帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「狼男の花嫁」

見よ! ウルトラ怪奇シリーズ 狼男の花嫁 ー狼男ウルフ星人登場ー
ウルトラマンレオ』制作第17話
1974年8月2日放送(第17話)
脚本 田口成光
監督 山本正孝
特撮監督 矢島信男

 

狼男ウルフ星人
身長 187cm~57m
体重 90kg~1万9千t
人間の血を吸って生きている。猛の婚約者である冴子に乗り移るが血が切れると元の姿に戻ってしまう。以前にも現れたらしく、ダン隊長だけでなく白川隊員にもその存在を知られていた。
光を極端に嫌っているので普段は夜に活動するが、血の渇きに耐えられなくなって昼間でも活動するようになる。
MACの攻撃を受けて巨大化する。長い牙で相手に噛み付く。冴子の身体能力を受け継いでいて、冴子の得意技・風車を武器とする。
レオのハンドビームで両足を封じられ、太陽の光による目くらまし攻撃で動きをとれなくなったところをレオキックで倒された。
その後、レオマスクの奇跡によって冴子の中のウルフ星人の部分が消されて冴子は元に戻った。
名前の由来は「ウルフ(狼)」かな。

 

物語
三月市で女性が何者かに襲われて血を全て吸い取られる事件が起きた。
MACは警戒を強めるが、猛の幼馴染みで婚約者の冴子がウルフ星人に襲われて乗り移られてしまう。

 

感想
前回の「真夜中に消えた女」を経て今回から本格的に始まった「ウルトラ怪奇シリーズ」。
ウルフ星人に女性が襲われる場面も怖いが、それ以上にウルフ星人に乗り移られた娘を必至に庇う冴子の母親が怖い。
確かにMACに見付かれば娘は殺される可能性があるので気持ちは分かるが、鏡にウルフ星人の姿が映る娘の髪を撫でる場面は母の異常な愛情と言う感じで思わずゾッとする。

 

娘がこれ以上犯行を重ねればMACにバレてしまうかもとして、「お母さんの血を飲みなさい。お母さんの血なら誰も何も文句は言わない」と勧める母親。
さすがに肉親の血は飲めないと自制心を働かせる冴子に対して、「お母さんの血は年を取っているから駄目なのね……」と母親が嘆くのは上手かった。

 

「私、狼男の花嫁になったの……」と呟く冴子。
ウルフ星人が女性を襲う場面は強姦そのもので、今回の話は結婚直前の花嫁を襲った悲劇と見る事が出来る。あまり子供向けではなかったかも……。

 

「ウルトラ怪奇シリーズ」にはホラー要素の他に「異形の者との愛」と言うテーマがあり、今回の話ではウルフ星人に乗り移られてしまった冴子を母親と猛は最後まで見捨てなかった。
このテーマは後に人間以外の存在=宇宙人との愛として、『レオ』のメインテーマになっていく。

 

ウルフ星人に関する知識を披露する白川隊員。普段から情報収集や分析をしている賜物であろう。
桃井隊員が退場したので白川隊員が初めて地上勤務をしているが、慣れないせいか、ウルフ星人に襲われても逃げ惑う事しか出来なかった。

 

今回から白土、梶田両隊員が登場。2人はゲンとは同格と言う設定なので、ゲンの話し方も今までとは変わっている。
白土隊員だが、おそらく「男だ! 燃えろ!」でカーリー星人を倒した後、洋子のような人をこれ以上増やさない為に前線で戦う決意をしたのだろう。再登場まで間が空いたのは前の職場で残っていた仕事を片付けていたのかな。

 

ダン隊長のアドバイスを受けただけで特訓もせずにウルフ星人の風車を封じたレオ。成長したなぁ。

 

今回は幼馴染みで婚約者の冴子が関係しているからか、珍しく猛がゲンに反発している。
冴子の「風車」と言う技名を聞いて「綺麗な名前だ。冴子さんのように……」はノロケすぎ。
一般的な解釈では冴子はウルフ星人と一緒に死んだがレオマスクの奇跡で生き返ったとなっているが、あまり死んだ人間に生き返ってほしくないので、死んだのはあくまでウルフ星人で、レオマスクは冴子の中にあるウルフ星人の部分を消し去って浄化したと自分は考えた。

 

 

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