「大変！ ママが来た！」
『ウルトラマンオーブ』第11話
2016年9月17日放送（第11話）
脚本 黒沢久子
監督 田口清隆
大魔王獣マガオロチ
身長 70m
体重 8万t
タマユラ姫が告げる「大きな災い」で、いかなる星をも食い尽くす大魔王獣。
「闇・光・風・土・水・火」の6枚の魔王獣の怪獣カードによって入らずの森に封印されていた卵が地上に現れ、さらにベリアルのウルトラフュージョンカードによって卵を封印していたゾフィーのウルトラフュージョンカードが破られた事で復活を果たした。
マガ迅雷で街を破壊し、圧倒的なパワーとスピードと攻撃が全く通じない強靱な体でオーブを倒した。
物語
ナオミは上京してきた母親にガイを自分の婚約者の弁護士だと紹介する。
一方、生きていたジャグラーは手に入れた魔王獣とベリアルのカードを使って魔王獣の頂点に立つ存在マガオロチを復活させる。
感想
インパクトのあるサブタイトル。
この「ママが来た」はナオミの母親の事を指しているのだが、後にマガタノオロチの母親であるマガオロチの事も指していた事が分かる。最後の話まで見たら分かるダブルミーニングが見事！
魔王獣の頂点に立つ存在マガオロチの復活と言うシリアス部分と皆を振り回すナオミ母と言うコミカル部分が同時進行する話。
ナオミの母親の話は最終的にナターシャの話に辿り着くので、実は今回の話はナターシャのその後と言うガイのメインストーリーと最強の魔王獣復活と言うジャグラーのメインストーリーが同時進行している話であった。
ガイはジャグラーが復活させた魔王獣を倒す事でマガオロチの復活を阻止出来たと考えていたのだが、ジャグラーはガイに倒させた魔王獣をダークリングを使って怪獣カードにする事でマガオロチ復活を成功させる。
目に見える事しか見ていないガイの性格を読んで、表向きは魔王獣を倒されたように見せて裏では魔王獣の力を宿した怪獣カードを作ってマガオロチ復活の準備を整えたジャグラー。さすがである。
レストランで事あるごとに会話を邪魔されてしまうガイとジャグラー。
二人の雰囲気が段々と『オリジンサーガ』の頃に戻っていくのが面白い。
巨大タマユラ姫のインパクトが凄い。
初登場時の「入らずの森」では人間大だったので今回も人間大のままガイの前に現れても良かった気がするのだが、より多くの人に危険を知らせる為に巨大化実体化したのかもしれない。
尚、『オリジンサーガ』では惑星カノンの女王アマテが巨大な戦神に変身している。
シンが調べた文献によると、タマユラ姫は古代の霊能力者で大蛇（オロチ）にさらわれてしまったが、一人の勇者が大蛇を封印してタマユラ姫を救い、タマユラ姫は大蛇が復活しないように勇者の力を借りて結界を張って入らずの森を守り続けた、との事。
この「勇者」とはゾフィーの事。ゾフィーは地球に常駐した事が無いので地球でのエピソードが語られるのは非常に珍しい。
ナオミの母はナオミの「Something Search People」を変な英語と言って、英語を使うなら正しく使いなさいと「Researcher of something」と告げる。
まぁ、ウルトラシリーズの特別チームの英語は昔から変な英語だったからねぇ……。
怪獣が出現する東京に一人でいてほしくないのと言う母親に向かって 「一人じゃないもん。仲間と一緒だから」と答えるナオミ。しかし、ジェッタとシンを見た母親に「この男の子達があなたを守ってくれるって言うの？」と聞かれたら「お、おじさんもいるし！」と渋川さんを加えてしまう。ここで「守ってくれる」とナオミに断言してもらえなかったジェッタとシンがちょっと可哀相。でも、この後のマガオロチ戦でも二人は役に立っていなかったしな……。
ジャグラーの放ったエネルギー弾を生身で受け止めて投げ返すガイ。前回の「ジャグラー死す！」に続いて生身での超人バトルが見られる。
ベリアルのウルトラフュージョンカードでゾフィーのウルトラフュージョンカードが破られてしまう。本物もカードも昔からゾフィーはベリアルにやられてばかりである……。
マガオロチはオーブを全く寄せ付けず完勝してしまう。
TVシリーズ中盤でウルトラマンが完敗してしまうケースは昔からあるが今回のマガオロチのように真正面から圧倒的な力の差でねじ伏せるのは意外と少ない。
今回の隠されたサブタイトルは『初代マン』の「悪魔はふたたび」。こちらも古代に封印された怪獣が現代に復活する話である。
