帰ってきたウルトラ38番目の弟

ウルトラシリーズについて色々と書いていくブログです。

「新たなる戦い ~ヴァージョンアップ・ファイト!~」

「新たなる戦い ~ヴァージョンアップ・ファイト!~ ー金属生命体ミーモス登場ー
ウルトラマンガイア』第27話
1999年3月13日放送(第27話)
脚本 古怒田健志
監督 児玉高志
特技監督 佐川和夫

 

ニセ・ウルトラマンガイア
身長 50m
体重 4万3千t
ジオ・ベースに保管されていた金属生命体の破片分析サンプルとガイアに関する膨大なデータを基にクリシスゴーストがとった姿。
能力まで全てガイアと同じだったがガイアV2とファイターの攻撃を受けて正体を現す。

 

金属生命体ミーモス
身長 52.5m
体重 5万2千5百t
セガイアが正体を現した姿。
ブーメランや二又の槍を駆使してガイアV2を追い詰めるがファイターの援護を受けたガイア・スプリームヴァージョンの反撃を受けて最後はフォトン・ストリームで倒される。
名前の由来は「身を模す」かな。

 

物語
藤宮が消えた事に不安を覚える我夢。
一方、凍結されたクリシスの亡霊がエリアル・ベースとジオ・ベースを襲う。
そしてクリシスゴーストはウルトラマンガイアの姿をとった!

 

感想
アグル編が終了してここからはバラエティ編となり、これまでアグル藤宮に比べて描写が少な目だったXIGの隊員や怪獣を中心に据えた話が多くなる。

 

前回変更されたオープニング映像に今回更にガイアV2とスプリームヴァージョンが追加された。
又、サブタイトルの場面とエンディング曲も変更となっている。新エンディング曲の『Beat on Dream on』は消えた藤宮を我夢が想っているように聞こえる歌詞となっている。

 

根源的破滅招来体に汚染されたクリシスは凍結される事になる。
責任を感じるダニエル議長に石室コマンダーと千葉参謀は「所詮コンピューターに人類の未来は委ねられなかった」「クリシスの回答は有益な予測だったが破滅する事が人類の運命ではない」「人間の運命は人間が自分で切り開くもの」と語る。
「未来を予測するコンピューター」は古今東西の作品に多く登場しているがその殆どが最終的に否定されるイメージがある。

 

ウェイトトレーニングを始める我夢。
アナライザーが筋トレしている事を不思議に思う慧と樹里に我夢は「友達に戦うなら鍛えておけと言われたから」と答える。
慧と樹里は本当は好きな子が出来たからではと考えるが、稲城リーダーは我夢は自分の中の何かと必死に戦っているみたいだったと語る。以前は周りが見えなくなっていた稲城リーダーだったが焦りが無くなった今は周りの人間を冷静に観察する事が出来るようになった。

 

アグルの光を授かった我夢はエスプレンダーの中の赤いガイアの光と青いアグルの光を見つめ、本当にピンチの時はいつも藤宮が助けてくれたとして、これからはずっと一人で戦っていくのかと不安を覚える。
こういうところで主人公の不安を描けるのはスタート時点からウルトラマンが複数いた『ガイア』ならではである。

 

我夢の母からEメールが送られてくる。我夢の事を知ろうとコンピューターを買ったとの事。しかし、母の送った「お仕事頑張ってください」と言うメッセージで我夢はちょっと家に帰りにくくなる。
我夢は自ら休暇を申し出て城南大学に行ってみるが今はちょうど春休みで友人はいなかった。その後、ガイアの光を得た公園を訪れ、結局はエリアル・ベースに戻って来てしまう。そこでは仲間達が我夢を温かく迎えてくれた。
我夢に向かってGoodサインをする大河原がなんか可愛い。

 

システムダウン直前に放った命令が独立したプログラムとしてネットワークに生き残ったクリシス。まさに亡霊。クリシスゴーストはG.U.A.R.Dヨーロッパのメインコンピューターを経てエリアル・ベースにも侵入するとリパルサー・リフトを停止させてエリアル・ベースを落下させようとする。
クリシスゴーストに対し自分の力が何の役にも立たない事に焦る我夢にアッコは諦めては駄目だと諭す。千葉参謀がエリアル・ベースの自爆も止むを得ないとして退艦準備を進言する中、ジョジーが遊びで開発していたジョイスティックで元ゲーセン荒らしアッコが大活躍する!
アッコがゲーセン好きとは意外だった。どちらかと言うとジョジーの方がイメージある。

