帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「永遠に輝け!! 宇宙Gメン85」

「永遠に輝け!! 宇宙Gメン85」
ウルトラマン80』制作第21話
1980年8月20日放送(第21話)
脚本 山浦弘靖
監督 湯浅憲明
特撮監督 佐川和夫

 

L85星人ザッカル
身長 2m~48m
体重 100kg~2万t
怪獣専門の捜査官・宇宙Gメンの1人で、20年前に妻と息子を殺したガモスを追って宇宙を旅していた。
テレパシーで相手の脳波を攻撃する他、木を使った剣術でも猛と互角の腕前を持つ。
あと2日で宇宙Gメンを退職しなければならない為、その前にガモスを倒そうと形振り構わない行動に出る。命を懸けた最後の手段として怪獣形態に巨大化してガモスと戦うが力及ばず返り討ちに遭った。80にガモスの弱点が高周波である事を教え、ガモスを倒した80に感謝の言葉を残して息絶えた。
全てが終わった後、80はザッカルを宇宙葬とした。
「ありがとう、ウルトラマン80……。本当にありがとう……。これで心安らかに妻や息子のところに逝ける……」。

 

残酷怪獣ガモス
身長 60m
体重 3万t
宇宙Gメンの指名手配犯ナンバー2の凶悪怪獣。
宇宙各地で破壊と殺戮の限りを行い、地球でも各地で破壊行為を行っていた。
地下を高速で移動し、口から溶解液を吐き、目から怪光線を撃ち、尻尾のトゲを飛ばして爆発させる。
妻と息子の復讐に燃えるザッカルを返り討ちにするが、弱点を教えられた80に高周波を浴びせられ、弱ったところをバックルビームを受けて消滅した。

 

物語
地球各地で街が一夜にして滅ぼされ住民の殆どが殺される事件が起きた。
調査を開始したUGMは不審な宇宙人を発見して追跡するが……。

 

感想
滅ぼされた街で傷付きながらも死んだ親を呼ぶ子供達がいきなり映し出されて驚いた。その後もガモスの溶解液から子供を守ろうとして一緒に溶かされてしまう母親等、今回は『レオ』を思い出させるような過激な描写がある。
と思ったら、ザッカルを演じていたのが『レオ』のブラック指令役の大林丈史さんだったりする。(怪獣形態に巨大化するザッカルの設定も『レオ』に近い)

 

UGMは今回の事件を宇宙人の仕業だと断定する。その根拠は「怪獣ならもっと無差別に破壊行為を行うはずだから」との事だが『80』であれ以上の無差別破壊は無い気がする……。まぁ、事件現場でザッカルが目撃されてしまったのが大きかったのかもしれない。

 

そのザッカルの写真を見て思わず「L85星人だ。彼らは友好的で平和を愛する高等生物です。無益な破壊や殺戮をするはずない!」と言ってしまう猛。
当然、イトウチーフになぜL85星人の事を知っているのかと突っ込まれてしまう。勘だと言い逃れする猛だが、それでイトウチーフが納得するとは思えない。ひょっとしたら、この辺りからイトウチーフも猛の正体を疑い始めたのかもしれない。

 

『80』では宇宙人の事を色々な名称で呼んでいる。
まず「宇宙人」や「異星人」、『セブン』でも少し使われた「インベーダー」や第2期ウルトラシリーズでよく使われた「星人」、そしてウルトラシリーズでは珍しい「エイリアン」と言う呼び名も『80』ではよく使われていた。

 

ザッカルはウルトラシリーズでは珍しく着ぐるみでありながらキチンと服も着ている。
ザッカルの目は役者の目をそのまま使っていて、重いドラマを背負ったザッカルの表情を見せるのに役立っていた。
ザッカルのデザインは『スター・ウォーズ』のチューバッカがモデルかな。ザッカルの宇宙船も海外作品に登場するようなデザインで良い。『80』の怪獣や宇宙人や宇宙船のデザインはそれまでのウルトラシリーズにとらわれない新しいものが多くあり、再評価すべき部分だと思う。

 

宇宙Gメン」とはアンドロメダ系の宇宙人が中心となって組織した宇宙の怪獣専門の捜査官の事。元ネタは『Gメン’75』であろう。
ザッカルは80の事を他のウルトラマンから聞いていたと語っている。宇宙警備隊にはアンドロメダ星雲支部があるので、そこに所属するウルトラマンから聞いたのかもしれない。(因みに宇宙警備隊アンドロメダ星雲支部の隊長が漫画『ザ・ウルトラマン』に登場するメロス)
又、『A』に「銀河連邦」と言う設定があったが宇宙Gメンもそこに所属している可能性がある。

 

ザッカルには変身能力が無い。
宇宙人と言えば、変身、テレパシー、テレポーテーションはお手の物と言ったウルトラシリーズでは珍しい設定。
猛は自分のように地球人に変身すれば攻撃を受けたり余計な誤解をされずに済んだのにとザッカルに語っている。さり気ない部分だが、猛はまだ地球人が自分達とは姿形が違う存在を忌み恐れている事を認識している。

 

ザッカルの左腕の傷はタジマ隊員によるもの。この傷のせいでガモスに負けてしまうのだが、後の猛やガモスとの戦いで見せたザッカルの身のこなしを見ると、動くザッカルに一撃で致命傷を与えたタジマ隊員の銃の腕前は凄い。

 

言ってはいけない事かもしれないが「星から来た少年」で見せたメディカルパワーでザッカルを救う事は出来なかったのだろうかとつい考えてしまう。

 

「お互い、宇宙のたくさんの子供や母親達の為に戦う仲間じゃないですか!」と猛が言ったようにウルトラマンである80と宇宙Gメンであるザッカルの任務は同じと言えよう。しかし、見る限り、ザッカルは宇宙Gメンとしての任務を果たそうと言うより妻や息子を殺したガモスへの復讐で行動していたように思える。
もし本当に宇宙のたくさんの子供や母親達の為に戦う気持ちがザッカルにあったのなら、最初に猛がガモスを倒せそうな時に邪魔はしないし、猛を気絶させて自分だけで戦おうともしないだろう。ガモスを倒す機会を逃してしまった為に、たくさんの子供や母親達が犠牲になってしまった。最終的にガモスが倒されてザッカルは満足したのだろうが、その間に犠牲になってしまった人々はどうなる? 復讐したい気持ちは分からないでもないが、復讐は失うものが多すぎる。

 

「今、任務を果たした宇宙Gメンは永遠に帰らぬ旅に旅立った。愛する家族の為に、そして宇宙の全ての子や母の為に戦った宇宙Gメン。その名は永遠に輝くだろう……」。

 

ノンちゃんのそっくりさんである小坂ユリ子が登場。
当時、小坂ユリ子役の白坂紀子さんはTBSの番組『夕やけロンちゃん』に「ノンちゃん」と言うニックネームで出演していたとの事。この番組では『ファイト』の再放送が行われていて、白坂紀子さんの『80』出演もこの番組に出演していたかららしい。
『80』の中で桜ヶ岡中学校の設定が登場したのは今回のノンちゃん関係が最後。
懐かしさのせいか、猛は初対面なのに「ユリちゃん」と呼んでいる。

 

ユリちゃんの今日の天気予報。曇りのち晴れ。