「森の守護神 ー守護獣ガゼボ登場ー」
『ウルトラマンG』第7話
1991年1月24日発売(第3巻)
脚本 テリー・ラーセン(原案 宮沢秀則)
監督 アンドリュー・プラウズ
特殊技術 ポール・ニコラ
守護獣ガゼボ
身長 63m
体重 8万6千t
200年前に保護登録されている人間は入ってはならない神の領域に棲んでいて侵入した人間に敵意を表す。チャールズによると爬虫類ではなく哺乳類に近いクロコフトロンの原型、すなわちカンガルーの先祖との事。
金属類を集める習性がある。ある神経を麻痺させる毒キノコの胞子を嫌う。
ジェニーの「殺さないで!」と言う願いを聞いたグレートによって地中に封印される。
ナレーションを聞くと元々は地中で眠っていたようだ。
物語
保護登録地域で住民の反対を押し切って道路建設が行われる。
UMAはガゼボが現れた森に取り残された少女ジェニーを救おうとするが……。
感想
原題は「the forest guardian」。
日本語タイトルと同じく「森の守護神」となる。
『G』は環境問題を取り上げた作品だが、ゴーデス編ではゴーデスと言う絶対悪がいるのであまり深く掘り下げられなかった。(例えば「魅入られた少年」や「悪夢との決着」はいつの間にか人間の心の話にすり替わっていた)
今回の話以降のバラエティ編ではゴーデスではなく人間の自然破壊が様々な怪獣を出現させる展開となり、環境問題について深く掘り下げられる事となる。
住民の反対を押し切って進められる道路建設。
「建設工事自体は取り締まれない」と言う警官に対して、「それなら騒音として取り締まれ」と言うシンプソン夫人。
ここまで住民が強く言えるのはさすが海外作品?
ガゼボの出現に皆逃げるが、どうしてジェニーだけ皆と違う山奥の方へ逃げたのだろう?
原住民と思しき少年が置いた果実を辺りを気にしながら食べるジェニーがかわいい。
カメラでガゼボの姿を確認したジーンは「ゴーデス?」と呟く。細かいが今までの話を無視していなくて良かった。
野戦装備でジェニー探索に向かうロイド副隊長とキム。2人とも似合っているが、ガゼボも嫌うキノコの胞子であっという間に装備が溶けてしまう。
キムはそのキノコを使ってキノコ爆弾を作るが、ロイド副隊長はすっかりなげやりになってしまう。「デガンジャの風」もだったが、ロイド副隊長は結構すぐやさぐれる。
チャールズはロイド副隊長とキムと連絡が取れない事を心配し、アーサー隊長に「何も食べていないのか?」と聞かれる。
ジーンがゴーデス細胞に感染した時も何か食べていたチャールズが何も食べていないと確かに不安になる。
現場の担当者サイクス警部はUMAのやり方に疑問を抱くと手柄を得ようと自ら動き出し、ブリューワー将軍と違ってUMA上層部に働きかけて正式な許可を得てARMYに攻撃させる。
チャールズは「アンタ、子供殺して勲章貰うの?」と非難するが、サイクス警部は「娘さんの仇をとるんだ」と言ってジェニーを殺したのは自分ではなくガゼボだと主張する。
しかし、チャールズは諦めず、サイクス警部が現場に着いたらARMYが攻撃を開始する事を聞き、自分がハマーで現場に送ると名乗り出ると遠回りして到着を遅らせた上にメチャクチャな操縦でサイクス警部を思いっきり酔わせる。
一方、ジャックとジーンがロイド副隊長とキムに合流し、さらにジェニーも見付かり、皆は原住民の少年の案内で森から脱出する事に。ガゼボが金属を集める習性を利用してデルタ・プラズマーを持ったジャックが囮になる。
グレートとガゼボの戦いはオーストラリアならではの原生林が舞台。
「凍てついた龍」ではギガザウルスを倒したグレートだったが今回はガゼボを殺さないようにする。ギガザウルスはゴーデス細胞に感染していたので感染を広げない為にも処分するしかなかったが、今はゴーデスと言う絶対悪がいなくなったのでグレートも相手を倒す・消滅させる以外の選択が出来るようになった。
地中に封印されたガゼボを見てジェニーは死んでしまったのかと心配するがUMAは眠っただけでいつかまた現れると答える。
続いて原住民達の事を尋ねるジェニーにジャックは「これからも森で生きていくだろう。誰にも知られる事無く……」と告げる。
あの果実を置いてくれた少年がジェニーとUMAを見送る。
そして、ガゼボがまだ死んでいない為、危険なので建設工事は中止される事になった。
「文明を離れて暮らす人々とその守り神の聖域に静寂と平和が戻ってきたのである」。
今までの話と違って今回はジャックと他の隊員の対立が無かった。
前回の「悪夢との決着」でのゴーデスとの戦い、正確にはARMYのブリューワー将軍の襲来がUMAの結束を固めたようだ。
今回の話からナレーションが藤岡弘、さんから内海賢二さんに代わっている。