帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「忘れられない場所」

「忘れられない場所」
ウルトラマンオーブ』第16話
2016年10月22日放送(第16話)
脚本 三浦有為子
監督 市野龍一

 

合体魔王獣ゼッパンドン
身長 60m
体重 4万5千t
ジャグラーゼットンパンドンの怪獣カードをダークリングでリードし、それらの力をマガオロチの尻尾に送り込んだ事で生まれた魔王獣。
ゼッパンドン撃炎弾で攻撃、ゼッパンドンシールドで防御、瞬間移動で敵を翻弄する。
インナースペースでジャグラーが操っていて、オーブを挑発して敗退させる。

 

物語
日本では人間にも危害を加えたオーブに対する批判が高まっていた。
一方、ガイは100年前にナターシャを失ったルサールカの地にいた。

 

感想
今から約100年前に起きたルサールカ大爆発。ジェッタとシンはこの爆発は今の日本と同じようにウルトラマンと怪獣が戦った結果ではないかと推理する。
このルサールカ大爆発は1908年に起きた「ツングースカ大爆発」がモデルになっている。因みにこちらの原因は隕石の落下となっている。

 

今回の話でルサールカがナオミの母方の祖先の故郷である事が判明。SSPのオフィスに置いてあるマトリョーシカはおばあちゃんの幸運のお守りで、このお守りのおかげでおばあちゃんは動乱の時代を生き抜き、日本で幸せな余生を過ごしたとの事。
これまでナオミとナターシャは日本とロシアと言う場所の違いが一つの疑問になっていたが、今回の話で遂に二人の間に繋がる糸が見えるようになった。

 

前回の「ネバー・セイ・ネバー」でビートル隊の隊員や一般人であるナオミまで命の危険にさらしたオーブに対して世間の批判は高まっていて、渋川さんが言うにはオーブを擁護する発言をすると身の危険がある状況との事。
どこの世界も一番怖いのは怪獣でも宇宙人でもなくて自分の周りにいる自分と同じ「人間」と言う存在なのかもしれない。

 

ナオミの実家やナオミが入院している病院にもマスコミが押しかけ、ナオミやその関係者からオーブを批判するコメントを引き出そうとしていた。ジェッタとシンはそう言う状況を把握していなかったので、どうやらSSPの所にはマスコミはやって来なかったようだ。良かったと言えるが、情報を発信する存在なのにこの認知度の低さはちょっと悲しい……。
因みに病院の前からレポートをしている人物はフリーアナウンサー山中秀樹さん。さすが本職だけあって違和感が全く無かった。

 

SSPのジェッタや渋川さんのビートル隊もオーブに対して複雑な気持ちを見せる中、ナオミの母は毅然とオーブを擁護する。一方で全員がガイに気を使う中、ナオミの母だけははっきりとガイの行動を批判している。オーブとガイは同一人物なのだが周りの人間はそれを知らないので変身後のオーブと変身前のガイの評価が違ってしまうと言うのは変身ものならではの展開。

 

暴走する正義」と「ネバー・セイ・ネバー」でナオミがギャラクトロンに乗っ取られたのはガイが再び大切な人を失いそうになると言う展開の為であるが、それに加えて今回の話ではギャラクトロンに乗っ取られたナオミとサンダーブレスターの力に乗っ取られたガイを重ね合わせ、被害者であるナオミが加害者であるオーブ(ガイ)の心情を理解する事が出来ると言う展開に繋げている。

 

今回の隠されたサブタイトルは『セブン』の「あなたはだぁれ?」。
今回の話ではないが、以前にナオミは「ガイだと思ったらジャグラーだった」と言う相手が入れ替わる夢を見ている。このガイとジャグラーが入れ替わる夢はナターシャを巡る最後の謎に繋がっていく。

 

100年前のガイとナターシャの話は『ネクサス』の姫矢とセラの話を思い出すが、姫矢が自分の罪を償う為にウルトラマンの力を使って戦っていたのに対し、ガイはウルトラマンの力を使って戦った結果が自分の罪となっている。

 

ガイとジャグラーの超人バトル。
ガイがウルトラマンに変身しない状態でエネルギー弾を発したのに驚いた。
このガイとジャグラーの戦いは魔人態に変身しているジャグラーに対してガイはオーブに変身していなかったので最終的に敗れてしまった。そう言えば殆どのウルトラマンは人間大でも活躍出来るのだがオーブも人間大で戦えるのかな?

 

ゼッパンドンはマガオロチの尻尾をコアにゼットンパンドンの力を合わせて誕生しているので、オーブをコアに二人のウルトラマンの力を合わせているフュージョンアップと同じ状態、つまり、魔王獣版のフュージョンアップと言える。その為か、オーブのインナースペースにガイがいるようにゼッパンドンのインナースペースにジャグラーがいる。
この「2体の怪獣を合体させる」と言うのは次作『ジード』に登場するベリアル融合獣に引き継がれている。

 

ゼッパンドンゼットンパンドンを合体させた怪獣であるが、「史上最大の侵略 前編」に登場したパンドンがあまり能力を披露しなかった為か全体的にゼットンを連想させる能力が多かった。

 

ジャグラーが操っているのでゼッパンドンは人間らしい仕草が多かった。この辺りはギンガシリーズのライブされた怪獣達を思い出す。

 

ゼッパンドンに敗れたガイの前にナターシャ(ナオミ)の幻が現れて真っ白なカードを渡す。
一方、ジャグラーは本物のナオミがいる日本の病院に姿を現す。

 

ナオミが入院している病院に現れたジャグラーは白衣を着て警備員を倒しながらナオミの病室に近付いていった。前回の「ネバー・セイ・ネバー」でガイが高速移動でナオミの病室に入ったのだからジャグラーも同じ事が出来ると思うのだが……。

 

いつもはガイが吹くオーブニカの音を耳障りだと言っていたジャグラーだが、ナオミの病室に向かう時に同じ曲を口ずさんでいた。自分で吹くのは平気なのかな?
因みにガイはこの曲を「俺の故郷の曲」と言っていたが、『ウルトラマンオーブ完全超全集』に収録されている「ウルトラマンオーブクロニクル〈年代記〉」の「エピソード2-4 「風の星の用心棒」ではO-50に住むマシュー爺さんがオーブニカの吹き方を教えたとなっている。(吹き方は教えたがこの曲を教えたかどうかまでは不明)

 

 

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