帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「星の復讐者」

「星の復讐者」
ウルトラマンタイガ』第3話
2019年7月20日放送(第3話)
脚本 林壮太郞
監督 市野龍一
特技監督 神谷誠

 

シヴィルジャッジメンターギャラクトロンMK2
身長 61m
体重 6万7千t
トレギアが不慮の死を遂げた宇宙飛行士・九条レントの憎しみを利用して生み出した。レントが持つ光線銃で召喚される。
レントが妻のナナの魂と再会して成仏した後も憎しみの力で動き続けたがタイタスがジードレットの力で発射したレッキングバスターを受けて倒された。
倒されるとギャラクトロンリングとなった。

 

物語
新進気鋭のベンチャー企業の社長である今里の警護をする事になったE.G.I.S.
今里が誕生日に打ち上げたロケットが原因で自分は死んだと訴える宇宙飛行士が復讐に来ると言う話だが……。

 

感想
デブリの事を知らなかったヒロユキ。
この時点ではヒロユキはまだ宇宙にあまり興味や関心を抱いていなかったがタイガ達と一緒になった事で視点を広げていく事になる。

 

後に明らかになるがE.G.I.S.はヒロユキは宇宙人と一心同体になっていてホマレは宇宙人でピリカは宇宙人に作られたアンドロイドでカナは宇宙人関係の仕事をしていたとメンバー全員が宇宙と深く関わっていた。

 

復讐者が命を落とした原因を作った人物の警護をする事にヒロユキは疑問を抱くがE.G.I.S.と言う会社は契約してお金を貰った以上は相手に問題があっても警護しなければいけない。
ヴィラン・ギルドが経済活動をしていたりと『タイガ』は他の作品に比べて「現代社会は経済が重視されている」と言う描写が見られる。

 

今回のトレギアはウルトラマンでありながら人間同士の争いに介入している。実際に犠牲者を出した今里に問題があったのは確かなのだが今回のトレギアの行動を突き詰めると「過ちを犯した人間をウルトラマンに殺してもらう」と言うところに行き着いてしまうので、トレギアはウルトラマンとして一線を越えたと言えるかもしれない。
ただ、問題なのは「命を落とした人間を復活させて復讐をさせる」と言うのは実は他のウルトラマンもやっている事だったりする。例えば怪獣や宇宙人が原因で命を落とした人間がウルトラマンと一体化した後にその怪獣や宇宙人を倒すのと今回のレントがトレギアの力を借りて社長に復讐するのとでは何が違うのかとなったら「相手が人間か人間ではないか」になってしまい「怪獣や宇宙人が相手だと復讐しても大丈夫だが人間が相手だと復讐してはいけない」と言う話になってしまう。(こう言う問題が起きないようにする為か歴代の主人公達は自分が命を落とす原因となった怪獣を倒す事より人々を守る事を優先するようになっているが)

 

自分の大切な存在を失ったヒロユキとレントはどちらもウルトラマンと関わる事になるのだが、タイガと出会ったヒロユキは復讐を否定してトレギアと出会ったレントは復讐を実行しようとした。ここで興味深いのは「タイガは復讐を否定してトレギアは復讐を肯定する」ではなくて「タイガもトレギアも復讐を肯定する」で「復讐を否定するのはタイガではなくてヒロユキ」だった事。
トレギアの目的の一つに「ウルトラマンと言う存在の否定」がある。もし今回の話でタイガがレントの復讐に同意して今里の殺害に関与していたらタイガはウルトラマンではなくなっていただろう。結果的にタイガはトレギアに殺されたと思っていたタイタスとフーマと再会できたので復讐に拘らなくなるが、今回の話の前半ではまだタイタスやフーマの生存を知らないので、もしヒロユキがいなかったらタイガはレントの復讐に協力して今里の命を奪っていた可能性があった。
そう考えると今回は「ヒロユキはタイガの過ちや暴走を止める存在になり得る」と言う話だった事が分かる。タイガの闇堕ちを企むトレギアにとって実は最大の障害はヒロユキだったのだ。

