファルードとスピカの力が現れる。先のマスターアルーデに続いていきなりの新キャラ登場に驚くがその辺りは『レグロス』で語られる事になる。
レグロス、レオ、アストラの幻獣覇王拳で倒されるディアボロ。
アブソリュートハートがある限り不死身と言う設定があるからかディアボロはタルタロスやティターンと違って倒される事が多くなってしまい二人に比べて小物な感じになってしまったところがある。
タイガ「もう一度、光の使者として共に戦う事は出来ないのか?」、
トレギア「何度も言わせるな! この世には光も闇も無い! 親子揃ってその真っ直ぐな瞳がムカつくんだよ!」、
タイガ「それでも俺は光で照らし続ける! 太陽を抱く勇気ある者ウルトラマンタイガとして! あなたと父さんが付けてくれた名前だ!」。
『タイガ』本編と比べるとタイガは本当に強くなったと感じる。
個人的にはこの辺りの話はギャラファイシリーズではなく『タイガ』本編でやってほしかったところはある。
本作のトレギアは『タイガ』のトレギアと違って長年拗らせてきたわけではないのでタロウやタイガへの不満をハッキリと述べられるし自分は光の国ではエリートではないと認められるしと『タイガ』のトレギアに比べて素直なところがあって、確かにこれならまだ引き返せるかもしれないと思えるところがある。
ベリアルにしばらく使われていたベリアロクは「つまらん」と判断する。
トレギアは色々あってこじらせを悪化させてしまったが、ベリアルはゼロとの戦いやダークネスファイブとの出会いと色々あって人間的に成長したところがあるので、昔のトレギアはまだ可能性があるが逆に昔のベリアルは可能性が狭められているところがある。
ゼットの手に戻って「本来の持ち主の意地を見せてみろ」と発破をかけるベリアロク。基本的にゼットには塩対応なのにここぞでこんな言葉をかけられるのがベリアロクのオイシイところ。
ゼットの「ハルキ!」と言う呼びかけにハルキの「チェスト!」と言う返事があるのだが今回はハルキと一体化しているのかな。
ベリアロクが発する闇の力を纏ったゼットは新形態のデスシウムライズクローに変身する。これまで歴代ウルトラマンの力で様々な形態に変身していたゼットだが今回は自分とハルキとベリアロクと言う自分達の力だけで新形態を作り出した。「3つの力を合わせた姿」と言うのはこれまでと同じだが歴代の力ではなく自分達の力で変身出来るようになったところにゼット達の成長が見られて良かった。
元は同じ存在なのにベリアロクと信頼関係を築けなかったベリアルに対して出身がバラバラなのに力を合わせて新形態を生み出せたゼットとハルキとベリアロクの関係は見事な対比になっていた。
Episode10
2022年7月1日配信
並行同位体が登場する本作の面倒なところとして「ヒカリは闇堕ちしたがトレギアを襲ってはいない」のだが「並行同位体のトレギアは並行同位体の闇堕ちしたヒカリに襲われた」、「ジードにとってベリアルは父親である」のだが「並行同位体のベリアルはジードを作っていない」と本来の歴史と並行同位体が辿った歴史が違っている為にヒカリと並行同位体のトレギア、ジードと並行同位体のベリアルのお互いの認識もズレが生じてしまっているところ。ここを解決しないと並行同位体のトレギアとベリアルとの問題解決は難しいと思う。
ウルティメイトシャイニングウルトラマンゼロに苦戦するタルタロスは「もうじきあのお方が目覚める……。たとえこの身が滅びようとも、それまでに光の国を手に入れる!」と決意を新たにすると必殺技アブソリュート・デストラクションを最大の威力で放つアブソリュート・マキシマム・デストラクションで惑星ブリザードごと全てを破壊しようとするがそこにキングが現れて全てを受け止める。
この時点では「あのお方」について殆どが謎に包まれているがタルタロスがキングに向けて言い放った「老いぼれが邪魔をするな! あのお方は我らを導いてくれるお方! 貴様とは違うのだ!」からキングのような立ち位置であるが基本的に見守っているキングと違ってアブソリューティアンを導く存在であると言うのは推測出来る。
