「少年宇宙人 ーラセスタ星人登場ー」
『ウルトラマンダイナ』第20話
1998年1月24日放送(第20話)
脚本 太田愛
監督・特技監督 原田昌樹
瑠璃色宇宙人ラセスタ星人
身長 145cm~54m
体重 43kg~3万8千t
ケリガン星系の惑星ラセスタで氷河期が始まった時に母星を離れて様々な星に移住し、その星の種族に同化した。
母星を離れる時に「氷が解けた時に必ず惑星ラセスタに戻って来る」「惑星ラセスタが消滅した時、ラセスタ周期5歳の者は自然に元の姿に戻って、約束の場所トナカイ座のイリスに集まって新たな母星を探しに行く」と言う二つの約束をしていた。
ラセスタ周期5歳は地球の年齢で10歳に当たり、それを過ぎるとラセスタ星人の体は住んでいる種族にすっかり同化して元に戻らなくなる。
惑星ラセスタが惑星ビビドラに吸収されて消滅した為、ラセスタ星人の岸悟は皆に見送られて地球を旅立っていった。
物語
惑星ラセスタが消滅したと言う遙か彼方の出来事が報道された朝、岸悟は母親から衝撃の事実を打ち明けられる。
物語
ウルトラシリーズはウルトラマンと怪獣の戦いがメインになっているが今回は珍しく戦いがメインになっていないお話。異色作になるが、こう言う話を一作品に一話は欲しい。
ラセスタ星人は宇宙人であるが、悟は10歳まで地球人として生きていて、宇宙人の姿になったら地球から旅立つとなっている。なので、今回の話では宇宙人を「外から地球に来るもの」ではなくて「地球の外へ旅立つもの」としている。
悟は地球人ではなくラセスタ星人であったのだが、それでもたっちゃんとみのっちは「地球人の代表」と悟を自分達の仲間として扱ってくれた。
これが大人になると色々な事情が絡んできてしまいそうだが、このくらいの年齢だと「友達」と言う関係で話を進められるところがある。子供がゲストの回は好き嫌いが分かれるが個人的には子供だからこそ描けるものがあると思う。
これまでの話では子供っぽくて頼りない面が目立ったアスカだが今回の話では大人な一面を見せた。
平成ウルトラシリーズの主人公は昭和ウルトラシリーズの主人公より大人な雰囲気が少なくなったのだが、今回の話のように子供のゲストと関わると大人の一面を見せるようになる。やっぱりヒーローは頼りになる方が良いので、ところどころに子供との絡みを入れてほしいなと思う。
ダイナとラセスタ星人の場面でダイナがラセスタ星人を背負って宇宙に連れて行くのではなくて、あくまでラセスタ星人が自分の力で旅立つのを見守っていたのが素晴らしかった。
今回は悟の旅立ちの話であるが、悟の旅立ちがたっちゃんとみのっちに自分の未来を真剣に考えるきっかけになったとして二人のドラマも描かれていたのが良かった。
「君の未来は……誰にも分からない。何故だか分かるかい? それは、君が作っていくからなんだ。そうだ。どこへ行っても……、どんな時も……、君の未来は、君が、君の手で作っていくんだ」。