帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「1/100」

「1/100」
ウルトラQ倶楽部』第1話
2003年10月5日放送(第1話)
脚本 千束北男
演出 飯島敏宏

 

物語
万城目の書斎を訪れた由利子と一平。パソコンをいじくっていると二人は100分の1の大きさに縮小されてしまう。
猫やゴキブリの恐怖から逃れながらミクロ世界のコミュニケーションを獲得していく二人。そこに万城目が帰宅するが……。

 

感想
『平成セブン』と同じように『Q』のその後を描いた作品で他のシリーズとの繋がりは無いとされている。
舞台は『Q』の37年後。因みに万城目役の佐原健二さんは2003年時点で71歳、由利子役の桜井浩子さんは57歳、一平役の西條康彦さんは64歳となっている。

 

これまで「特撮」と言うビジュアルを一つの売りにしていたウルトラシリーズで本作はサウンドで色々なものを表現する事になったのだが残念ながら今回の話ではあまり上手く活かせていなかった。
今回は『Q』の「1/8計画」を下敷きにしているが、縮小された由利子や縮小都市を歩き回る巨人の万城目と一平と言うビジュアルで問答無用に視聴者を納得させた「1/8計画」に対し、ビジュアルが使えない本作では音や台詞やナレーションと言った言葉の説明をいくつも重ねなくてはいけなくなってしまって「1/8計画」に比べてインパクトが弱くなってしまった。

 

普段は気にも留めていなかったゴキブリ達と同じ大きさになった事でコミュニケーションが可能になったと言うのが面白かった。この辺りは人間と巨人ウルトラマンの関係に繋がるところがあるのかもしれない。

 

由利子と一平が100分の1の大きさに縮小されてしまった原因は万城目が執筆中の「ビジュアル小説」にあった。小説をビジュアル化すると言う発想は映像作品だった『Q』をラジオ放送にした本作と対になっているとも言える。