帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「新たなる光(後編)」

「新たなる光(後編) ーネオダランビア グラレーン登場ー
ウルトラマンダイナ』第2話
1997年9月13日放送(第2話)
脚本 長谷川圭一
監督 小中和哉
特技監督 大岡新一

 

宇宙球体スフィア
全長 計測不能
体重 計測不能
人類の進歩を快く思っていない謎の生命体。
明確な意思を持って月や火星基地と言ったネオフロンティアの象徴と言える施設を次々と襲撃していった。
スーパーGUTSを火星軌道上に誘き出した隙にグラレーンを使ってTPC基地を襲撃するがダイナ・フラッシュタイプのビームスライサーで倒され、残りも自分達の敗北を知って宇宙の彼方に消えていった。
名前の由来は「スフィア(球体)」かな。

 

合成獣オダランビア
身長 65m
体重 6万5千t
角から光線を発し、伸ばした右手でダイナを捕らえて電流を発する。
亜空間バリアーを展開していたがダイナ・フラッシュタイプのビームスライサーとフラッシュサイクラーの連続攻撃で破壊され、そのままソルジェント光線で倒された。

 

溶岩合成獣グラレーン
身長 58m
体重 5万4千t
地球に飛来したスフィアが地球のマグマや溶岩と融合して誕生した。
スフィアがスーパーGUTSを火星軌道上に誘き出した隙にTPC基地を襲撃した。
口から火炎を吐く。体温が異常に高くて冷凍弾で凍らされてもすぐに活動再開できる。
ダイナ・ミラクルタイプのウルトラサイキックで空中に持ち上げられ、火炎をレボリウムウェーブ・リバースバージョンで撃ち返されて倒された。

 

物語
ウルトラマンになったアスカはその事実に戸惑う。
一方、地球攻撃の手を緩めないスフィアはTPC基地を襲撃。
アスカはウルトラマンとして皆を守る決意をする。

 

感想
新たなる光(前編)」の続き。

 

オダランビアとの戦いを終えたアスカがダイナから元の姿に戻ると足下にリーフラッシャーが落ちていた。
前のウルトラマンであるティガは人間を導く最も純粋で崇高な光であったと言うスーパーGUTSの説明を聞いたアスカは「自分はそんな大層なモンじゃない」「自分は人類の救世主になったつもりもなるつもりもない」と呟く。
ティガに関するGUTSの資料にダイゴの事が載っていなかったようなので、ウルトラマンティガがダイゴと言う人間だった事はトップシークレットとして一部の人間にしか知らされていないと考えられる。そんな状況でいきなり自分がウルトラマンになって、ティガのように人類の為に戦う事になるなんて普通は考えられないだろう。アスカが戸惑うのも無理は無い。

 

新しいウルトラマンの名前を強そうでカワイイから「ダイナ」にしたマイ。これが正式に採用される事になるがTPC広報部はマスコミに向けて「ダイナミックなのでダイナです」と説明したのだろうか。記者にツッコまれそうだ。
まぁ、ナカジマの案が「ウルトラマンジャイアン」で、カリヤの案が「ウルトラマンスーパーデラックス」だったので、これらに比べたら「ダイナ」の方が良いかも。因みにナカジマとカリヤが挙げた名前は藤子不二雄作品が元ネタらしい。
そう言えば、ゴンドウ参謀とかは名前を考えなかったのかな?

 

ヒビキ隊長に怒られたアスカが丘の上の木の下で考え込んでいるとリョウがやって来る。
アスカは自分の弱いところを隠そうと学生時代の自分は球が速くて敬遠を一度もした事が無いエースピッチャーだったと自慢するが、リョウに試合では一度も勝てなかった事を見抜かれてしまう。
野球は一人きりの力だけじゃ絶対に勝てないと語るリョウ。
アスカが自慢した球が速いも敬遠をした事が無いも言ってみればピッチャー一人の自己満足。おそらくアスカは三振ばかりを狙っていたピッチャーだったのだろう。しかし、球が遅くて三振が取れなくてもバックを信頼して打たせて捕るピッチャーもいる。打たせないように一人で頑張るピッチャーと打たれてもバックを信頼して大丈夫なピッチャー。どちらの勝率が高いかは明白である。

 

自分がスフィアを食い止めている間にリョウを地球に行かせようとするアスカ。
アスカ「君を信じて……戦うんだ!」、
リョウ「分かったわ。私もアンタの言葉、信じたからね」。
リョウの「信じたからね」と言う言葉を聞いたアスカはかなり嬉しそう。
これまでのアスカが周りを信頼せず戦ってきたと言うなら、それは逆にアスカも周りに信頼される事が無かったとも言える。しかし、今回の戦いでアスカは初めて他人を信頼し、また初めて他人に信頼されるのだった。

 

第1話のアスカはスフィアとの戦いでかなり無鉄砲なところを見せている。それはアスカが自分の能力を周りに誇示する為に戦っていたからで、スフィアの火星基地襲撃に浮かれたのも自分の活躍を見せられると思ったからである。
しかし、それが原因でアスカはコウダを危険な目に遭わせてしまう。
ヒビキ隊長に「何の為に戦っているんだ」「無茶して周りに迷惑はかけるな」と言われたアスカは自分が何の為に戦っているのかを考えるようになる。そしてリョウと信頼を結んだアスカは自分の能力を誇示する為ではなく皆を守る為にダイナに変身するのであった。

 

スフィアを撃墜して「見たかよ! 俺の超ファインプレー!」とはしゃぐアスカだったが直後にスフィアの攻撃を受けてしまう。
実は前回でもアスカはスフィアを撃墜して「見た? 俺の超ファインプレー!」とはしゃいだ直後にスフィアの攻撃を受けている。
全く懲りていないなぁ、このバカは……。

 

グラレーンに苦戦するリョウのところにやって来たミシナ教官とZEROの訓練生達。この場面は地球を守る者達の熱き絆と言った感じで盛り上がった。
アスカのライバルだったフドウは今回限りの登場だったのが残念。フドウや他のZEROでのアスカの同期生が登場する話があっても良かったと思う。

 

グラレーンによって燃やされた森をミラクルタイプのネイチャーコントロールで鎮火するダイナ。意外とアフターフォローがしっかりしていた。

 

グラレーンとの戦いを終えたアスカは父が語った言葉を思い出す。
「人間は、いや、地球と言うこの星さえ、宇宙の歴史の中では本当にちっぽけな存在なんだ。でもなシン。その宇宙の大きさにも負けないくらい大きなものを人間は持っている。皆の……心の中に」。
迎えに来たリョウを見るアスカ。
「もう、迷いはしない。父さんがいつか見た光を、俺は自分の体の中にしっかりと感じていた」。
アスカは自分がウルトラマンになった事を受け入れたのだった。

 

宇宙が舞台だったのもあってCGが多く使われた今回の前後編。
操演には出来ない事をやろうとしたのか戦闘機が妙にクルクル回っていた。
他にもダイナの登場やタイプチェンジにもCGが使われている。同じウルトラシリーズと言ってもどの作品でも殆ど同じ登場シーンだと飽きてくるのでCGを使ってこれまでとは全く違う登場シーンを作ったのは新鮮で良かった。