帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「よみがえれムツミ」

「よみがえれムツミ ーメカ怪獣ゲドン登場ー
『ザ☆ウルトラマン』制作第46話
1980年2月27日放送(第46話)
脚本 吉川惣司
絵コンテ 横山裕一
演出 関田修

 

メカ怪獣ゲドン
身長 100m
体重 15万t
街中に突如現れて破壊活動を行ったヘラー軍団の新兵器。
ミサイルやレーザーと言った武器を駆使する。相手の攻撃を読んで回避できる。
遥か上空に待機しているヘラー軍団の宇宙船からコントロールを受けていたが、ムツミ隊員の助言をヒカリの機転を介して受け取ったジョーニアスに宇宙船を破壊され、コントロールを失ったところをウルトリアとジョーニアスの総攻撃を受けて倒された。

 

物語
ゲドンの猛攻でムツミ隊員が負傷する中、ヒカリはジョーニアスに変身して戦う。
しかし、事情を知らないマルメ隊員はヒカリが逃亡してムツミ隊員を危険に陥らせたと考えて非難する。

 

感想
サブタイトル上は次回から最終章だが、話のテーマ的には今回から最終章突入と言った感じになっている。

 

何度か触れられているヒカリのトレーニング。
「戦闘中はウルトラマンに変身している」「他の隊員と違って専門分野を持たない」と意外と活躍を描くのが難しいウルトラシリーズの主人公には必要な描写。

 

トベ隊員のちょっとした思いつきでジョーニアスへの通信装置が作られる。
ジョーニアスは普段はどこにいるのか、どうやって人々の危機を察知しているのかが気になり、今はジョーニアスからの一方的な関係を何とか双方向に出来ないかと言うのがトベ隊員とマルメ隊員の考え。
ウルトラマンの設定を考えれば、いずれ思いつく疑問なので、多くの作品がこの疑問をスルーしていたのが逆に疑問。

 

ゴンドウキャップにジョーニアスに頼っているようでは地球を守る資格が無いと怒られたマルメ隊員はヒカリに向かって肝心な時に逃げていると非難する。怒るヒカリだったが、トベ隊員も言葉ではなく行動で示せとマルメ隊員に同調する。
ジョーニアスが活躍してもヒカリ自身の苦労は報われないと言うのは「君がウルトラマンだ」でも語られた『ザ☆ウル』のメインテーマの一つ。
これは今までの作品では曖昧にされていた人間とウルトラマンの関係をヒカリとジョーニアスは明確にした事から浮かび上がった。上に挙げた、通信装置を作ってウルトラマンと特別チームの関係を双方向のものに変えようと言う意見が出てくる等、『ザ☆ウル』はこれまでの作品ではスルーされていた事を取り上げている。

 

ゲドンによって破壊される街。
『ザ☆ウル』は防衛隊員の犠牲者数も多いが街が破壊される回数もウルトラシリーズの中で抜きん出ていそうだ。
特にヘラー軍団が登場して敵が固定されてからは、従来のウルトラシリーズにあった怪獣や宇宙人の特性を見極める調査部分が省略され、いきなり敵が現れて破壊活動を行う展開が増え、それに伴って街の被害も加速度的に増えていった。

 

撃墜されたムツミ隊員は偶然にも遥か上空にあるヘラー軍団の宇宙船がゲドンを操縦している事を突き止めるが不時着の衝撃で命の危機に陥ってしまう。
そこにヒカリが来て看護にあたり、ゴンドウキャップはゲドンは自分達に任せてヒカリはムツミ隊員の傍にいろと命令するが、ウルトリアが撃墜されたのを見たヒカリはムツミ隊員の事を気にしつつもジョーニアスに変身してゲドンを一時撃退する。
しかし、その間にムツミ隊員の容体は悪化して遂に心臓停止に陥ってしまう。ゴンドウキャップの応急処置で一命は取り留めるも、ヒカリがその場にいなかった事を知ったマルメ隊員とトベ隊員は激怒。マルメ隊員はヒカリを殴り飛ばして「卑怯者ー! お前とはこれっきりだ!」と吐き捨てる。
全ての事情が分かっている視聴者からすればヒカリの方に感情移入してしまうのだが、それを除けばマルメ隊員の怒りはもっともなところ。(マルメ隊員はヒカリが嫌いと言うわけではなく、ヒカリが死亡した「これがウルトラの星だ!! 第1部」ではヒカリの為に怒っている)

 

盗まれた怪獣収容星 ー宇宙怪獣群登場(後編)ー」に続いてまたもや命の危機に陥るムツミ隊員。『ザ☆ウル』では他にも「これがウルトラの星だ!! 第1部」でヒカリが一時的に死亡しているが、そのどちらも地球人の技術では手の施しようが無く、U40の技術を借りるしかなかった。
しかし、今回はゴンドウキャップの処置でムツミ隊員は一命を取り留めている。あまり強調されていないので穿った見方かもしれないが、地球人とウルトラマンの関係を考える上で結構重要な場面かもしれない。

 

皆に非難されたヒカリは自分とジョーニアスの関係を明かせば全てが上手くいくはずだと訴えるが、ジョーニアスは今はまだその時ではないと断る。
一方、マルメ隊員はゴンドウキャップにヒカリの退任を求めるが、ゴンドウキャップは最高会議が決定する事と返す。
さらにマルメ隊員から最高会議ではなく自身の気持ちはどうかと詰め寄られたゴンドウキャップは「クビにするつもりだ。しかし、ヤツが特に役立つ働きをすればその限りではない」と司令室の外にいるヒカリが話を聞いているのを意識しつつ答える。
それを聞いたヒカリは自分に出来る事は何なのか考える。

 

ゲドンが再び現れ、意識を取り戻したムツミ隊員はモニター越しにゲドンを操縦しているヘラー軍団の宇宙船の存在をジョーニアスに教える。
ピグはモニター越しでは通じないと言うが、ジョーニアスはムツミ隊員の助言通りに遥か上空にあるヘラー軍団の宇宙船を破壊するのだった。
実はヒカリは冒頭でトベ隊員が作っていた通信機を改造して、ムツミ隊員の声がジョーニアスに届くようにしていたのだった。それを聞いたゴンドウキャップはマルメ隊員にヒカリを許す事を伝え、マルメ隊員は渋々了解する。

 

事件が解決し、ムツミ隊員とマルメ隊員はいつも通りトレーニングをしているヒカリを見る。
肝心な時にどうしていなくなるのかと言うマルメ隊員の疑問にムツミ隊員は「私、分かるような気がするわ。何か……、絶対言えない大切な事があるんだわ」と答える。
あまりに突飛な事なので今はまだ言えないと言葉を濁すムツミ隊員。
アミア登場以降は印象が薄くなって立場が不明瞭になった感があったが、今回の話でヒカリの秘密に気付き始めた地球人となってヒロインの立場を回復した。