 

霧崎が映画館で事件の行く末を見ていたのが『ジェネクロ』の「ブースカ劇場」ぽい感じだった。ひょっとしたら『ジェネクロ』に登場した時に「これは良いな」と思って自分専用の劇場を用意したのかもしれない。

 

霧崎は人間を軽視しているのだが、その割には人間の生活を満喫しているようで、今回は映画館にはつきもののポップコーンを食べていた。

 

『タイガ』の初期3話は久し振りに特技監督が用意されたからか街のミニチュアのレベルが高かった。

 

最終的にレントの復讐はナナの魂と再会できた事で止められるのだが、これは「ウルトラマン」と言うフィクションだから出来る救済だよね……。

 

フーマ「生まれた星は違っていても!」、
タイタス「共に進む場所は一つ!」、
タイガ「我ら!」、
「「「トライスクワッド!」」」。
この台詞は『三国志演義』に登場する「桃園の誓い」が元ネタらしい。
この言葉は光の国、U40、O-50と出身地が違うトライスクワッドを示しているのだが宇宙人が多く住む『タイガ』の地球を表す言葉にもなってくる。

 

タイタスさんはマッチョなデザインが特徴的だしマッスルポーズを決めると言う登場シーンもインパクト大だし「賢者の拳は全てを砕く!」と言う台詞はツッコミどころありすぎるしと色々な意味で凄すぎるキャラクターであった。まさかウルトラマンでここまで濃いキャラクターが誕生するとは思わなかった。
因みに今回の話のタイタスは「賢者」と言う肩書きに相応しく冷静沈着に事態を解決しているのだがマッスルで面白い絵になっている。

 

トレギアの挑発に対して「相手をしている暇は無い」で切って、人工衛星の問題を解決したら「暇が出来た」と戦いを始めるタイタスが格好良い。
トレギアが最後に出てきたのは挑発してタイタスの行動を「人工衛星の落下から人々を守る」から「かつて負けた相手に復讐する」に変える事でタイタスからウルトラマンの資格を失わせる事が目的だったと思われるが、力の賢者はそんな挑発には乗らなかった。

 

今里は今までお金でマウントを取って何とかしてきたのだろうけれど、ロケットの件がマスコミにバレて追求を受け始めているし、E.G.I.S.のようにお金を一度受け取ったが返してくるところも出てくるだろうし、ホマレのようにブチ切れる人も出てくるだろうしとおそらく先は無いだろうなと言う描写であった。
ただ、レントとナナの魂を神妙な顔で見ていたので最後に提案したレント達の慰霊碑を乗せたロケットを打ち上げると言う話も彼としては償いの気持ちから出たものだったのかもしれない。

 

タイガが言う「俺のばあちゃん」はもちろんウルトラの母の事。
ウルトラの母も遂におばあちゃんか……。

 

 

 

 


【監督コメント付】『ウルトラマンタイガ』次回予告 第3話「星の復讐者」 "ULTRAMAN TAIGA" episode 3 Preview + Director interview !!

 

 

「タイタスの帰還」
『トライスクワッド ボイスドラマ』第3回
演出 足木淳一郎

 

ボイスドラマだと人物が立っているのか座っているのかよく分からないがタイタスさんだと「筋トレをしている」と言うのがすぐに分かる。さすがは力の賢者w

 

話題に出てくるトライスクワッド結成の話は『ウルトラヒーローズEXPO THE LIVE ウルトラマンタイガ』で描かれている。


【ウルトラマンタイガ】『トライスクワッド ボイスドラマ』第3回「タイタスの帰還」-公式配信- "Tri-Squad Voice Drama" episode3

 

 

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ウルトラマンタイガ ウルトラヒーローシリーズ 66 ウルトラマンタイタス