帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「ツクヨの兵士」

「ツクヨの兵士 ーモズイ登場ー
ウルトラマンダイナ』第22話
1998年2月7日放送(第22話)
脚本 太田愛
監督・特技監督 北浦嗣巳

 

妖獣モズイ
身長 61m
体重 6万2千t
ツクヨの泉の底に棲んで、ツクヨの兵士の怖れを込めた石を喰らっていた。守り神だと思われていたが本当は魔物だった。
怖れを失う事の真実に気付いたツクヨの兵士によって凍れる泉と呼ばれる青銅の鏡に封じられたが、ジオフロント計画作業中に発掘され、綾野博士の解析によって封印が解かれた。ツクヨの泉跡に建設された超高層ビルのガラスの壁面から巨大な姿となって現れる。
黒い煙になって移動する。口からツクヨの兵士の怖れが込められた石を吐き出して相手に怖れを与える。
現代の兵士であるスーパーGUTSの怖れを喰らおうとするが、月の光の下でしか力を発揮できないらしく、月が雲に隠れたのでガラスに逃げ込もうとしたところをリョウに阻止され、最後はダイナ・フラッシュタイプのソルジェント光線を受けて爆発した。

 

物語
発掘された青銅盤を解析していた綾野博士はモズイの怖ろしさを知る。
綾野博士の救出に向かうリョウだがモズイに与えられた怖れで立ちすくんでしまう。

 

感想
ちょっと間が空いたが内容が怪奇モノなので『ダイナ』冬の怪奇シリーズ第4弾と言える話。
今回は妖怪譚。怪奇モノ5本全ての傾向が違っているのはさすが『ダイナ』。

 

明るく楽しい話が多いイメージがある『ダイナ』だがホラー演出が強い話も結構多く、今回も揺れる鏡、停電で闇に包まれた研究所、徘徊するモズイと音や画面効果が怖さを引き立てていた。
特撮では超高層ビルのガラスの壁面から現れるモズイの画が良かった。他にもモズイの力の源である美しくも不気味に輝く紫の月が作品の雰囲気を作っていた。

 

何故かリョウは怪奇モノに縁があって、その度に怖い目に遭っている。
でも、その分活躍もしていて、今回はXXバズーカでモズイを撃った場面が最高に格好良かった。

 

カリヤがヒビキ隊長に綾野博士を説明する時に「残念な事にリョウの小学校時代の先輩」と言っているのが笑える。「幻の遊星」でリョウに殴られたのがそんなにトラウマになったのか?

 

特に何かおかしい事をしていなくても十分に印象に残った片桐はいりさん演じる綾野博士。
モズイの怖ろしさを知った時の対処の見事さはさすがリョウの先輩。
最後、意識を取り戻して「お見舞いは、絶対っ!! カニ」と催促。そんなにカニが好きなの?
綾野博士恐怖(?)の投げキッス! 怖れて思わずリョウに抱きついたアスカとキッスをキャッチしたナカジマ。はたしてアスカとナカジマの運命は……!?

 

怖さで立ちすくんで綾野博士を救えなかった事を後悔するリョウ。
怖れを捨ててモズイと戦おうとするリョウに向かってヒビキ隊長は怖れについて語る。
「何故ツクヨの兵士がモズイを封じたか分かるか? 怖れを全て捨てた兵士は自分の命も他人の命も顧みない、死と破壊しか生まないからだ。怖れを恥じる事はない。俺だって怖いと思う事はある。ただ大事なのは自分自身の怖れと真正面から向き合う事なんだ。それが戦うって事なんだ」。
怖れを捨てた兵士は人間ではなくただの殺戮兵器になってしまう。ヒビキ隊長は兵士である前にまず人間であれと語る。

 

ダイナ(アスカ)も怖れていたが、一体何を怖れたのだろうか? やはり父親関係だろうか?
怖れを持つダイナ。彼も兵器ではなく我々と同じ人間だった。だが、後に一部の人間は怖れを持たないウルトラマンを作ろうとするのであった。