帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「カネゴンヌの光る径」

カネゴンヌの光る径」
ウルトラQ dark fantasy』第22話
2004年8月31日放送(第22話)
脚本 山田正弘
監督 清水厚

 

コイン怪獣カネゴン
身長 165cm
体重 170kg
お金があれば何でも出来ると思っている女の子が変身してしまう怪獣。
ハナエが中古市で買った壺の中から世界中のコインが溢れ出て、それに包まれて眠ると悪夢と共にカネゴンヌに変身していた。
占い師に自分の事を心底愛している人物に出会ったら人間に戻る事が出来ると言われ、紆余曲折の末に父親と再会できたハナエは人間に戻る事が出来た。
五千年に一度現れ、過去には神話時代のエジプトに現れたと言う伝説があるらしい。
上から見ると頭部がハート(愛)になっている。

 

物語
或る二十一世紀。ハナエは中古市で父親がかつて持っていたのと同じ不思議な壺を見付ける。
いなくなった父の事を想いながら眠りに就いたハナエは翌朝起きるとカネゴンヌに変身していた。

 

感想
脚本の山田さんが自身の代表作である「カネゴンの繭」を自らリメイクした話。
ハナエの父親が語る「お金好きな男の子が怪獣になってしまった話」はおそらく『Q』の「カネゴンの繭」の事だと思われるが劇中では断定されていない。

 

全体的に昭和レトロな演出がされていて昭和41年放送だった「カネゴンの繭」を思わせる作りにはなっているが、スラップスティックとブラックユーモアが強くなっていて一歩間違えるとホラーにも見える話になっている。

 

今回は拝金主義を皮肉っただけではなく一人の少女が自分への愛を求める展開も組み込まれている。拝金主義の対となるものに無償の愛を持って来たのはなるほどであった。

 

ラストは「カネゴンの繭」と同じく他の人も次々にカネゴンヌになっていく展開。
普通の人間の生活を送っているカネゴンヌの姿はシュールでありながらもどこか妙に馴染んでいて可笑しい。
今の世の中、誰もが自分に対する愛情を求めている?
「あーやだやだ。皆、大人になるってカネゴンヌになる事だったのね」。

 

今回の話は2005年に亡くなられた山田さんのウルトラシリーズ脚本最終作となっている。

 

監督の清水厚さんはウルトラシリーズは今回のみの登板となっている。