タルタロスとキングの光線から皆を守る為にリブットはストロングネットを展開するが、結果としてストロングネットの外にいたリブットとタルタロス(とアブソリュートハートの状態だったディアボロ)が光線の激突で生じた次元の穴に吸い込まれてしまう。
レグロスはL77星やD60がマグマ星人に襲われた後にアブソリューティアンにさらわれて、助け出されたら自分が使っていたコスモ幻獣拳は伝説の宇宙最強拳法と言われるほどに時が経っていた。
レグロスは過去から現代に連れて来られたある意味並行同位体と言える存在らしい。死んでいようが生きていようがアブソリューティアンの介入で本来の歴史と違う人生を辿る事になったら「並行同位体」となるので、レオが「並行同位体」ではなく「ある意味で並行同位体」と言ったのはレグロスはベリアルやトレギアと違って「アブソリューティアンに未来にさらわれるのが元々の歴史」なのかもしれない。
レグロスとじゃれるアストラが実に楽しそう。アストラって目上のキングや実の兄であるレオ以外との繋がりがあまり無かったので本作でレグロスと言う友人が出来たのは良かった。
因みに「俺は若い」と言ったレグロスだが、仮にレグロスをアストラと同い年だとすると1万歳になるが、『メビウス』の後にタイガが生まれたと言う設定なので『運命の衝突』は『レオ』の頃から4800年以上が経過している事になる。そう考えるとアストラは1万4800歳でレグロスは1万歳となる。仮にレグロスを人間の20歳くらいにするとアストラは30歳くらいになるのかな。なるほど。ちょっと若さでマウントを取って笑いを取りたくなる感じの年齢差だ。
ハルキをとある惑星に迎えに行って地球に一度戻る事にしたゼット。惑星ブリザードの戦いの後に再び分離してハルキはとある星の復興に関わっていたのか、それとも惑星ブリザードにハルキはいなかったが心はゼットと繋がっていたのでデスシウムライズクローに変身出来たのかな。
ゼットが「バロッサ星人の生き残りがまた悪さしようとしていると言う情報がある」と言っていたがそれは『トリガー』の「インター・ユニバース」へと繋がる事になる。
『ウルトラマンゼット&ウルトラマンゼロ ボイスドラマ』の頃はゼロにベッタリだったゼットも今はハルキやストレイジと言った独自の人間関係を構築できて、弟子の成長に師匠のゼロもちょっと嬉しそう。
「俺はここを出る。アブソリューティアンもウルトラマンも必要無ぇ。俺は俺のやり方で力を手に入れる」と言って本来の歴史と同じようにギガバトルナイザーを手に入れるベリアル。自分一人で行っても良いのにわざわざトレギアに報告して「お前はどうする?」とトレギアアイを差し出すところはダークネスファイブやリリといた時に出てきた面倒見の良さを感じる。
ベリアルが自分の生き方を自分で決めた一方でトレギアは自分の生き方を決めかねていてトレギアアイを差し出されても結局明確な答えは出せなかった。
アブソリューティアンとの和解を提案するユリアンに希望を捨ててはいけないと同意するウルトラの母。戦いの中で相手との和解を提案する人物が出たらそれに反対する人物も出てくるのだが、光の国にはそういう人物はおらず、光の国や宇宙を守る為に戦うが和解の道も捨ててはいけないと言う方向に全体がなっている。
タルタロス達と共に次元の穴に消えたリブットは果たしてどこに……?
この話の続きは『トリガー』の「黄金の脅威」で描かれる事になる。
『トリガー』で見た時は「いよいよアブソリューティアンが『トリガー』の世界に攻め込んできた!」と言う感じだったが、実際は「たまたま迷い込んだのが『トリガー』の世界だったのでそのままエタニティコアの力を得る事にした」と言うかなり行き当たりばったりだった事が判明する。そして結果としてエタニティコアの力は手に入れる事が出来ず逆にディアボロのアブソリュート粒子を奪われ、しかもディアボロのアブソリュートハートも一つ減ってしまうのであった……。