 

アッコに全て倒される直前にクリシスゴーストは今度はジオ・ベースに侵入して金属生命体の破片分析サンプルが保管されているF4ラボを占拠して活動する為の体を得る。
この事態にジオ・ベースは全職員が緊急退避する事に。
ジオ・ベースを放棄する事を悔しがる樋口さんは職員にチーフと呼ばれていた。実は結構偉い人だった。

 

クリシスゴーストがとった姿はなんとガイア。
ガイアの出現に驚いた石室コマンダーは思わず我夢の方を見てしまう。
まだ怪獣が現れていないのにガイアが現れた事を不思議に思うXIGに我夢はクリシスゴーストがジオ・ベースにあるガイアに関する膨大なデータを基に姿をコピーしたと説明する。
ところでアパテーはガイアの、アルギュロスはアグルのデータをそれぞれ得ていたはずだが金属生命体の破片そのものにはデータは蓄積されていなかったようだ。もし蓄積されていたらガイアとアグルのデータを基にガイアV2になる事も可能だったかもしれない。
因みに金属生命体が得ていたガイアとアグルのデータだが自分はこの時点で既に根源的破滅招来体に送られていて後のゾグに繋がったのではないかと考えている。

 

現れたガイアはニセモノであると判断されて攻撃指示が出される。
慧はウルトラマンを攻撃する事を躊躇うが稲城リーダーは任務ならと攻撃する。これでチーム・クロウはガイアとアグルの両方を攻撃した事になる。
石室コマンダーは前線でファイターをサポートしろと我夢を出撃させる。隊長に正体を知られているとこういう時に便利。
ニセモノのガイアに次々と攻撃を続けるファイターの中で大河原だけは何故か攻撃できなかった。
大河原「ニセモノだと頭では分かっているのですが……。俺には撃てません! 俺はガイアに何度も命を救われました。彼は、ガイアはずっと一緒に戦ってきた仲間なんです!」。
それを聞いた我夢は自分が一人で戦っているのではなくXIGと言う仲間と一緒に戦っている事に気付く。
我夢「大河原さん……。皆……。分かったよ、藤宮。僕は一人なんかじゃない」。
エスプレンダーを掲げて変身する我夢。攻撃を躊躇した為にニセモノのガイアに捕らえられる大河原。そこに本物のガイアが現れて大河原を救う!
チーム・ライトニングは出撃回数が多いので撃墜される回数も他のチームより多くなってしまうのだが、それを「自分はガイアに何度も助けられた」としたのが上手かった。(ただ、まぁ、大河原は地球を守る特別チームの隊員としてそれで大丈夫なのかい?と思ってしまうところはあるが)

 

対峙する本物のガイアとニセモノのガイア。
千葉「データが完全なら両者の力は互角だ。本物は勝てるのか?」、
石室「命あるものは常に前に進みます! 昨日までのデータなど……!」、
千葉「成長していると言うのか!?」。
遂に激突する二人のガイア。ニセモノのガイアが放ったフォトンエッジを本物のガイアはアグルから受け継いだフォトンクラッシャーで返す。さらにファイターの攻撃を受けてニセモノのガイアは遂にその正体を現した。
「本物をコピーした敵」は昔からあるものだが「データと違って本物は常に成長している」として本物がデータを上回る展開はなるほどと納得する理屈と盛り上がりがあった。

 

正体を現したミーモスはブーメランや二又の槍を使って反撃するが、苦戦するガイアV2をファイター全機が援護する。
ニセモノのガイアと違って本物のガイアにはXIGと言う仲間がいると言う逆転劇は今回のテーマにマッチしたものであった。

 

挿入歌と共に始まる逆転劇とV2からスプリームヴァージョンへのヴァージョンアップが盛り上がる!

 

スプリームヴァージョンの力強さを見せ付ける為か今回のガイアはよく投げる。
あのひよわっちぃ我夢がミーモスを持ち上げる程の力を得たのには感慨深いものがある。

 

戦いが終わってガイア・スプリームヴァージョンにGoodサインをする大河原。
これでクリシスに宿った根源的破滅招来体は完全に消滅し、長い戦いに一つの区切りが付けられた。
また新たなる戦いが始まるのだが、千葉参謀は「あぁ、負けませんよぉー! 我々は!」と笑顔で語り、石室コマンダーも「はい!」と力強く答える。
新たなる戦いに向けて人々は新たなる希望を胸に新たなる決意をするのだった。