「怪獣になったモンキ!? ー電送怪獣ネオドストニー登場ー」
『ザ☆ウルトラマン』制作第43話
1980年2月6日放送(第43話)
脚本 平野靖司
絵コンテ 白土武
演出 辻勝之
ドストニー1号
身長 104m
体重 8万2千t
ヘラー軍団が物質電送機を利用して地球に送り込もうとした怪獣。
受信側にいたモンキと原子レベルで融合してモンキ・ドストニーとなる。
その後、原子レベルで分解され、今度はドストニー2号と融合してネオドストニーとなった。
ドストニー2号
身長 92m
体重 7万6千t
原子レベルで分解されたドストニー1号と融合してネオドストニーとなる。
モンキ・ドストニー
身長 104m
体重 8万2千t
ドストニー1号とモンキが融合してしまった姿。
モンキの意識の方が強く、人間を襲わず逆にドストニー2号と勇敢に戦った。
いかついドストニー1号の体にモンキの顔が付いている姿がシュール過ぎる。
電送怪獣ネオドストニー
身長 108m
体重 12万2千t
ドストニー1号と2号が融合した姿。
口から炎を吐いて人間を炭にする。
触角や角や尻尾でジョーニアスを苦しめるが最後は物質電送機ごとプラニウム光線で破壊された。
物語
謎の無人宇宙船が回収されて極東ゾーン基地に運ばれる。
無人宇宙船の正体は物質電送機で、それを使ってヘラー軍団は怪獣を送ろうとするが……。
感想
意外と出番が少なかったモンキ唯一の主役回。
ウルトラシリーズでは異例のレギュラー動物だったのだが、ピグが動物的要素も持っていたので最後まで立ち位置が定まらなかった感じ。
ピグからロボット的要素を外す事は出来ないので、思い切ってピグをウルック並みのロボット的キャラにして動物キャラはモンキだけに絞った方が良かったかも。
謎の無人宇宙船の正体は物質電送機で、物質を原子分解して他の場所に送るもので、これがあれば既存の交通機関が全て不要になり宇宙開発も可能になると言う優れ物であった。
その後、さらなる調査によって地球に回収されたのは受信側で他に送信側が存在している事が判明。ゴンドウキャップは侵略者が怪獣を送ってくる可能性があるとして装置の破壊を提案するが、宇宙工学研究所の所長は地球文明を大いに発展させる装置として調査が完了するまで待ってほしいと懇願する。しかし、ヘラー軍団が物質電送機を利用して怪獣を送り込んできてしまう。今回のヘラー軍団の作戦は「トロイの木馬」の現代版と言ったところかな。
因みにヘラー軍団は物質を原子レベルで操作する技術を完全に解明していて、「ウルトラの星へ!! 第3部 ーU艦隊大激戦ー」では人物を原子レベルで分解する処刑装置を使用している。
「目の前に地球文明を大いに発展させる装置があるのだよ!」。
『メビウス』のメテオールはこういう経緯で開発されていったのかな?
進んだ科学技術を目の当たりにした所長の考えはウルトリアと地球人の関係、さらに突き詰めればウルトラマインドに関わるテーマにも繋げられそう。
リスと遊んでいたモンキは誤って物質電送機の中に入ってしまい、送り込まれてきたドストニー1号と原子レベルで融合してしまう。この展開は物質電送機と言えば多くの人が思い浮かべるであろう映画『ハエ男の恐怖』を下敷きにしたもの。
モンキ・ドストニーがモンキの影響でおとなしくなってしまった為、ヘラー軍団はモンキ・ドストニーを物質電送機で原子レベルで分解すると、今度はドストニー1号と2号を融合させてネオドストニーとする。
人間の技術では受信側を使って送信する事は不可能だが、作ったヘラー軍団は受信側でも送信する事が可能なようだ。
今回のマルメ隊員はいつにも増して言葉に配慮が無い。
怪獣になったモンキを見て「いい奴だった」と既に死んだ扱いにし、モンキがタイターン基地に回収されると「もう殺されているだろう」と話す等、ピグでなくとも怒る。
タイターン基地に回収されたモンキを可愛がるロイガー。意外と動物好き?
でも顔を引っかかれると激怒して地球侵略計画を無視してまでモンキを処分しようとするのは指揮官として問題。ロイガーがヘラー並みの慎重さと抜け目の無さを持っていたら地球侵略は達成されていたかも……?
で、モンキと一緒に物質電送機に迷い込んでいたリスはどうなったの?