「怪獣の種飛んだ」
『ウルトラマン80』制作第32話
1980年10月29日放送(第31話)
脚本 阿井文瓶
監督 外山徹
特撮監督 高野宏一
植物もどき怪獣ゾラ
身長 0~60m
体重 0~3万t
地球外から飛んで来たと思われるタンポポに似た種がマリコの花畑で急成長を遂げ、ライザーガンのエネルギーで怪獣となった。
植物に見えるが、動物と同じく酸素を吸収して炭酸ガスを吐き、自由に動き回れる。
毒花粉を吐き、蔦で獲物を捕らえる。意外と身軽で力持ち。
80にウルトラ念力で毒花粉をはね返され、ウルトラショットでツタを切断された後、サクシウム光線で倒された。
物語
猛が出会った女の子マリコの母親は病気で入院していた。
マリコは母親を元気付けようと花畑で花を育てるが、その中には怪獣の種が紛れ込んでいた。
感想
「あなたも綺麗な花を咲かせてね。お花好きなお母さん、綺麗なお花をたくさん見れば、それだけ早く病気が治るに決まっているわ」。
健気なマリコが可愛い話。
ところで昭和ウルトラシリーズは男の子はひねくれたり素直じゃない子が多くて、女の子は健気で素直な子が多い気がする。(因みに平成ウルトラシリーズはその逆になっている気がする)
マリコと会う時の猛は隊員服ではなく私服を着ている事が多かったので初期の学園編を思い出す。(ただし、猛とマリコの関係は「兄妹みたい」とされているが)
『80』の特徴の一つである喋りすぎるナレーションもこの頃になると慣れてきて逆に心地良くなってきた。人間の適応能力って凄いなぁ。
ゾラの花を早めに処分しようとする猛だがマリコに反対される。
その後、イトウチーフに花の処分を指示された時、今度は猛がそれに反対する。
確かに怪しい反応が出ているが、まだ人間に害を及ぼすかどうかは分からない。ひょっとしたら、今までに見た事も無い綺麗な花を咲かすかもしれない。
でも、現実はそんなに甘くはなく、結果としてゾラは怪獣となり、マリコもその被害者になってしまう。第2期ウルトラシリーズなら猛の責任がかなり追及されそう。
ゾラは結局は植物ではなかったが他の怪獣との差別化を図る為にも『ゴジラVSビオランテ』のビオランテ植物形態みたいに完全な植物怪獣にしても良かった気がする。
ゾラによってマリコの花畑が枯れてしまうが、80はメディカルパワーで、マリコに気付かれないように花を生き返らせる。
自分の想いが天に通じたと思うマリコ。心憎い展開だ。
「マリコの育てた花は見事に咲いた。マリコの願いが必ず母親の病気を治すだろう。猛はそう信じていた……」。
ユリちゃんの明日の天気予報。昼頃に熱帯性の低気圧が関東地方に接近、夜になると暴風雨になる。
今まで物語とあまり関係が無かったユリちゃんの天気予報だが今回は本当に暴風雨になった。