帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「蘇る地球 HEART南へ!」

「蘇る地球 HEART南へ! -怪獣ラフレシオン登場-
ウルトラマンネオス』第8話
2001年3月7日発売(第8巻)
脚本 武上純希
監督 小原直樹

 

幻聖魔獣ラフレシオン
身長 66m
体重 7万4千t
宇佐美教授の著書「蘇る地球」に登場する聖なる獣。
300万年ごとに生まれ変わって地球環境を浄化すると言う宇佐美教授の夢を象徴化した架空の怪獣と思われたが実際に九州に出現して光る粒子で赤潮を消して枯れた植物を元に戻した。
宇佐美教授が死んだ日の朝、海岸にいたところを宇佐美教授の娘のミサキが拾って育てていた。
光の粒子に含まれている物質の再生能力は植物にのみ有効で動物には致命的で、8ヶ月後には地球は動物の住めない星になる。
口から火を吐く。光の粒子でネオスを苦しめるが、ミサキに弱点が角である事を明かされると、角を折られて最後はウルトラ・ライト・ソードで叩き切られた。

 

物語
九州に向かうフェリーの中でアユミ隊員は地球の危機を訴える謎の少女と出会う。
少女が宇佐美教授の娘ミサキだと知ったアユミ隊員の前に死んだはずの宇佐美教授が現れる。

 

感想
アユミ隊員主役回なのだが、宇佐美教授父娘とラフレシオンの話がメインになっているので、アユミ隊員の宇佐美教授の最後の教え子や両親が死んでいたと言う設定もミサキやラフレシオンの話を進める為に使われていたところがある。

 

宇佐美教授はダークマターの脅威を世界に先駆けて予測した天文物理学者で地球環境にも造詣が深いと言う『ネオス』でもかなり重要な人物。
既に死亡しているので今回のみの登場となっているが、存命だったらダークマターやザム星人の謎解きに大きく関わった可能性がある。

 

フェリーでいきなり地球の危機を訴えるミサキ。
ミサキは「海は赤い血潮を流している」と訴えるが、アユミ隊員は「赤潮プランクトンの死骸」と説明する。
ミサキとアユミ隊員は同じ宇佐美教授からラフレシオンの話を聞きながら捉え方が全く違うのが面白い。

 

父との思い出を語るミサキだが、その思い出の地は枯れた植物で覆われてブランコも壊れていた。
思い出すら台無しにする自然破壊に対して動き出したラフレシオンをミサキは父から自分に託された聖なる獣だと思い込み、ミサキの思いに応えるかのようにラフレシオンは枯れた植物を元に戻していく。
喜ぶミサキだったが、壊れた父との思い出のブランコまでは元に戻っていなかった事には気付いていなかったようだ。

 

ラフレシオンが発する光の粒子が植物にのみ有効で動物には致命的だと判明した時、ミサキは「地球が蘇るのなら動物が滅んでも良い」と言うが、アユミ隊員は「本当に平気?」と問う。
その後、海底洞窟でラフレシオンが暴れた時、アユミ隊員が落盤からミサキを守り、ミサキはそんなアユミ隊員を連れて逃げる。何だかんだ言っても目の前で困った人がいれば助けてしまうのが人間。

 

ラフレシオンは最初に現れた時にミサキの願いに頷くところが可愛かった。
しかし、暴れ出した自分に向かってミサキが「お前はラフレシオンじゃない!」と叫んだ時のラフレシオンは邪悪さ満点。
目を変え、映し方を変えるだけでここまで表情が変わるものかと驚く。

 

ラフレシオン出現にミサキが絡んでいたので、今回のセブン21が宇佐美教授の姿でアユミ隊員にミサキの事を頼んだのは納得。
劇中で明言はされていないが、ラフレシオンはミサキの心が大きく作用して現在の姿になったようだ。
ダークマターが人間の心に影響を受けるのなら、人間の心がダークマターを克服する鍵になる可能性がある。セブン21はそこまで考えていたのかもしれない。

 

ラフレシオンを通して父と繋がっていたかったが、それは違うと気付いたミサキ。
アユミ隊員はかつて宇佐美教授に言われた「もう頼るべきものは誰もいない。でも、君が自分の力で立ち歩き出せば手を貸してくれる人はきっと出てくる」と言う言葉をミサキに送る。
今回の話で最も大事な台詞なのだが、それを言うアユミ隊員自身に自分の力で歩き出した場面や誰かが手を貸してくれた場面が無かったのが残念。
冒頭でアユミ隊員が何かの会議に出席していたようなのでそこで何か意見を発表したり、ラフレシオンの出現時にHEARTを離れてミサキに会いに行っているアユミ隊員を他のHEART隊員がフォローしたりすると言った場面が欲しかった。

 

ラフレシオンとの戦いでは今回のみの登場となったウルトラ・ライト・ソードが格好良かった。

 

ラフレシオンを倒されたミサキだったが「父は自分の心の中にいる。自分も父のような仕事が出来るように頑張る」と語り、それを聞いたアユミ隊員は「自分もこの星をもう一度きれいにする」と答え、最後にミナト隊長が「自ら汚した星は自らの手で清めなければならない。人類は決して地球を破滅に導く怪獣ではないと言えるよう頑張らなければならない」と言って締める。
地球人の決意を聞いていたカグラはミサキと宇佐美教授の思い出のブランコの横でセブン21が宇佐美教授の姿で立っていたのを見る。
出来れば壊れたブランコを直してほしかったなと思ったが、さすがにそれはちょっとやりすぎかな。

 

ミサキは「人類は300万年前のダークマターによって生まれた怪獣で地球を喰い尽くそうとしている」と訴えた。
300万年前にも地球はダークマターに覆われてサゾラやノゼラと言った怪獣が誕生し、同じくダークマターによって生まれた人類は現在では地球の生態系の一部として確固たる位置を築いている。そして前回の「生態系の王」でダークマター生命体によって荒神島に新たな生態系が生まれた。
これらの要素を合わせると、ダークマターとは星の生命の進化を促す物質で、ダークマターに覆われている期間はその星の生命にとって大変革の期間となると考えられる。前回の大変革期間では最終的に人類が地球の生態系の頂点に達したが今回は一体どうなるのであろうか……?
ダークマターの設定は単なる怪獣出現を理由づける方便かと思っていたが、そこから生命の誕生や進化へと話が広がり、『平成セブン』のような星の覇権を巡る話へと発展していった。

 

今回のエンディングはカグラが大声でプロジェクト・ルームに入ってくるとウエマツ副隊長とヒノ隊員が揃って「シー」と注意し、カグラは何故か不機嫌なフジワラ秘書官を見付けて……と言う内容。
そう言えば今回の話でカグラは一言も喋っていない。スケジュールの問題かとも考えたが他の隊員と一緒にいる場面が結構あるので違うかな? 特に今回は「主人公が一言も喋らない異色話」としなければいけないような内容ではなかったと思うのだが……?

 

 

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